前説
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Mrs. GREEN APPLEが「PRESENT (English ver.)」を発表した。
日本のポップスにとどまらない先端のバンドサウンド。
的確に打ち込みとバンドのバランスを取りながら、ミセスならではの音に落とし込んでいる快曲だと思う。
が、聴いていて一番に感じたのは、大森の伸びやかなハイトーンボイスだと思う。
とにかく高音の突き抜け方が気持ち良い。
ここまで綺麗に高音を出すバンドのボーカルもそうはいないだろうと思ったら、とあるバンドの新曲も耳に入る。
Official髭男dismの「パラボラ」である。
ヒゲダンの楽曲の中では、そこまでメロディーのkeyが高い歌ではないけれど、所々で突き抜けていくボーカルのハイトーンさは、圧倒的である。
流石は藤原、といった感じである。
そのとき、ふと思った。
ミセスとヒゲダンのボーカル。
ハイトーンという視点に立ったとき、どこがどう違うのだろうか。
この記事では、そのことについて書いてみたい。
本編
Mrs. GREEN APPLEのボーカルについて
Mrs. GREEN APPLEの大森のボーカルはハイトーンである。
そのことは間違いない。
ただ、ヒゲダンと比較したとき、そのハイトーンにどう違いがあるのだろうか。
言語化するのは難しいんだけど、あえて言葉にするならば、大森のボーカルの方が男らしさのようなものを感じるのだ。
張り詰めた感じというか、歌声の力強さを感じるというか。
新しく発表された歌は全編が英語だから、そう感じるだけなのかもしれないが。
イメージとしては、アメリカのボーイズグループのような印象を与えてくるのである。
Official髭男dismのボーカルについて
ヒゲダンの藤原の声も別に「女声」というわけではないだけど、より声の中に繊細なものが見えるという意味で女性的な印象を与えてくるのである。
語尾が「〜よ」みたいな柔らかいものを積極的に使っているからそういう印象があるのかもしれないが。
あと、Aメロでも平気で裏声を使うかと思えば、サビではちょっとkeyを落としていくみたいな、声の余裕さみたいなものがそれをより感じるのかもしれない。
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声質が似ているわけではないけれど
ハイトーンではあるが、別にふたりの声が似ている、というわけではないと思う。
ただし、二人の声に共通点があるとすれば、その表現力だと思う。
いわゆるバンドのハイトーンボイスって、甘さを全面に出すあまり、声に迫力がなくなっていることが多いし、のっぺらとした印象を与えることも多い。
でも、大森と藤原の歌声は並々ならぬ破壊力があって、歌詞に描かれている主人公の感情に没入してしまうような感情が声に宿っているのである。
きっと彼らの歌詞が多くの人に刺さる理由は、ここにある。
声の表現力が凄まじいのだ。
どれだけハイトーンになっても、無理をしていることを感じさせず、張り詰めている時もきっちりその意味を与えてくれるような歌い方をするのである。
洋楽と邦楽の間を行くバンドたち
ちょっと話は変わるけれど、この二組のバンドの共通点ってもうひとつあって、バンドサウンドを超えていくようなサウンドを構築していくところである。
簡単に言えば、普通のバンドではあまり挑戦しない音使いを積極的に取り入れるのだ。
打ち込みであったり、他ジャンルの音楽の経由を参照したり。
そういう引き出しの広さを楽曲のひとつひとつから感じる。
そういう意味で、楽曲ごとの好き嫌いを多く作ってしまっているバンドではあるのかもしれない。
このときの歌は好きだけど、今回の歌はあんまり好みじゃないみたいな。
そういう印象をミセスもヒゲダンもわりと与えてしまっているのかもしれない。
でも、そういう印象を与えることが、このバンドの凄さを物語っている。
それだけアイデアがたくさんあるということだし、毎回意欲的に挑戦していることの現れなのだから。
でも、変わらないものもある
でも、このバンドたちには変わらないものもある。
そういう武器のひとつとしてハイトーンボイスがあるんだろうなあ、と思うのだ。
突き抜けるハイトーンボイス。
彼らの最大の武器が、どんな楽曲になっても変わらずに轟かせられる。
装いが変わっても、コアな部分は変わらない。
そういう根本は、お互いのバンドが共通して、持っているものなのかなーと思ったりするのである。
まとめ
ミセスもヒゲダンも個人的にめっちゃ好きな曲である。
で、せっかく好きなので、いつもと違った切り口で記事を書きたいな、ってことで、こんな感じで書いてみた。
比べると言っても、比べられないものではないから上手く言語化できない部分もあるけれど、比べて聴けば聴くほど、お互いの良いところが見えてくることは間違いない。
それにしても、二バンドとも、綺麗な声をしているなーと思うのである。
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