音楽はなんだかんだで好みだと思う。
そして、その好みは千差万別だと思う。
だから、かっこいいと思う音楽は人によって違うだろうし、かっこいいと感じる軸もまた人によって違う。
なので、そこに良し悪しはないと思うんだけど、ひとつ明確にはここでツボはあると思う。
自分は、特にこういうタイプの音楽がツボなんです!っていう話はある。間違いなく。絶対に。
そうやって、自分が最近好きな音楽を振り返ってみたとき、ビターな香りのするスタイリッシュな音楽にハマっていることに気づいた。
例えば、白というよりは黒の雰囲気があるというか。
底抜けに明るい音楽というよりは、ちょっとある種の暗さがあるというか。
ド派手にガンガン響くというよりは、スタイリッシュかつ淡々とうねる感じの漂いがあるというか。
かなり感覚的な言葉である。
かつ、流動性のある感覚ではある。
んだけど、ぼんやりとそんなことを思っている今の自分。
で。
そんな自分軸の中で、最近良いなあと思っているのが、MAZZELの「J.O.K.E.R.」なのである。
というわけで、この記事ではそんな「J.O.K.E.R.」の話をしてみたいと思う。
「J.O.K.E.R.」の話
個人的に、「J.O.K.E.R.」は、ちょっとダークな憂いを帯びたスタイリッシュな楽曲という印象なのだ。
もしかしたら、ジョーカーという音の響きに引っ張られて、そんなことを思っているのかもしれない。
でも、「J.O.K.E.R.」が持つスリリングさって、ちょっと独特の空気感を持っているのは確かだと思う。
小気味の良いハイテンポなラップパートをベースで構成された一曲。
油断して楽曲を聴いていると、どんどん次の展開に突き進んでいく面白さがある。
そして、それぞれのフレーズをスリリングに楽曲の中に落とし込む技術が、全員、ずば抜けているのだ。
というのも、こういう楽曲って、ポップスやバンドの音楽とは違うメリハリの付け方をする必要がある。
そのため、ボーカルがどういう風にラップをするのか?がすごく大事になるわけだけど、MAZZELのパフォーマンス、特に今回の「J.O.K.E.R.」に触れていると、そのあたりの素晴らしさを実感することになる。
例えば、
想定外のErorr が描くNew era
このパートのリズムの切り方、見事だと思う。
どういうリズムの区切りで、そのパートをラップしているのか、に注目しながらよく聞くとわかるが、その切り方が面白し、ワクワクする。
例えるなら、スリリングな動き方をするアトラクションの揺さぶりに通ずるワクワクがある。
しかも、それをスタイリッシュなラップで繰り広げるのだから、そりゃあ引き込まれる。
Do it do it
と
すぐにここが世界の中心
ここのパートも良い。
というのも、それぞれのパートで、リズム的なギアの入れ方が明確に変わっているのが良い。
ちょっと間を作ったかと思えば、最後は高速的に駆け抜けることで、歌全体の引き締まりが出ている。
その感じが、良いのだ。
こんな風にパートを区切ったときのリズムの変化させ方、その乗りこなし方が秀逸なのだ。
さらにメロが高速的に展開するからこそ、「Woo, Woo」以降のテンポの更新の仕方の引き込まれ度合いが増す。
パートごとでもごろごろにリズムやギアの入れ方が変わるし、楽曲全体の展開はさらにダイレクトかつスリリングなわけだ。
こういう部分でメリハリを作っているのが、良い。
音の厚みを変えたり、上物楽器でド派手の音のベクトルを変えるという変化の付け方もある。
もちろん、今作でもそういう変化も必要な局面で行ってはいる。
でも、それが必要以上に目立つ作り方ではない。
どちらかというと淡々と楽曲が展開する中で、歌の軸を握るものたちが秀逸にギアを入れ替えて、常にスリリングに歌を進行させる心地に痺れるのだ。
「J.O.K.E.R.」に惹かれる一端を、自分なりに言葉にしてみたのでした。
まとめに替えて
SKY-HIのイズムを継承した男性グループだからこその魅せ方だなあーと感じたし、BMSGがグループ全体で各々のパフォーマンスを切磋琢磨しているからこその高揚感も覚えた。
MAZZELは少しずつその音楽世界にどんどん惹かれている身なんだけど、2025年の飛躍も今から楽しみで仕方がない。