Official髭男dismのスタジアムライブの感想
Official髭男dismの初めてのスタジアム公演、みにいってきましたよ。
自分が観に行ったのは、2025年5月18日ヤンマースタジアム長居の二日目の公演。
あのね、マジで痺れるライブだったね。
自分はインディーズバンドのライブハウス公演にも行くし、バンドに限らず色んなタイプのアーティストのライブに行く。
なので、スタジアム公演ってわりと「距離」を感じてしまって、その部分においては物足りないを感じてしまうこともある。
んだけど、Official髭男dismのスタジアム公演はマジで、そういうネガティブは一切なかった。
なんというか、頭から尻尾まであんこたっぷりのたい焼きを食っている感じ。
なので、同じたいやきを食うにしても満足度がえらく違うというか。
ということなので、記憶が薄れる前に、自分なりの感想をざっと書きたいと思う。
なお、セットリスト全部を書くようなことはしないが、披露された楽曲についてはいくつも触れていくので、ネタバレ厳禁という方は、ここでブラウザをバックしてもらえたら幸いです。
ヒゲダンの4人、魅力的すぎ
Xでもちらっとポストをしたんだけど、Official髭男dismって4人のバランスが良すぎる。
バンドによって色んなタイプがいて、全員が職人みたいなバンドもいれば、全員がゆるキャラみたいなバンドもいる。
フロントマンがとにかく「仕切る」バンドもいれば、一人の運動量がえげつないみたいなバンドもいる。
で。
Official髭男dismって、そう考えたとき、全員のバランスが良いんだなーと感じた。
シンプルに仲が良さそうで、楽しそうに演奏しているから朗らかな気持ちになる、という前提があるんだけど、その上で、個々の魅力が異なっている。
藤原は良い意味でスキのないMCをするし、ボーカルもスキもないし、情感込めて歌うメロディーは心惹かれるし、MCで締めるべきところは締めるしで、完全に主役。
漫画の配役を与えるのであれば、やっぱりどうみても主人公。
そういう意味で、ステージの掌握しているとい意味では「フロントマンが「仕切るタイプのバンド」といえるようなオーラはある。
でも、Official髭男dismって歌だけ主役のバンドじゃない。
これはライブを観た人の多くが感じていることだったと思うが、実は演奏がバチクソにかっこいい。
特にヒゲダンの演奏のかっこよさを際立たせるうえで重要なのが、小笹のメタルイズムのギターである。
「ミックスナッツ」のようなポップでカラフルな楽曲でも、ぎゅいーんってタイプのごりごりのギターを入れる。歌うようなギターというよりは、ノイズを響かせるタイプのかっこよさ。
しかも、アグレッシブな動きでそういうプレイをするんじゃなくて、必要最小限の動きでゴリゴリのプレイをするから、よりかっこいい。
なんなら「Subtitle」のような超絶しっとり曲でも、よくよくギターに耳を済ませると小笹節を”やっている”ことが多い。
だから歌にも惹かれるけれど、歌だけに惹かれるわけにはいかない魅力で溢れている。
「 FIRE GROUND」を披露する頃には、小笹節全開放と言わんばかりの容赦なきモード。
テニスの王子様で越前が右利きのフリしたら実は左利きで、そこからさらにレベルが一段階上がったときに似た驚愕。
これまでもぎゅいーんがきまっていたけど、この程度のぎゅいーんはまだまだ序章だったと気付いた瞬間だ。
かといってメンバー全身がそういう装いに寄せたプレイをしているわけじゃないところがヒゲダンの面白いところ。
リズム隊となる楢﨑と松浦は、そこで絶妙なバランスを取る。
優しさ濃度で言えば、圧倒的なのが楢﨑だろう。
楽器のプレイもヒゲダンの歌に必要な優しさを添えていくし、グルーヴだったり、艶みたいなものをミルフィーユのように歌の中に入れ込んでいく。
松浦は激しいと優しいのバランスを取り持つように、歌のバランスを作り上げる。
だから、「ミックスナッツ」であればアグレッシブに展開するし、「Subtitle」ならしっとりとしたモードに合わせてリズムを作る。
楢﨑と松浦が屋台骨として、ある種「らしさ」を持ちながら、どっしりとリズムを作り上げるからこそ、小笹のメタルイズムが炸裂するし、藤原が伸びやかに表現に徹することができる。
ライブを観ていて、そんな風に感じたのだった。
MCにおいても、微妙な間があれば、すかさず楢﨑が合いの手を入れる部分もヒゲダンのチームとしての強さを示していたように感じた。
おれ、ここの部分が好きすぎた件
ってかね、今回のライブ、ステージの右上あたりに時計があって、自分の席位置からだとその時計が見れたので、改めて実感したんだけど、冒頭45分くらいですでにヒットソング歌いまくっていたんだよ。
「ミックスナッツ」も「Subtitle」も「Pretender」も「115万キロのフィルム」も前半に歌い終わっている。
そう。
並のバンドなら、前半にヒットソング詰め込みすぎで、飛ばしすぎでしょ???と言わんばかりのラインナップである。
でもね、驚いたことに全然これ、飛ばしすぎてなかったのだ。
ここからどんどんハイライトを作るし、「Pretender」や「Subtitle」ですら、まだまったくピークじゃなかったことを実感する中盤〜後半戦が待ち構えていることを知ってしまうのだ。
個人的に良いなあと思ったのが「Cry baby」からの「ホワイトノイズ」。
ここは4人の後ろにでっかく聳えるビジョンの使い方も含めて、バチクソにかっこよかった。
「ホワイトノイズ」はヒゲダンの楽曲の中で言えば、個人的にそこまで思い入れのない寄りの楽曲だったんだけど、この日のライブで好き度が急上昇。
ってか、単純にライブ映えする曲すぎて、生で聴いたときの迫力がどえらいことを実感するのだった。
アンコールも出し惜しみすることなく駆け抜けた感があって、頭から尻尾まであんこたっぷりを超えて、尻尾食い終わったと思ったら、口の中でいつまでもそのあんこの風味がうますぎて、それだけよだれがどえらいことになる・・・っていうレベルだった。
凄いバンドはスタジアムでも「遠くない」
改めて思ったのは、ヒゲダンのライブにおいて、スタジアムはまったく「遠くなかった」ということ。
確かにスタジアムの場合、音の制限があるため、ライブハウスみたいに空間にみっちり音が詰まる、みたいな体感はできないけれど、鳴らす音はダイレクトに自分の耳に届く感触があった。
なんなら、然るべき音量調整をしているからこそ、歌が、言葉が、どこまでもしっかり胸にはいってきて、それがライブの「近さ」になっていくことを実感した。
これはOfficial髭男dismのパフォーマンスの素晴らしさと、バンドが持つ空気感の両方で成せた感触だったのではないか?と今はぼんやりと感じている。
マジで、Official髭男dismのスタジアムライブは「近かった」ということは、声を大にしておきたい。
まとめに替えて
細かいことを言えば、もっと言いたいことはいくらでもあるんだけど、あんまりセットリスト順で感想を書いたり、MCを書き起こしてハートフルな感想文にするのは野暮だと思ったので、この記事では、ライブを観て特に言葉にしておきたかったことに絞っておこうと思う。
また何年後かに、またヒゲダンはスタジアムでライブをすると思うんだけど、そのときも絶対に行こう。そう感じるライブだったのだった。