SMAPの「世界に一つだけの花」、サブスクとかで聴けないのが勿体ない名曲である件

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最近、中居正広と香取慎吾がテレビ番組で共演した。

それまで音楽番組ですら、グループ全体として扱うことはタブー的な空気があったSMAPの歌唱部分が放送されるケースも出てきた。

2023年は、SMAPというグループと楽曲の扱いに、それまでとは異なる違いが生まれてきており、新たなフェーズに動いている印象を受ける。

現状では、将来的にメンバーが集結してSMAPが再結成する・・・ということはあまり考えられない想像ではあるが、もしかしたら5人(あるいは6人)がそれぞれの立場で、何かしらの形で交わる未来はあるのではないか。

そんな未来は描いてもいいのではないかというくらいに、SMAPというグループの扱いが変わってきた印象は受けるし、メンバーそれぞれも次のフェーズに進んでいるのではないかと思う瞬間はある。

まあ、将来の話はさておき、SMAPが生み出した音楽はもっと末長く受け継がれてもいいと思う。

それだけたくさんの名曲を生み出しているグループだし、生み出した名曲の多くが、今なお色褪せることなく輝いているからだ。

そんな中で思うのは、「世界に一つだけの花」という楽曲が、改めて圧倒的な名曲感を放っているということである。

そこで、この記事では、時代を超えて愛される、「世界に一つだけの花」について触れてみたいと思う。

「世界に一つだけの花」の話

この楽曲は槇原敬之が作詞・作曲・編曲を手がけた楽曲である。

もともとはシングルとして書き下ろされた楽曲ではなく、『SMAP 015/Drink! Smap!』というアルバムに収録されている、アルバム曲だった。

このアルバムは、稲垣吾郎の復帰後初のアルバムでもあり、SMAPの歴史においても違った意味合いを帯びた作品だったが、そんなアルバムの中でも大きな話題を集めていたのが「世界に一つだけの花」だった。

曰く、アルバム曲に留めておくのは勿体ないという声を集め、草彅剛主演のフジテレビ系ドラマ「僕の生きる道」主題歌に起用されたこともあり、ついにシングルカットされてリリースされることになったのだった。

その後、「世界に一つだけの花」だけ日本の音楽史に名前を残すほどの歴史的なセールスを挙げたことは、当時の音楽チャートを知っている人であれば、ほとんどの人が認識していることではないだろうか。

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No.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one

上記のフレーズは、この歌をそこまで丁寧に聴いたことがない人でも、記憶に残っているフレーズではないかと思う。

それだけこのフレーズが刺さった人は多かったのだと思うし、色んな意味合いを帯びながらこのメッセージはたくさんの人に伝わっていったように思う。

それにしても、なぜ「世界に一つだけの花」という歌は、こんなにもたくさんの人に刺さったのだろうか。

このことについては、きっとたくさんの音楽メディアで分析され、解説されてきたことだとは思うので、2023年の今にそこを紐解くのは少し野暮なのかもしれない。

が、確かに今振り返ってみても「花」というモチーフは、わりと歌としてベタなものだよな、と思う。

自分という主人公を絶対的に肯定する歌、というのもメッセージの種類としては必ずしも珍しいものではなかったと思うのだ。

でも、「世界に一つだけの花」は確かにたくさんの人に刺さったし、今聴いても不動のメッセージ性を感じる。

なぜなのかを考えると、結局のところ、SMAPが歌っているから、というところに行き着くと思う。

「世界に一つだけの花」のシングルバージョンは、サビから始まっているが、アルバムバージョンではサビ始まりではなく、イントロから始まる構成になっている。

また、それぞれのメンバーの歌割りも異なっており、それぞれのバージョンを聴き比べると、違ったイメージを覚えることになる。

シングルバージョンで特徴的なのは、中居正広が最初のAメロを歌うというところであり、大サビでは草彅剛がボーカルを取っているところではないかと思う。

正直、みんな、必ずしも歌は上手くない。

特に2023年で振り返ってみると、めっちゃパフォーマンスが優れている若いグループがどんどん出ているからこそ、単純なる”上手さ”だけで比較すると、冒頭の中居も大サビの草彅もスキのあるボーカルを披露している。

でも、このスキのあるボーカル、というのがポイントなのだと思う。

スキのあるボーカルだからこそ、「No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」というメッセージが血肉あるフレーズとして響くようになるし、それぞれが優しさをもってフレーズひとつひとつを繋ぎ止めていくからこそ、この歌が持つ温かさや包容力が際立つことになるのである。

槇原敬之がアレンジの手がけたということで、曲の持つメッセージ性にそわせた朗らかかつ春っぽい雰囲気の音づかいで楽曲が進行していく、というのも良い。

それが歌の物語性を際立たせるようになったのだと思うのである。

まとめに替えて

ただ、きっと他のアーティストが歌っても、今の「世界に一つだけの花」のような魅力がなかなか生まれてなかったように思う。

SMAPという、それぞれの個性が際立った、独特のバランス感とボーカルを持ったグループが真っ直ぐにメロディーを紡いだからこその結果。

そんな普通に思うのである。

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