前説

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好きなアーティストの新曲発表はいつだってワクワクするものだ。

Official髭男dismの「Universe」は、そういうワクワクを届けてくれた一曲だ。

では、Official髭男dismの「Universe」はどの辺りが良いのか。

そのことをこの記事で書いていきたい。

本編

Official髭男dismならではのサウンドアプローチ

昨年、Official髭男dismが発表した曲を並べてみると、ますますこのバンドをジャンルで形容することが難しくなったことを強く感じる。

「I LOVE…」「パラボラ」「Laughter」「HELLO」。

どの楽曲もサウンドの色が違うし、各パートに区分けしてもアプローチ方法が大きく異なる。

芸達者で色んな要素を面白がって取り入れることができるOfficial髭男dismだからこそ、と感じさせるラインナップである。

つくづくOfficial髭男dismの音楽って宇宙のような広がりをみせていくな・・・・・・・と思っていたタイミングで新たに発表されるのが「Universe」。

タイトルを聞くだけで、おおっ!となる。

去年、バンドのカラーをさらに多彩にしていき、紅白レベルの出演すらも”サプライズ”ではなくなったOfficial髭男dism。

宇宙に広がるような勢いでその存在感を強めていった髭男が、次にどんな音楽を魅せるのか。

「Universe」の初聴はワクワクがとまらなかった。

聴いて最初に感じたのは、イントロの鍵盤の存在感。

もともと、髭男はブラックミュージックとポップスの融合が巧みなバンドとして、その存在感を強めていったバンドだったけれど、そのときのグルーヴを感じさせるようなビート感だったのだ。

髭男らしいグルーヴで、自分たちの世界にぐっと引き込む感じ。

サブスクで音楽を聴くのが当たり前になった昨今、イントロは廃していきなり歌始まりで展開するアーティストが多くなっている。

音楽をマーケティング的な観点で語る人は、どんどん音楽が「サブスク仕様」に変わっていると言いがちだけど、少なくとも、Official髭男dismは毎回どの曲もしっかりとイントロを聴かせる。

そして、そのイントロでしっかりと作品の世界に誘ってくれるのだ。

これって、Official髭男dismというバンドサウンドやグルーヴをとても大切にしているバンドだからこそのアプローチだと思う。

「Universe」もまた、冒頭の20秒ほどのイントロでしっかりと心を掴んでくるのだ。

鍵盤の音、エフェクトで加工したギターサウンド、楽曲の土台を支える丁寧なベース音、打ち込みっぽい音色のドラム。

ひとつひとつの楽器が作品の世界観を作るうえで、しかるべき音の形で空間に響かせる。

20秒ほどのイントロにおけるこの導入が絶妙だからこそ、「Universe」の音像が深まっていく。

イントロときっちりと向かい合い、イントロが不可欠なものになっている時点で、「Universe」は圧倒的さが際立っていると思うのだ。

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グルーヴを増し増しにする歌詞構成

今作は髭男ならではのグルーヴが気持ち良い一曲である。

それはブラックミュージック的なエッセンスをポップに落とし込んだ髭男だからこそのアプローチだし、楽器が明確なイメージの中で音色を変えているからこそでもあると思う。

ただ、それだけではない、というのがこの章のトピック。

というのも、歌詞構成もまた、サウンドが紡ぐグルーヴに合わせて丁寧に構築していることを感じさせるわけだ。

よく言われる話だけど、Official髭男dismの歌は韻の踏み方が秀逸である。

嬉しい悲しいどっち?
正しい悲しいどっち?

今作のわかりやすい部分でいえば、上記のBメロは各小節ごとの語尾が揃っているからこそ、リズムにキレが生まれている。

Bメロからがらっと雰囲気が変わるのは、単純にリズムパターンが変わるだけではなくて、歌詞とリズムの関係性みたいなものも変わるからこそなのだ。

また、サビの前半部分は「e」の音を重視したフレーズ構築がなされているし、「e」の音が印象的になるような配置になっているからこそ、サビのキメで登場する「ユニバース」の音が圧倒的に輝くのだ。

どの単語を使って、『ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』というタイアップの世界観とすり合わせていくのか、という計算も凄まじいわけだけど、それを踏まえた上で、歌詞と音楽的快楽とどのように結びつけていくのか、というところにまで丁寧と掘り下げられているのは、流石だなーと改めて思うわけである。

圧倒的なハイトーンボイス

髭男の歌ってわりとメロパートは低音を重視して進めていくことが多い。

だからこそ、ここ一番のハイトーンになったときの輝きが凄まじい。

今作でいえば、先ほども述べた「ユニバース」の部分がとにかく圧巻。

ここで一気に楽曲のテンションがピークを突き抜ける。

そして、どれだけ難解も(リズムアプローチも含めた)メロディーラインになっても、きっちり歌いこなす藤原の凄まじさが際立つ。

ここが華麗に決まっているからこそ、Official髭男dismの歌は唯一無二の輝きを魅せるのだ。

蛇足かもしれないけれど、Official髭男dismの歌をカバーする人って多いけれど、メロディーの部分は丁寧になぞれていても、リズムアプローチも含めたメロディーラインをきちんと踏襲できている人って少ないと思っていて。

ブラックミュージック的なグルーヴを宿したポップスだからこそ髭男の歌って圧倒的な輝きを魅せているところがあるわけだけど、そのまま単純なるポップスのままにカバーしている人が多かったりするんじゃないかなーと思っている自分がいるわけだ。

メロディーとリズムが結託の仕方が半端ないからこそ、髭男の歌って唯一無二の輝きを魅せているんだよなーという話。

まあ、なんにせよ。

今作も聴きどころが豊富すぎる名曲をOfficial髭男dismは、発表してきたのだということである。

まとめ

ドラえもんの世界観を踏襲した言葉選びについてはあまり掘り下げていないけれど、ここも今作は秀逸だよなーと思う。

「Universe」なのは、今作のドラえもんの映画が宇宙を舞台にしているものだからだし、「公園」や「0点」や「侵略者」や「銃」や「星座」や「惑星」や「流星」は、タイアップを踏まえてのワードチョイスであることが想定される。

なるべく直接的なワードや描き方をしないで、髭男の過去作とも連なるようなメッセージ性を伴いつつも、タイアップソングとしてもきちんと着地させて、その世界観を深めていく辺りも流石だなーと思った次第。

ひとつのトピックに関して、様々なことを考えて、普段から丁寧に掘り下げているからこそのアプローチなんだろうなーと改めて思ったわけだ。

2021年のOfficial髭男dismもきっと凄いことになるんだろうなーと予感させる作品だった「Universe」。

今年の髭男も目が離せないなーと改めて感じさせる。

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