前説

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この記事では、MASH A&Rに所属しているバンドを紹介した記事を書きたい。

ただ、そもそもMASH A&Rとはなんぞやという人もいるかもしれない。

ここで細かく説明すると、煩雑になってしまうので簡単に言ってしまうと、アーティストマネージメントなんかを行っている会社なのである。

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まあ、バンドごとに違うので御託はこの辺にして、早速バンドの話をしてみようと思う。

本編

THE ORAL CIGARETTES

最近、アルバムを発表したTHE ORAL CIGARETTES。

新しいアルバムを聴いていると、つくづくこのバンドが新章に突入したことを実感させる。

2010年代にロックシーンに登場してきたバンドってどうしても、ロックフェスのシーンと合わせて語られがちで、かつフェスシーンで人気者になるためにはある程度、バンド音楽のフォーマットが形作られているところがあった。

が、オーラルもそうだし、このあとに出てくるMASH A&Rのバンドの多くは、見事にそういう「流行りのフォーマット」みたいなものから上手に距離を置いているように感じる。

新しいアルバムにも収録されている「Naked」。

国内のメガフェスシーンで頻繁にメインステージに立つバンドと比較すれば、この歌がいかに他のバンドとは違った刺激を与えてくれるかが、よくわかる。

現行のロックバンドの多くはサビへの高揚感をふくらませるようなアレンジを施したり、口ずさみやすいキャッチーなメロディーを武器にすることが多い。

しかし、THE ORAL CIGARETTESのこの曲は違う。

一般的なバンドが志向するものとは違う魅力を楽曲に溢れさせている。

ラップありメロパートありの複雑な展開の妙で魅せてみたり、アグレッシブなバンドサウンドのかっこよさで魅了したりと、意欲的なアプローチをふんだんに取り込んでいることがわかる。

バンドサウンドにおいても、ミクスチャーロックっぽいテイストを取り込んでいるところが大きな魅力となっている。

この歌も比較的キャッチーではあるけれど、メロディーの起伏を追っていくと、現行のバンドにはない魅力を感じるし、低音を多用するこのラインはオーラルならではだよな、と思うのである。

関連記事:HYDEに接近してきたTHE ORAL CIGARETTESの話

フレデリック

現行のロックシーンとは違った魅力を示し続けている、という意味ではフレデリックも負けてはいない。

どこかレトロさがあるサウンドが特徴で、サイケデリックっぽいサウンドの歌もあれば、ニュー・ウェイヴっぽいサウンドの歌もあるフレデリック。

下手をすればオタク趣味っぽいマニアックなサウンドになりかねないサウンドの意匠も、独特のセンスで、絶妙なところに着地させていく。

そう。

フレデリックは、サウンドのマニアックさとキャッチーなリズムのバランスが絶妙なのである。

どういうタイプの音も、フレデリックならではのリズム感=フレデリズムで構築しなおし、懐かしいのに新しい魅力を楽曲に与えるのである。

表題曲だけだとなかなかイメージがつかないかもしれないが、フルアルバムやep全体を聴けば、いかにこのバンドが様々なアプローチをしているのかを知ることができる。

関連記事:フレデリックのお気に入りな歌8選

LAMP IN TERREN

LAMP IN TERRENはボーカルの声だけで世界観が構築しちゃうタイプのバンドだなーと思う。

松本の声って、弾き語りだけで世界観が作れるタイプのボーカルだよなあと思うのだ。

「いつものこと」を聴けば、きっとそのことに納得してもらえると思う。

自分の世代で言えば、それこそBUMP OF CHICKENなんかも、そういうボーカルだけで成立しちゃうタイプのバンドだと思う。

言ってしまえば、LAMP IN TERRENの魅力はBUMP OF CHICKENと通ずるものがあるといえるのではないだろうか。

ただ、こう言ってしまうと、LAMP IN TERRENの魅力はボーカルだけって誤解されそうだが、それは違う。

例えばだけど、松本の声はオーラルとかフレデリックのサウンドだったら、「ちょっと違う・・・」ってなると思うのだ。

そう。

LAMP IN TERRENの曲を聴けば聴くほど、松本のボーカルはLAMP IN TERRENだからこそ輝いていることを実感させられるのである。

確かにサウンドから、わかりやすい尖った技術が見えるわけではない。

でも、ボーカルが輝くサウンドを理解していて、そのボーカルやメロディーが一番輝く音の構築をバンド側は知っている。

そして、それをメンバーが共有しているから、より最適なアレンジに収斂していく。

LAMP IN TERRENの曲を聴くと、そんなふうに僕は感じるのだ。

そういう意味でも、LAMP IN TERRENとBUMP OF CHICKENにはどこか似ているものを感じるなーと思うのである。

なんせBUMP OF CHICKENもそういうバンドだって思うから。

関連記事:地味だと思っていたLAMP IN TERRENの良さ

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パノラマパナマタウン

「フカンショウ」はFM802のヘビーローテーションだったので、よく聴いた歌だったんだけど、はじめて聴いたときの衝撃がすごかった。

早口パートを軽妙に歌いこなすところや、メロもサビも同じくらいにインパクトがあるところもそのひとつなんだけど、そのメロディーをドライブさせていくリズミカルで躍動的なサウンドがかっこいいなーって思ったのである。

こういうスピード感でドライブさせる歌って、どういうアレンジを施すかで大きく印象が変わると思うのだ。

ベースのリフをどうするのかとか、ドラムがどういうリズムを打つのかとか。

単調にならないために、どこにリズムのフックを仕込むのかとか。

そういうアイデアのひとつひとつが、楽曲の勢いを殺しもするし、加速させたりもすると思うのだ。

で。

パノラマパナマタウンの「フカンショウ」は、その辺が綺麗にハマっているって思っていて。

ここはロックダンスっぽいリズムでいくけど、ここはスネアで細かくリズムを刻んでいくぜ、みたいな使い分けが絶妙で。

つまりは、バンド全体のリズムのセンスが、すこぶる良いのだ。

それは速い歌だけに限った話ではない。

よりヒップホップ的なものを全面に出した一曲なんだけど、こういう余白の歌でも感じるリズムのキレ。

いや、余白があるビートだからこそ、よりリズムのキレさが際立っていると言ってもいいかもしれない。

どんなテンポの歌もリズムのキレで魅了していることを証明しているように感じる。

Saucy Dog

バラードが出世作になるバンドってそこまで多くないと思うのだ。

でも、Saucy Dogはそういうバンドである。

「いつか」はYouTubeでの再生数が2000万回を越える、文字通り彼らの出世作である。

素朴なサウンドなんだけど、だからこそ、メロディーがしっかりと残るのだ。

「結」もそうだけど、必要最小限のもので勝負したときのSaucy Dogの歌って本当に良い。

別にストリングスなんていらない。

楽曲をドラマチックにするための余計なサウンドなんて、そもそもいらない。

心を掴むメロディーと、自分たちのバンドサウンドがあれば、それで十分。

そのことを申告するかのように、シンプルなんだけどスキのない歌で心を動かすのである。

もちろん、バラード以外の歌もいいんだけど、こういうシンプルなバラードのSaucy Dogの破壊力ってずば抜けているように思うのだ。

なにより、他のバンドと比べたとき、そこが突き抜けているように思うのである。

関連記事:2020年のSaucy Dogがグッとくる件について

YAJICO GIRL

「いえろう」を聴いたときに思ったのは、ギターのエフェクトの使い方が良いなーということ。

他の曲もそうなんだけど、音色の使い方が良いのである。

「NIGHTS」もベースの音が聞き取りやすいように配置をしていて、その音の置き方が良い。

ギターが他の楽器の音の隙間を縫うように丁寧にノイジーな音を響かせるところも良い。

バンドって盛り上げることばかり意識しがちで、それを加速させちゃうと音が集まりすぎて、濁ってしまい、ごちゃごちゃすることも多くなる。

特にベースの音はそのまま埋没してしまって、どこにいるのかわからなくなっているバンドも多い。

でも、YAJICO GIRLは違う。

きっと楽曲の音色にこだわっているからこそ、それぞれの楽器の音がしかるべき位置に配置されているように感じるのだ。

故に、ベースの動きも綺麗に聞こえてくる。

エフェクターを使い分け、ギターの音色を変えるタイミングも絶妙だし、音色へのこだわりは強いように感じるのだ。

こういう力学に重点を置いて曲を作るバンドって少ないからこそ、YAJICO GIRLのサウンドの快楽が浮き彫りになっていく。

ユレニワ

ひねりを入れているのに、ポイントはしっかり抑えている。

そういう不思議な魅了をユレニワから感じるのだ。

なんというか、インディーズバンドって、バンドのよくあるフォーマットを壊そうとして変な進行になっているか、売れ筋の走った結果二番煎じになっているパターンが多いように感じる。

でも、ユレニワは違う。

フェスシーンでありがちなバンドのフォーマットから逸脱しつつも、きっちりぐっとくるポイントは離さずに掴んでいる、そんなふうに感じるのである。

なので、今のバンド音楽が好きな人ならわりとぐっとくるんだけど、きっちりとそのバンドにしかないものも感じることができるというか。

これって簡単にできそうで、すごく難しいことだと思うのだ。

最近のユレニワは、そういう自分ならではの武器を自分たちのセンスでより磨いてきた印象を持つのである。

あと、単純にボーカルの声が特徴的で、それが好きである。

まとめ

というわけで、MASH A&Rのアーティストを紹介した記事を書いてみました。

興味があるバンドがいれば、よかったら掘ってみてくださいな。

では今回はこの辺で。

ではではでは。

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