前説

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ずっと言いたかったことがある。

マカロニえんぴつの新しいアルバムである「hope」、めっちゃ良くないですか????

今年は特にそうなんだけど、アルバム単位で「良いな〜」と思う作品は時間が経てば経つほど、味というか魅力が湧き出てくるのである。

カレーみたいなアルバムが多いのだ。

その中でも特に「hope」というアルバムは熟成のされ具合がすごい。

この記事では、そのことを書いていきたい。

本編

ある種、ベストアルバムみたいな

マカロニえんぴつのこのアルバムは、ある種、ベスト・アルバムみたいな濃さがある。

なんてたって、のっけからこの歌で始まるのだから。

近年のマカえんを語るうえで重要な楽曲となる「レモンパイ」がいきなり冒頭を飾るのである。

いきなり、キーボードで楽曲のバランスを取るグッド・ミュージックが花開くのだ。

繊細で切ない歌詞、キャッチーでポップなのにひねくれたクセのあるメロディーライン。

新しさと懐かしさを同居させた絶妙なバンドサウンド。

そして、はっとりの力強い歌声。

すべてが備わっている「レモンパイ」を冒頭から持っていくことで、サブスクで試し聴きするようなリスナーも逃さない心意気を感じる。

その後に「遠心」「ボーイズ・ミーツ・ワールド」「ブルーベリー・ナイツ」と立て続けに、彼らの代表曲を並べているところに、よりその本気度が伺える。

そして、4曲目までのこのラインナップは、自己紹介にも似たものを感じるのだ。

僕たちは“全年齢対象ポップスロックバンド”ですよ、と伝えるための構成のような気がするのだ。

だからこそ、今の彼らにとって、わりと王道な楽曲がのっけから並んでいるような気がするのだ。

自己紹介を終わっていないリスナーに、きっちりと自己紹介をするために。

4曲目まではそういうフェーズのように思うし、実際、今のマカえんの魅力を触れるうえでは申し分のない流れであるように思うのだ。

流れが変わる5曲目

個人的に、おって思ったのは、5曲目。

アルバムのタイトルにもなっている「hope」という歌が、14曲中5曲目という微妙な位置で展開される。

全体の中の5番目と捉えると、微妙な立ち位置だが、1〜4曲目を自己紹介と捉え、5曲目の「hope」こそが実質のスタートと捉えると納得がいく。

実際、この歌は新しいマカえんを感じる楽曲である。

ストリングスのイントロで始まるこの歌。

新たなマカえんのストーリーの始まりを感じさせる壮大な楽曲である。

あえて言ってしまえば、ミスチルなんかにも似た、楽曲の強さを感じるのである。

もはやブレイク間近のインディーズバンドなんかではなく、ゆくゆくはホールやスタジアムで音を鳴らすような、そういうスケールを持ったバンドの心地を感じるのである。

ギターのソロもガンガンに入っているし、音像にも深みを感じるし、とにかくこの歌のスケールに、してやられるのである。

うわあ、マカえんはもうこんなフェーズにきたのかって、そう思ってしまうような楽曲なのである。

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ただ、壮大なだけじゃない

でも、いわゆるメジャーな売れ線バンドになったわけじゃないことは、以降の曲を聴けばわかることである。

「この度の恥は掻き捨て」では、トリッキーなリフと変態的な楽曲展開が魅力の一曲である。

一曲の中で二面性を感じるし、冒頭の絶叫からは考えられないノリに、最後は着地していく。

「愛のレンタル」は、エフェクトをかけたギターのカッティングが印象的で、個人的にはちょっと前のあいみょん臭を感じる楽曲だったりする。

<報われない愛>みたいなテーマがこんなにもサマになるバンドも、そうはいないよなーと思う。

「Mr.ウォータ」ではアコーディオンのような音を使っており、サウンドやアプローチの幅広さも感じられる。

同じノリに突き進むのではなく、多面的な楽曲を歌うことで、よりこのアルバムが語る“hope”が立体的に浮かんでくる。

そんな気がするのだ。

個人的な感想

決定的に感じた感想は、マカえんってストリングスの音が似合うバンドになったなーということだった。

このアルバムのラストを飾る「青春と一瞬」がまさにストリングスverになっているわけだが、そういうアレンジが本当にしっかりとハマるようになっていた。

これは、バンドの演奏力が上がり、様々なアプローチができるようになったことと、はっとりのボーカルの表現力に磨きがかかったからこそだろうなーと思うのだ。

ちょっと前は、サブカル的な装いでごまかしていたり、方向が定まっていなくて「ん?」って思うこともあった。

でも、そういう小細工が必要なくなっていた。

言ってしまえば、バンドとしての強さが確固たるものになっていた。

だからこそ、ロックなアレンジはもちろんのこと、ストリングスのような外部の音も自分のものにしてしまうバンドになっていた。

そんなことを強く感じたのである。

だからこそ。「青春と一瞬」には、儚さを感じさせつつも、それ以上に歌から「hope」=希望を感じさせるような仕上がりになっていたのである。

まとめ

結論。

マカロニえんぴつの「hope」は今年を代表するアルバムの一枚になったと思う。

この感覚はアルバムを通して聴いてこそ感じるものだと思うので、つまみ食いしかしていない人はぜひ一度、フルで聴いてみてほしい。

なぜこの曲順なのか、そしてその果てで何を感じさせてくれるのか。

それがきっと見えるはずだから。

可能性しか感じさせないという意味で、このアルバムにはhopeという言葉がとても似合っている。

そう思うのである。

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