WANIMAについて
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WANIMAのニューアルバム「COMINATCHA!!」を聴いた。
感想を一言で言うなら、めっちゃ良かった。
WANIMAならではのワクワクさが全開の今作。
疾走感のあるテンポ感をベースに、刺激的なリズムフックがいたるところに散りばめられた作品の数々。
レゲエなテイストのある楽曲もあれば、パンク寄りの楽曲もあるし、ボサノヴァな匂いのする楽曲もあれば、ブラジル的な雰囲気のあるサンバ感のある楽曲もある。
もちろん、邦楽ならではの泣きを抑えた美しいバラードもある。
ただ、こう書いていて少し思った。
それって、前作もそうだったんじゃないか、と。
既視感がある曲たち
WANIMAって、良くも悪くもWANIMAらしさが強すぎると思うのだ。
そして、楽曲に対するアプローチはこのジャンルのバンドにしてはかなり多いはずなのに、WANIMAとしての個性が強すぎるために、どの曲も同じ聞こえるという不思議なジレンマがあるのだ。
もちろん、アプローチが豊富といっても使っている楽器を根本的に変えているわけじゃないし、続けざまにライブで楽曲を披露することを想定しているから、ギターの音だって、基本的には同じままである。
ボーカルのハモリ方や歌い方だってベースは同じだから、どうしても表向きには「似たような曲」に聞こえてしまうわけだ。
それがWANIMAの魅力でもあり、呪縛だよなーと思うのだ。
というか、こんなにリズムに対する引き出しが豊富なこの手のジャンルのロックバンドもいないと思う。
なのに、どれも同じ聞こえるという評価をされるなんて、大変な話だよなーと思うわけだ。
でも。
そういう評価になってしまう人の気持ちも、わかるのである。
ただ、こんなことを書きながらも、思うのだ。
じゃあ全然WANIMAっぽくない歌を作ったら、どんな反応をされるんだろう、と。
例えば、小林武史をアレンジャーに加えて、びっくりするほどストレングスを強めの楽曲をリリースしたらどうなるだろうか。
あるいは、打ち込みを強めに取り入れて、近未来的なダンスロックにしたらどうなるだろうか?
あるいは、昔、レディオヘッドがやってみせたような抜本的な脱バンドサウンド的な変化をみせたら、どうなるだろうか?
もしかしたら。
一部の音楽オタクは喜ぶかもしれない。
WANIMAってこんなこともできるんだ!ちょっと見直したぜ!って感じで。
でも、おそらくWANIMAのファンは失望するだろうし、その作品は恐ろしいほどに売れない気がする。
少なくとも、WANIMAで聴きたいのはこれじゃない感の意見は強くなるんじゃないかと思う。
ワンオクの新作が賛否両論になった以上の論争を生むのだろうと思う。
そうなのだ。
全部一緒に聞こえると文句を垂れながらも、変化したら変化したで「これじゃない感」とか言って、文句を言うのだ。
音楽リスナーなんて、そんなもんなのである。
もちろん、常に変革しながらも大絶賛の嵐を浴びるアーティストもいる。
そして、そういうアーティストには最大のリスペクトを送りたいなーといつも思う。
でも、WANIMAはこれこそがWANIMAなんだよなーと思うし、変わらない部分をこそ大事にした音楽を作って欲しいよなーと思うのだ。
実際、丁寧に聴けば、チャレンジ意欲も豊富で、過去の焼き直しのようは作品ではないことは、よくわかるのだから。
WANIMAの凄さ
何より、メロコアもパンクも興味がなかったライトなリスナーをここまではっきりと夢中にさせてしまうWANIMAって本当にすごい。
日本のバンドシーンにおける、明確なヒーローだよなーと思う。
確かにロック好きからしたら、WANIMAに望んでいたのは、ライブハウスのヒーローだったのかもしれない。
そして、WANIMAは残念ながら、人気になりすぎた故に、ライブハウスからは少し遠い存在のバンドになってしまった。
でも、こういうサウンドが若い子にも刺さっているのは夢があることだと思うし、WANIMAがきっかけでロックに触れる人が増えていることを考えたら、日本のロックシーンって夢があるんだよなーと思う。
いや、やっぱりすげえよ、WANIMAって。
まとめ
そして、自分もこんな半ば文句みたいな記事を書いているけれど、めっちゃWANIMAの新譜にハマっている。
だって、良いもん。
聴いていて、気持ちいいもん、これ。
漫画で言えば、ワンピースみたいにたくさんの人たちに愛されるWANIMAの音楽。
人の数だけ色んな意見があるのだろうけれど、変わらない部分を大事にしたWANIMAの音楽をこれからも楽しみにしている。(まあ、もちろん、昔に比べてエロが少なくなったという意見はあろうが、そこに関しては今回は割愛する)。
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