
ビッケブランカの「×L×C×A×」「伝言」の変幻自在感。歌詞を紡ぐボーカルの凄まじさ
いやね、すっかり遅くなってしまった。
ビッケブランカの「×L×C×A×」の作品レビュー。
実はこっそり、どこかで書こうと思っていたんだけど、めっちゃ時間が経ってしまった。
いやね、つくづくこの作品、ビッケブランカの魅力が詰まっているよなーと思うわけだ。
まあ、具体的な話は後述していこうと思う。
そんなこんなで、久しぶりにビッケブランカの作品を取り上げた記事を書いてみたい。どうぞ。
本編
自由自在のサウンド
「×L×C×A×」の感想を単刀直入に言うと、やばいし、凄まじい。
なんていうかね、猛烈にスリリングなのだ。
サーカス感があるというか、開けてびっくりどかーんなイズムがあるというか。
とにかく聴き進めるごとにワクワクが募っていく構成なのである。
どんな音楽フェスでも映えそうなテイストというか。
ダンス寄りのフェスでも、ロック寄りのフェスでも「あり」になりそうなパワフルさがあるのだ。
なんせ、トラックがリズミカルでキャッチー。
ビートにのっかると、そのままゴールまでいく。さながら、ウォータースライダーのよう。
低音と打楽器の絡みが複合的で、エキセントリックな高揚感を与えてくれるのだ。
打楽器の展開を追うだけでも、こんなにワクワクする音楽、そうないよなーと思う。
かといって、パーティー感があるというわけでもなくて、
どことなくダーク感のある作家性も際立っているというか。
そういう意味で、ダンス寄りのフェスにも、ロック寄りのフェスにも合いそうな雰囲気を感じるわけだ。
とはいえ、ダンスソングとしてのアプローチが愉快なので、ひとたび部屋で爆音で聴いていたら、踊り出しちゃいそうないかつさがある。
ボーカルがあまりにも変幻自在
前述したが、サウンドやリズムのインパクトが半端ない。
でも、この歌の魅力はそれだけじゃない。
なんせ、ボーカルの表情が豊かなのだ。
演技派の俳優ですら、この歌の前では表情豊かの座は明け渡すしかない。
それくらいに、複数のボーカルで展開していたっけ?って気持ちになるくらいに、色んなトーンのボーカルが展開されるのだ。
張り詰めたようなアグレッシブなボーカル。
クールでスマートなボーカル。
高音シャウト感のある歌いこなしもあれば、喋りかけるようなトーンで紡ぐメロディーも体験できる。
色んな展開が目まぐるしく、歌の世界を作り上げることになる。
思えば、ビッケブランカの変幻自在感の真骨頂的な歌の流れだなーと思う。
こういう高揚感の作り方が流石。
そして、この高揚感、マジでたまらないよなーと思う。
「×L×C×A×」と「伝言」が組み合わさることで
「×L×C×A×」で怒涛のパフォーマンスを体感したあとに「伝言」を聴くと、そのギャップにやられる。
ゴリゴリの高揚感を堪能したあとの、あまりにもさりげなくて、柔和な感じ。
ファルセットを美しく使いこなすミディアムナンバーで、まったく違うベクトルでドキドキさせてくれる。
そうなのだ。この歌はこの歌で良すぎるのだ。
「×L×C×A×」と「伝言」を並べることで、ビッケブランカの魅力を立体的に感じることができる。
激しい歌を歌いこなすこともできるし、多幸感のある優しい歌も歌いこなすアーティストであることがものすごくよくわかる。
どちらかだけしか体感しないのは、もったいなさすぎる。
「伝言」まで踏まえて、ビッケブランカの変幻自在の沼を体感することになるから。
まとめに替えて
まとめると、こう。
ビッケブランカ、変幻自在すぎるぞ、と。
「×L×C×A×」と「伝言」、両楽曲をきちんと聴くと、そのことを強く感じる。
サウンドの多層性。
ボーカルの劇的な振り幅。
構成のトリッキーさすらもポップに落とし込む柔軟性。
表裏一体という言葉があるとしたら、こういう音楽作品を指すのかもってくらいに、まったく違う音楽世界を堪能できる。
今だからこそ語りたくなる、そんな音楽世界がここにある。