前説

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女性ソロアーティストと訊けば、誰を思い浮かべるだろうか?

個人的に印象深いのは98年デビュー組。

宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみらがいて、どのアーティストもよく作品を聴いていた。

また、浜崎あゆみだけは現状、音楽よりも本の方で話題になっているものの、四組とも未だにシーンに与える影響力は大きく、唯一無二の存在感を放っている。

アラサーの自分からしたら、90年代後半辺りからリアルタイムで音楽を追いかけてきたところがあるので、この辺りのアーティストは特に印象深いのである。

以降、様々な女性アーティストが活躍していくことになるけれど、中島美嘉、YUI、miwaなど、曲も歌うけど演技もするというような、マルチなタイプのアーティストの活躍が目立っていたように感じる(もちろん、そうじゃない人がたくさんいることは承知はしているが)

この辺りはまだ音楽番組の影響も大きく、テレビまわりのプロモーションを重視している背景があったからこそのキャリアステップなのかなーなんて勝手に考えている。

もちろん、10年代デビュー組でも藤原さくらや家入レオなど、演技もしながら曲も作るし歌も歌うというアーティストの躍進が目立つ。

が、そうじゃないパターンのアーティストもいるわけで。

今回取り上げるAimerというアーティストも、そこまでメディアに出て行くアーティストではない。

もちろん、楽曲のプロモーションで音楽番組に出演したことはあるけれど、前述したような女性アーティストと違って、音楽以外の形でテレビ番組に出演することはほとんどなかったように思う。

しかし、Aimerの知名度は高い。

「能動的に音楽を聴くオタク」たち以外にも広く知れ渡っているように感じる。

かつそのクラスタが広範囲な気がする。

アニメが大好きなオタクから、インスタ/タピオカ/韓流って感じの10代の女子から、情報源はネットよりテレビってタイプの年配の人まで、その層は幅広い。

Youtubeの楽曲再生数をみても、1000万再生超えの曲が複数あるし、オリコンを始めとする様々な音楽チャートでも、上位でAimerの名前を確認することができる。

なぜ、こんなにも認知され、広く聴かれているのだろうか?

この記事では、そのことについて考えながら、Aimerの魅力を掘り下げていきたい。

本編

Aimerがブレイクした流れとは?

Aimerの場合、一つの楽曲が大きなターニングポイントになっているというよりも、ポイントポイントで少しずつ、しかし着実にファンを増やしてきた側面が強いのではないかと勝手に思っている。

「RE:I AM」のように、アニメ主題歌に抜擢されることで認知度を上げたという側面もあるだろう。

RADWIMPSも大飛躍した2016年に「蝶々結び」という曲を野田洋次郎に提供してもらったことも大きかったことだろう。(実際、YouTubeではこの歌が一番の再生数を誇っている)

デビュー当時はアニメのタイアップが多かったAimerは、いつしかドラム主題歌のタイアップにも抜擢されるようになり、その度に大きな話題を呼ぶことになる。

2019年も、話題となっているドラマ「あなたの番です」の主題歌として「STAND-ALONE」が抜擢されている。

(秋元康企画でありながら、Aimerが作詞を手掛けているのは面白いなーと思うが、その辺りはこの記事では触れないでおく)

様々なタイアップに抜擢されているわけだが、曲によっては自身で作詞をすることもあれば、人が書いたものを歌うこともあるAimer。

だけど、決して「大人にやらされている」みたいなものはまったく感じさせない。

むしろ、その辺のシンガソングライターよりも、通底した美学を感じさせることの方が多い。

味わい深く、表現力のある歌声があるからこそ、というのは前提だと思う。

暗いテイストの曲でも、「ONE」のように明るめのダンスチューンであっても、自分の歌にしてしまうその表現力は、Aimerというシンガーだからこそ為せる技だ。

なにより、Aimerの場合、単に自分の個性をフルに発揮して出してしまうのではなく、その作品において自分の声をどう機能させたら主題歌としてより映えるのか、というところまで計算したうえで、歌声を表現しているように感じる。

だから、タイアップソングとしてどこまでも印象深くAimerの歌が残るし、仮にその作品が終わっても、記憶とともにAimerの歌が残るからこそ、そのままスライドするようにAimerというアーティストの虜になってしまうというパターンも多いように感じる。

歌声とその表現力を圧倒的な武器にして主題歌先に彩りを与えたAimerだからこそ、単発というのではなく、長いスパンをかけて、圧倒的なブレイクを果たしたのではないかと感じる。

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Aimerの飛躍の裏にあるもの

Aimerはアゲハスプリングスの事務所に所属している。

そのため、Aimerのキーポイントとなる楽曲はアゲハのクリエイター陣によって手がけられているものが多い。

アゲハスプリングスといえば、あいみょんをはじめ、様々なアーティストのアレンジを手掛けていることでも有名であり、Aimerの歌声がどこまでも魅力的になっているのはアゲハスプリングス(ここ最近だと特に飛内将大辺りの)の尽力が大きいように感じる。

間違いないタッグを組んだうえで歌い続けてきたからこそ、Aimerのブランドは確固たるものになったのだろうし、引く手あまたな女性ソロアーティストとして、様々なタイアップを受けている根底にあるのは、アゲハスプリングスのクリエイター陣による活躍が大きい。

そのように感じる。

まとめに替えて

それにしても、Aimer然りあいみょん然り、アゲハスプリングスは本当に良い仕事をしすぎているよなーと思う。

アゲハと組んだら間違いなしやん、というところもある。

でも、実はアーティストとして、アゲハスプリングスに所属しているのはAimerだけだったりするのだ(過去には何組か所属しているアーティストがいたようだけど)

きっと今のアゲハスプリングスの躍進を考えると、アゲハスプリングスに所属したいと懇願するアーティストなんてたくさんいると思うのだ。

でも、所属アーティストはAimerしかいないというところに、アゲハの求める水準の高さが伺えるし、その水準をクリアしてみせるAimerの凄さも明らかになってくるように感じる。(まあ、アゲハスプリングスのスタンスがどうなのかは、詳しくは知りませんが)

なんにせよ、年々Aimerの魅力が増しているのは確かである。

もしかしたら、20年代の女性ソロアーティストとして、圧倒的に君臨するのはAimerなのかもしれないなーなんて思う。

今の彼女の躍進と存在感の大きさを考えると、絵空事の話ではないよなーと思う。

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