Travis Japanの「Crazy Crazy」はなぜこんなにワクワクするのだろうか?

気がついたらTravis Japanの記事も最近書けてなかったので、このタイミングで執筆したいと思う。

で、感想としてまず書きたいのが、「Crazy Crazy」。

この歌が、自分のツボに突き刺さっている。

シンプルにメロディーが好きだし、なんだか元気になる感じなのが良い。

しかも、ボーカルもダンスも高いレベルだから、技術的な部分に注目したくなる歌になっている。

あえて言えば、右脳で聴いても左脳で聴いてもめっちゃ楽しめる感じなのだ。

例えば、ひとつのコンテンツがあったとして、最初はシンプルで直感的に「面白い!」とか「感動する!」という軸で判断する。

で、そこから興味が出てきたら深く考察をして、「面白いと思っていたこの部分にはこんな工夫があったのか!」とか、「感動したと思ったこの部分には、実はこんな意味もあったのか!」と、どんどん左脳的に良いを掘り下げる、みたいなことがあると思う。

前者はわりと感覚的に良いを堪能するという意味で右脳的、後者は論理的に良いを堪能するという意味で左脳的な楽しさだと思う。

方向性は少し異なるけれど、Travis Japanの「Crazy Crazy」は、そういう両方の魅力が詰まった楽曲であるように感じるわけだ。

シンプルに音楽だけを聴いて、直感的にワクワクできる。

でも、分析的に歌とかダンスを掘り下げて、楽しむこともできる。

なぜなら、Travis Japanのパフォーマンスが卓越しているから。

そういう話。

Travis Japanの「Crazy Crazy」をもう少し掘り下げてみる

では、ここから部分に絞って楽曲全体をもう少し掘り下げてみようと思う。

楽曲軸の話

聴いていて感じたのは、「Crazy Crazy」って世界を視野に入れて活動しているTravis Japanだからこそのシャープさを内包しているという印象。

でも、日本の音楽としての面白さもしっかり内包しているので、現代ダンスチューンよりもポップスに馴染みが強い人も耳馴染みの良い楽曲になっている。

まず、軽快なビートメイクで始まるイントロと、コーラスのバランス感が絶妙。

イントロで鳴っている音はけっこう渋い感じでビターなコーヒーも似合いそうな感じながら、Travis Japanのボーカルは爽やかで伸びやかであり、レモンティーも似合いそうな雰囲気。

このイントロとコーラスがのっけから絶妙なハーモニーを生み出す。

結果、即効で歌の世界に引き込まれることになるのだ。

そして、歌全体のビートが気持ち良い。

合いの手を打ちたくなるような小気味の良い繰り返しのリズムが通底している。

節の末ではたんっ!たんっ!と軽快なフックのリズムを作っているので、よりノリノリになれる。

あるいは、メロからサビに至るまでのタイミングでは、細かくビートを打つように変化していき、だだだだだだ、というリズムのタイミングでサビに切り替わる。

これが、高揚感を生み出していて、めっちゃ良い。

以降も、楽曲全体のテンポ感は決して速いわけではないのに、常にノリノリな気分になれる。歌の世界観に酔いしれる。

何気に、このテンポは過剰に速くしない、はけっこうポイント。

ここをきちんとキープしているからこそ、歌メロとしての味わいも強くなっている。

要は、口ずさみやすい歌になっており、一聴しただけでメロディーが頭に残りやすくなるのだ。

例えば、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」なんかもリズムのフックが気持ちよくて、メロディーのインパクトは強烈だが、あのテンポ感に慣れていない人だと、どうしても一回聴くだけでは口ずさめない。

それは、流れる音符のスピードが速いから。

でも、「Crazy Crazy」はリズムのフックも大切にしながら、歌としてのメロディーの馴染みやすさも大切にしていて、良いのだ。(ちなみにどちらの歌も素晴らしいことは前提の上で、話をわかりやすくするために例として持ち出させてもらった)

ボーカル軸の話

そして、こういうノリノリになれる歌の場合、楽曲軸の要素も重要だけど、それ以上にボーカルがどうリズムをのりこなしているか?が重要になる。

そう考えたとき、Travis Japanのボーカルは卓越している。

その上で、今回Travis Japanのボーカルが良いなあと思ったのは、ボーカルの色合い。

全体的に爽やかな空気感が漂っていて、耳馴染みが良いのだ。

これが必要以上にボーカルにエッジがかかっていたり、ボーカルに妙な違和感が残ると、「Crazy Crazy」という楽曲においてはノイズになってしまう恐れがある。

でも、「Crazy Crazy」のTravis Japanのボーカルは色合いは、見事に「Crazy Crazy」のトーンと合っている。

話をわかりやすくするために、ここでも別の楽曲を出すが、例えば、King Gnuの「一途」もイントロのインパクトが強くて魅力的な歌だったが、冒頭の常田のボーカルはけっこうエッジみが強い。

「一途」の世界観においては、このボーカルのマッチ具合がえぐい。

でも、仮に今の「Crazy Crazy」の世界観で、このトーンのボーカルが繰り広げられるとしたら、ちょっとエッジみが強い印象。

いや、もちろんそれはそれで魅力にはなると思う。

が、もしボーカルがこういう感じだとしたら、きっと「Crazy Crazy」の世界観とはちょっと違ったものにはなると思うし、歌の魅力が変わってしまう。

そう考えたときの、今の「Crazy Crazy」における、Travis Japanのボーカルの音色が見事なのだ。

思えば、Travis Japanの楽曲でいっても、「BO$$Y」と「Crazy Crazy」で明確にボーカルのトーンが違う。

こうやって聴き比べると、ボーカルがあるべき表現に変化させているからこそ、楽曲が然るべき輝きを放っていることもわかる。

この辺りも含めて、Travis Japanのボーカルの素晴らしさを体感できる。

ダンス軸の世界

YouTubeの動画をみていると、ダンスをするパートも差し込まれているが、ダンスもかっこいい。

ボーカルのリズムの乗りこなしも、ダンスのリズムの乗りこなしも見事だなーと感じる。

Travis Japanは、楽曲のリズムに対する解像度も高い。

だからこそ、リズムがフックになっている楽曲の「ノリの良さ」が際立つように思う。

ある種のダンスチューンを展開したとき、Travis Japanの強いグループだなあと、楽曲を聴くたびに実感する。

そして、「Crazy Crazy」という楽曲で観たときに、ありそうでなかった新しいジャンルに触れているような、何とも言えない高揚感に誘われるんだよなーと感じる自分がいる。

まとめに替えて

今回あまり触れていないけど、アルバム『VIIsual』も良いのだ。

というか、複数曲を流れで聴くことで、Travis Japanの魅力がより伝わる。

なにより、そうやって聴いていくと、一曲ごとの質の高さも実感するなーと感じている自分がいる。

またタイミングをみて、他の楽曲の感想も書けたらなーと思いつつ、今回はこの辺りで、記事を締め括ろうと思う。

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