あのバンドの立ち位置、気がついたらなんだか変化している件
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気づいたら立ち位置が変わるバンドってけっこういる。
というよりも、傍目からみえるそのバンドの立ち位置と、あの頃のバンドの立ち位置が極端に違っている、そういうバンドってわりとけっこういるように思うのだ。
例えば、BUMP OF CHICKENは今と昔で立ち位置が大きく異なっているバンドだ。
いや、人によっては今も昔も変わってないよという人もいるかもだけど、<傍目からみたときの立ち位置>は大きく変わったバンドだと思う。
例えば、BUMP OF CHICKENの初期アニメ主題歌といえば、ワンピースの映画主題歌としても話題になった「sailing day」であろう。
この頃のBUMP OF CHICKENは、若いからこその尖りが内包しており、それが楽曲の空気感にも投影されていた。(同時期のBUMP OF CHICKENの楽曲で言えば、「乗車権」や「ギルド」を聴くと、よりその<尖っている感じ>を実感することになる。
一方で、今年名探偵コナンの映画主題歌として話題になった「クロノスタシス」は、尖りも優しさが際立つテイストのナンバーである。
SPY×FAMILYの主題歌も手がけることが発表されたが、発表された部分の音源を聴く感じキラキラなサウンドが際立つナンバーで、なんとなく雰囲気は「新世界」に近いものを感じた。
良いとか悪いとかではなく、楽曲のテイストに変化を感じるし、比例するかのように傍目からみたバンドの立ち位置や印象も大きく変わったように思うわけだ。
ただ、BUMP OF CHICKENの変化は成長の中で訪れたものののように感じるし(未だにあの頃と同じような尖り方をしていたら、それはそれで怖いし)、柔軟な変化を繰り返しているからこそ、未だに新しい世代の支持を増やし、その人気を不動のものにしている印象である。
おそらく、BUMP OF CHICKENの変化は、BUMP OF CHICKENのチーム側でも意図的に考えた変化であるように思うわけだ。
ただ、バンドによっては本当の意味で<気がついたら>立ち位置が変わったバンドもいるように思う。
近年だと、Saucy Dogがその印象を強く感じる。
若者から絶大的な支持を勝ち取り、新しい音楽との出会いの場はTikTOKという人たちからも大きな支持を集めている印象だ。
若者からの人気が高いということで、Saucy Dogがきっかけでいわゆるバンドのライブに足を踏み入れたという人も多い印象だし、それ故、ライブでは異なる文化を持つファンが集っているケースも散見される。
努力してもなかなか届かない層にもその音楽を届けているという意味で、Saucy Dogは凄いと思う。
真似しようとしても絶対に真似できない境地だし、Saucy Dogの楽曲に魅力が溢れているからこその結果であるように思う。
ただ、数年前に比べるとファン層が変わったのは確かであろう。
また、それに比例してそれまでのSaucy Dogの音楽の接し方とは異なる層が増えたことも確かであろう。
その流れの中で、いつしかSaucy Dogというバンドの立ち位置も変わってしまったように感じる。
よりたくさんの人に音楽を届けたいという思いを持ちながら活動していた部分はきっとあったと思うし、その試行錯誤の結果として、今のような成果を生み出したように思う。
ただ、そこで生じた変化がすべて意図したものであったり、思った通りのものだったのかというと、微妙な部分もあるとは思う。
本当は別の立ち位置を目指していたはずなのに、気がついたら別の立ち位置に立っていた。
Saucy Dogをみていると、そんなことを思うところもある。
Saucy Dogがただ<売れること>だったり、<ビジネス的な成功さえ勝ち取れば満足>というバンドだったら、立ち位置がどうとかきっとないんだろうけれど、バンドとして<こうありたい>のこだわりがきっといくつかあって、それの<こだわり>を色んなところに投影しながら活動してきたバンドだから、ふとみたときに立ち位置が大きく変わったな感が鮮明に感じることもある。
別にそれが良いとか悪いとかではない。
ただ、気がついたらバンドの立ち位置が変わるというケースはいくつかあっても、意図したものである場合とそうでない場合、あるいは想像の範囲内のものと、まったく想像の範囲外のケースがきっとあって、バンドごとに見比べてみると、そういう違いをなんだか感じるなーという話なのである。
個人的には、しなやかに変化できるバンドこそが強いと思っている。
少なくとも、長いスパンで音楽をたくさんの人に届けられるバンドは、ほぼ例外なく変化をしてきているように思うのである。
なので、自分は立ち位置が変化できるほどの変化を体現しているバンドは、凄いと素直に思うし、そういうことを右傾ねれ柄進化できるバンドはかっこいいと思うのだ。
ただ、単に変化したらいいかというと、そうではないのもあって。
変わるからこそ、変わらないことが見えてくるわけであって、その変わらないことや大切にしているものが変化と対比させたときにどうなっているのかは大事だよなーとは思うのである。
まあ、Mrs. GREEN APPLEのように、バンド側が強烈に変化を仕掛けるというケースもあって、ほんとバンドごとに様々だなーと思う。
まとめに替えて
とはいえ、きっと変化したと感じるバンドの多くが、まだまだ変化の道中で、数年経てばまた違う立ち位置に君臨しているのかなーと思う。
そのとき、そのバンドがどうなっているのか。
そこが大事なのかなーとも思う。
今の変化がもにょるならば、なおのこと、そう思うのである。
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