ロッキン・ライフ in ライブハウス vol.1の簡潔すぎるライブレポ

前説

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2020年12月30日、心斎橋JANUSにてロッキン・ライフ in ライブハウス vol.1が開催。

一応、このイベントは自分発信で行った初めてのイベントとなる。

細かいイベントのあれこれは語ろうと思えば幾らか語ることもできるんだけど、その辺のことは脇に置きたい。

というのも、ただただライブハウスで観るバンドはやっぱりかっこいいんだぜということを改めて感じた一日だったからだ。

今はまだ「だからライブハウスに行こうぜ」までは言えないにしても、たくさんの人が落ち着いて自分の趣味を興じれるようになったとき、そういう遊び場が(色んな意味で)なくなっているのは悲しいし、そうならないためにできることはしたいという思いは強い。

ライブハウスの素晴らしさみたいなものを違う形で起こしておく、というのも、きっと長い目でみたら意味のあることなのかもしれないとぼんやりと思うわけである。

というわけで、せっかくなので、この記事では、ロッキン・ライフ in ライブハウス vol.1のかなーりざっくりとしたライブの感想をここに残しておきたいと思う。

ちなみに出演バンドは
Split end
This is LAST
ヤユヨ
OKOJO
ナードマグネット

本編

Split end

イベントのトップバッターはfrom 奈良のバンドであるSplit end。

ハードでエッジなサウンドが魅力的なバンドである。

この日、最初に演奏したのは「ひとりとふたり」。

いきなり、ライブハウスの空間を自分たちの色に染め上げる。

幻想的な照明。

リバーブ深めのボーカル。

70ちょっとのBPMで繰り出される、ゾクリとさせるようなフレーズ。

Split endにしかないアプローチでライブハウスを自分たちの色に染めていくのだった。

特に良いなあと思ったのがセットリストの流れ。

「ひとりとふたり」「レインコート」としっとりとした楽曲がきたかと思えば、ふいに倍以上のBPMで繰り出す「sea side」の演奏してきて、世界観に揺さぶりをかける。

このメリハリの付け方が絶妙で、一気にライブハウスを自分たちのものにしている印象があったのだ。

個人的には「deep love」のときの照明が使い方が好きだったんだけど、Split endの照明は全体的にどことなく海の雰囲気があって、そこに楽曲ごとの連なりを感じたのだった。

This is LAST

千葉県柏発のスリーピースロックバンドであるThis is LAST。

This is LASTは何と言っても楽曲が良いバンドである。

ぐっとくる歌詞、キャッチーで耳に馴染みやすいメロディー、丁寧に音を積み重ねるバンドアンサンブル。

この日のライブで最初に披露した「距離」でも、早速その持ち味は十分出ていたように思う。

「距離」はどちらかというと歌詞がベースにあるために、ぐっと聴かせるタイプの歌でもあると思うけれど、次に披露した「恋愛凡人は踊らない」でライブならではの煽りのムードを強くしていく。

リズムアプローチも身体を動かしやすいフックを入れることで、比較的聴くモードになっていたオーディエンスに”動き”のエッセンスを加えていく。

こういうご時勢のイベントということもあって、正直、観客全体に硬さもあった。

が、次に披露した「ひどい癖」では、冒頭のバスドラムがリズムを刻むタイミングで、自然発生的に手拍子が起こりだしたのだ。

ライブを観ていて、そのシーンがすごく印象的だった。

煽った結果として生まれた手拍子ではなくて、自然発生的に手拍子が起こった感じがすごく良かったのである。

しかも、「ひどい癖」はThis is LASTにとって新曲なわけで、ライブでどういう形で披露するのかまだ固まっていない曲のはず。

そういう中で、オーディエンスとキャッチボールが生まれて、自然発生的な動きが生まれるのって何だか良いなあーと自分なんかは思うのだった。

また、ライブ全体としては、若さが炸裂している感が良くて、ラストの「愛憎」含めて、This is LASTは歌魅力が全面に出ていたように思う。

もちろん、まだ演奏面でもMC面でも荒削りな部分があるんだけど、こっからその辺をさらに磨いたら、今後、よりすげえバンドになる。

そのことをひしひしと感じさせるライブだったのでした。

ヤユヨ

初恋の嵐のSEで登場したヤユヨ。

冒頭は「七月」というバラードソングでライブをスタートさせる。

その光景にある種の神々しさを覚えたのだった。

まだメンバーは大学生のはずなんだけど、表現力の高いボーカルやステージ上の堂々としたパフォーマンスをみていると、ゾクゾクとしたものを感じずにはいられなかったわけだ。

次の「いい日になりそう」では、ボーカルはギターを持たずにステージを動き回るんだけど、このステージ全体を使う感じにおおおお、ってなってしまったのだ。

今回のライブでは感染対策の一環としてステージと客席の交わる部分にバリケードを作るような形にしていたんだけど、そのバリケードの近くまで身を乗り出し、アグレッシブに歌う姿は感慨深いものがあった。

状況が状況なだけあって、ステージ上にはどうしても緊張がみなぎることも多い中で、ヤユヨは良い意味で自分たちらしいパフォーマンスをしている感じが伝わってきて、それがすごく良かったのである。

曲ごとにカラーが違って見せ場が異なってくるヤユヨのステージ。

数字の面で言えば、「さよなら前夜」がヤユヨのキラーチューンになるのかもしれないが、良い意味でヤユヨのステージは「さよなら前夜」ありきになっていないのだ。

ラストは「今度会ったら」で締めていたんだけど、今度は(コロナを踏まえたような)形ではなく、もっと自然体の形で会えたらいいねみたいなことをMCで言ってたんだけど、その言葉が妙に希望に包まれていたのが象徴的だった。

「らしさ」を忘れないヤユヨのようなバンドだからこそ、「また会おう」という言葉にどこまでも眩しいものを覚えたのだった。

なにより、このバンド、キャリアを積んださらに化けていくことをひしひしと感じさせるライブパフォーマンスなのであった。

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OKOJO

最初披露したのは新曲の「ええんやけど」。

会場はしっとりとした雰囲気に包まれていく。

当然ながら新曲ということは、まだほとんどライブで披露したことがないはずなんだけど、すでに自分たちの定番曲であるかのような完成度になっている。

シンプルな構成だからこそ、何かしらのミスがあれば目立つ楽曲だと思うんだけど、そういう粗が見えることはなく、堂々とこの曲を披露するのである。

この歌が終わると、間髪入れずに披露したのはバンド最大のキラーチューンである「最低なラブソング」。

ここで今日一番の一体感を会場に生み出す。

OKOJOの凄さってライブを観るたびの進化にあると思っていて。

というのも、ライブを観るたびに確実にライブが良くなっている印象を受けるのだ。

演奏面でもそうだし、お客様の盛り上げ方でもそうだし。

前回のときに付けたライブの点数を、軽く超えてくる凄みがあるのだ。

今回の「最低なラブソング」を聴いていて、改めてそのことを強く感じた。

その後、ドラムのヤマトによるMCによる、会場は笑いが生まれ、温かい空気を生み出す。

印象的だったのは、お客さんとの掛け合いをMCに入れていたこと。

これにより、ステージと客席に今までにはないドライブが生まれていた気がする。

そんな感じでライブはどんどん盛り上がりを魅せる中、この日のライブの締めくくりとして選んだ歌は「おばさんになっても」だった。

「おばさんになっても」前のMCでエモい空気を作り出し、その雰囲気のままにエモい歌で観客の心をがっつりと掴む。

改めて、OKOJOってライブで観るとさらに魅力が際立つバンドであることを実感した30分なのだった。

ナードマグネット

正直、ライブの迫力であったり、音の分厚さみたいなものはこの日、ダントツだったナードマグネット。

ロックバンドとしてのダイナミズムみたいなものが全て詰まっているようなアグレッシブなステージだった。

音源では良さがわからない。

ライブで観てこそバンドの凄さはわかる。

そういう言葉ってよく言われがちだけど、この日のナードマグネットはそういうライブの典型だったように思うのだ。

冒頭の「爆発しそう」はマジで爆発しそうな感じが音に乗りまくっていた。

言葉と音がシンクロしているような凄まじい音を響かせていた。

次に披露した「バッド・レピュテイション」、その次に披露した「(Let Me Be)Your Song」と、マジで演奏内容、曲間含めて、まったくパフォーマンスに無駄がないのである。

パフォーマンスの全ベクトルが研ぎ澄まされていて、音が会場全体を飲み込むような心地にさせられたのだった。

「C.S.L.」の冒頭では、この日、サポートとして入っていたBrian the Sunの白山の見せ場もきっちり作っていたし、MCでは我がブログのこともきっちりイジってくれていたし、全てを丁寧に回収していく部分でもスキのなさが際立っていたように思う。

ライブのMCでは、コロナ禍における今年の活動の中で感じたことを端的に述べて、きっちりメッセージ性も伴わせていたし、そのメッセージに須田だからこその眼差しがあったのがすごく良いなあと思った。

綺麗事ではなくて、思っていることを率直に言葉にしている感じに、じーんとくるものがあったのである。

とはいえ、そのままの空気で終わらないのがナードマグネットの凄さ。

そこに生じた微妙な空気を最後は音で蹴散らしていく。

怒涛の勢いで繰り出されていく「THE GREAT ESCAPE」と「ぼくたちの失敗」の鮮烈具合は、圧巻というほかなかったと思う。

改めて、年の瀬の締めくくりがナードマグネットで良かったとそう思えるような、熟達したパワフルさに満ちたステージなのでした。

まとめ

ライブレポは苦手なので、感じたことをつらつらととりあえず言葉にしてみたこの記事。

本音を言えば、ライブの良さなんて言葉にするのは無理だよーなんて思ったわけだけど、残すことに意味があるかもってことで、簡単に言葉にしてみました。

まあ、ここで言えるのはライブハウスで観るバンドってやっぱりめっちゃかっこいいということ。

その一端で伝われば嬉しいなーなんて思いながら、この記事を上梓させていただきます。

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