前説

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あけましておめでとうございます。

新年一発目の記事として、2021年に”バズるバンド”を紹介したいと思う。

ただ、こういう切り口の場合、そもそも「バズる」の定義は何なのかを定めないとそもそも決められないところがある。

2018年のあいみょん、2019年のKing GnuやOfficial髭男dism、2020年の瑛人やYOASOBIのような広がり方を「バズる」というのか、それとももう少し小さなコミュニティでの広がりを指して「バズる」というのかを考える必要があるわけだ。

まあ、最初から億単位の再生数になるバンドがわかるなら誰も苦労なんてしないし、かといって「そもそもこのバンドはバズっているよ」みたいな話をしてしまって、話のスケールを小さくしても微妙だなーとも思っていて。

ただ、音楽シーンを丁寧におっている人からすれば、あいみょんもKing GnuもYOASOBIも然るべき手順を踏んで、それが結集したタイミングで、どかーんっていたのはわかることは確かで。

2019年に似たようなお題の記事を書いたときには「King Gnuは2018年にブレイクするバンドでしょ」って書いたんだけど、その後に某バズリズムが「2019年にバズるバンドはKing Gnuです!!!」と発表し、「白日」で1億再生を突破して、紅白出演なども果たして日本の音楽シーンにおいても存在感を示すバンドになったわけだけど、わかりやすいバズが起こるには当然ながらしかるべき躍進とパフォーマンスの磨きがあるんだよなーというわけで。

 

関連記事:2019年にブレイクするバンドは誰?

 

あいみょんでいっても2017年の「君はロックを聴かない」が、髭男でいっても2018年の「ノーダウト」で事前のブレイクがあったからこそ、次年度にさらなる大ブレイクがあったしなーみたいなわけで。

なので、バズるの標準をどこに指差すのかというのは常につきまとう問題なわけだ。

ただ考えていても答えが出ないので、この記事においては、いわゆる”ライブハウスによく行くバンド好きのコミュニティ”を超えて、その存在感を示すバンドというような形で定義したい。

ここでいう存在感とは、再生数的な話かもしれないし、動員数的な話かもしれないし、それとはまったく別の形かもしれないが、そこはあえて言及しないでおく。

なお、この記事ではメジャー、インディーズ関係なく取り上げたいと思う。

それでは、いってみよう。

本編

ヤユヨ

自分のイベントに出てもらったバンドということで、わりと近い距離でライブを観たわけなんだけど、そこで、改めて感じたのは、このバンドの持つ唯一無二感。

なんというか、このバンドは一気にその場の空気の自分のものにしていく凄みをもっている。

盛り上がるとか盛り上がらないとか、会場を一体感のするとかしないとか、そういうのとはまた別で、確固たる自分たちの空気を持っていて、その空気で会場を包み込んでしまう凄みをもっている感じがしたのだ。

本格的に全国デビューを果たしたのは昨年でありながら、すでにそういう境地にいっていることを肌で感じてゾクゾクしたわけだ。

これは、どこかのタイミングで大化けするわなーなんて改めて思ったのだった。

あと、曲が単純に良いし、良い意味で柔軟さを持っているところが好きで。

なので、これからさらに色んなものを吸収してどんどんアウトプットを面白くしていく予感しかしないところも強み。

どういう化け方をするのかはまだ明言できないけれど、自分なんかじゃ予想できないくらいの面白い進化をするはずで、ただただ成長が楽しみなバンド。

 

関連記事:ジャンルに縛られない存在感を放つヤユヨというバンドについて

 

This is LAST

アルバムをリリースすると、何曲か自分的に刺さらない歌があったりするんだけど、This is LASTってそれがない。

どの歌も良くて、メロディーも歌詞も演奏展開もぐっとくるものがあるのだ。

「別に、どうでもいい、知らない」を聴いてそのことをより強く感じた。

タイミングタイミングで間違いない歌を生み出す力って、バンドが伸びていくうえですごく重要だと思うんだけど、そこに対してThis is LASTは圧倒的な信頼があるのだ。

なぜなら、どの歌も刺さってしまう自分がいたから。

なので、きっと今年も新曲を発表するタイミングやここぞってタイミングでバチって決めて、そのたびにどんどん存在感を強めていくのではないかと思っている。

あと、ライブのときの楽曲の世界に引き込む力もピカイチで。

まだまだ荒削りな部分もあるけれど、そこを研ぎ澄ませたら、とんでもないバンドになることを実感した。

 

関連記事:This is LASTというバンドを自分が好きな理由

 

OKOJO

OKOJOは昨年複数ライブを観る機会があったんだけど、観るたびにライブが良くなっているのだ。

売れるバンドって、この「観るたびの進化」が明確で、だからこそ何度もライブに足に運びに生きたくなる魅力をはらんでいるんだけど、今のOKOJOのライブはまさしくそれになっていたのだ。

言葉にすると簡単なように聞こえるけれど、短いスパンで進化するのってそんなに簡単なものじゃない。

でも、今のOKOJOははっきりとそのことを実感させるライブをしているのだ。

今年はもっと露出する機会も増えるだろうし、そこで彼らの魅力にとりこまれる人も多いのではないかと思う。

 

関連記事:今話題のOKOJOというバンドについて

 

クジラ夜の街

たぶんコロナによってライブなどが中止になっていなかったら、きっとサーキットやライブイベントで爆発的な存在感を示したんじゃないかと思うバンド。

「夜間飛行少年」は確かな求心力があって、一聴するたびにぐっと引き込まれる魅力を持っている。

澄み切った感じとか透明感もあるのに、それに相反しそうな躍動感とかバンドならではの荒々しさも内包しているのだ。

綺麗と綺麗じゃないのバランスが絶妙な、不思議な魅力を持つバンドなのだ。

絶対今年、YouTubeのコメントとかに「ついに見つかってしまった」みたいなコメントがたくさん湧くはず。

今からでも、その光景が目に浮かんでくるのだ。

INNOSENT in FORMAL

ロックとヒップホップを融合しためちゃくちゃかっこいいサウンドを鳴らしているINNOSENT in FORMAL。

もともと楽曲はめっちゃかっこよかったんだけど、覆面バンドのような立ち位置だったため、キャラクター的なタチ方をすることはなく、知る人は知るって感じで名前を広めている印象のバンドだった。

けれど、昨年からじわじわとその存在感を強めている印象を持つ。

作品にタイアップがつくことも増えたし、そのたびごとに間違いない作品を生み出しているからこその躍進である。

映像的なビジュアル面に対する嗅覚も優れているバンドという印象なので、ここぞのタイミングで一気にハネるかもという期待が強い。

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インナージャーニー

特異な立ち位置のため、穿った目でみられることが多いバンドかもしれない。

ただきっかけはどうあれ一度名前を覚えて音源を聴くことになったら、そこで心を掴んでしまう魅力がたしかにこのバンドにはある。

切なさと儚さと懐かしさを内包したようなバンドサウンドで、ちょっと前のロック・バンドが好きだった人にも刺さるような音を生み出すのだ。

単純にバンドの演奏力も高い。

楽器全体のバランスも良いし、ボーカルとサウンドのバランスも良いし、いわゆるロック好きじゃなくても刺さるような魅力を放っている。

故に、バズるということに対する期待はとにかく大きくなるバンドである。

東京初期衝動

バンドってコモディティ化してしまうと、なかなか大きな層には刺さらなくなってしまう。

なので、バンドはあの手この手が個性を出そうとするんだけど、どうしても細かな部分で個性を出すことに躍起になりがちである。

そう考えたとき、今のバンドシーンにおいて、東京初期衝動って不動の立ち位置を積み上げている気がするのだ。

躍動と衝動を音に詰め込んで、媚びるとかとは全然違うラインで自分たちがやりたい音を鳴らす感じ。

こういうバンドはタイミングが合えばとんでもないことになる。

色んなパーツが揃いつつある今の東京初期衝動において、今年がそのタイミングになる可能性もあると思っていて。

そのとき、きっと音楽シーンをどかーんと撃ち抜く存在になる。

ナードマグネット

昨年、ライブを観たとき、ナードマグネットってめっちゃかっこいいって改めて思ったのだ。

音の分厚さであったり、ライブのダイナミズムみたいなものが、正直他のバンドとまたひとつ違うのだ。

自分のイベントを開催したとき、ロックバンドとしてのライブの破壊力はナードマグネットがダントツだったなーと思ったんだけど、ライブに対する鬱憤が溜まっている人もきっと多い今の世の中で、きっとナードマグネットの持つバンドの衝動みたいなエネルギーがぶっ刺さる人は多いんじゃないかと思うのだ。

少なくとも、自分はそうだった。

今年のどこかのタイミングで、きっとナードの新メンバーも決定するだろうし、そうなったら、さらにナードマグネットはパワーアップして今年の音楽シーンを駆け抜ける存在になるんじゃないかなーと思っている。

実力は誰がみても確かなバンドだからこそ、より強くそのことを思うのである。

 

関連記事:ナードマグネットの音楽を好きな理由

 

Omoinotake

昨年、生み出した歌がどれも間違いなかったOmoinotake。

昨年で、完全に手札にキラーカードを揃えた印象を持つ。

あとはより間口を広げて、露出する機会を増やせば、圧倒的な飛躍をする。

そんな印象を自分は持つのだ。

「モラトリアム」から「産声」まで、曲のカラーも相当に広がっているし、大きな層に刺さる求心力も持っていることを考えると、限りなくバズるという意味で本命に近いバンドのひとつだと思っている。

 

関連記事:2020年、大きく存在感を放つOmoinotakeについて

 

Hakubi

インディーズ好きの人であればもうバズったバンドでしょ、と言うのかもしれない。

けれど、個人的にHakubiはもっと大きくて壮大なところまで行くのではないかと思っている。

シンプルなサウンド構成でもそこから無比なる魅力が溢れているし、Hakubiもまた観るたびにその魅力を増しているバンドだと思っているからだ。

昨年リリースした楽曲も間違いがないものばかりだったし、メジャー・デビューを果たしたということは今までとは違った露出も増やしていくはずだから、きっとこのバンドの音楽に出会い、刺さる人も増えるはずで。

そういう可能性を感じずにはいられないから、満を持してここに名前を入れさせてもらった次第。

 

関連記事:圧倒的なツボなのでHakubiというバンドを推したい記事

 

まとめ

バズるの定義をどう捉えるかで、メンツは大きく変わると思うけれど、「コミュニティーを超えていく」をキーワードにして考えたとき、この10組を選出させてもらった。

バズるというランキングでいえば、バズリズムも話題になることが多いけれど、どういうランキングになるだろうか。

いずれにしても、今年は昨年よりも、色んなバンドが露出できる機会が増えたらなーと思うばかり。

そのことも切に願いながら、この記事を上梓させていただきます。

関連記事:2020年にブレイクしそうなバンドたち

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