前置き
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バンドってボーカルが曲を書くことが多い。
でも、その一方でボーカル以外の別の人が曲を書いているバンドもいる。
その場合、普通はボーカルのことを考えるような歌を作る。
ボーカルの音域を考え、きちんと息継ぎするスペースを与えてくれる、そんな歌を作る人が多数である。
が。
一部の過激な作曲家は、そんなことを無視したドSな歌を量産するのだ。
恐ろしい話である。
この記事では、そんなドSな作曲者に振り回されるドMなボーカルたちを紹介していきたい。
本編
ドSな作曲者にいじめられるドMボーカル特集
ポルノグラフィティ
普通に読み上げるだけでも噛みそうになるややこしい歌詞に、ラララと歌うだけでも噛みそうになるメロが詰まりまくった、噛む余地しかないややこしい歌を歌われされがちである。
この歌なんてそんな代表曲だ。
思う。
毎回、デモテープが渡されているとき、この人はどういう気持ちなんだろう、と。
この曲を渡され、「どう?」って尋ねられたとき、どんな気持ちでその曲についてコメントするんだろう、と。
そして、どんな気持ちでレコーディングに向かい、歌録りを開始するんだろう、と。
きっと超絶なるストレスに苛まれるのだと思う。
想像するだけで胃が痛くなる。
だってさ、内心、絶対にこんなややこしい早口の歌、歌いたくないと思うんですよ。
いくら仕事とは言えども「マジかよ〜〜〜難易度高すぎしょ〜〜〜キチッーッ!!!」って思ってると思うんですよ。
その証拠に、本人が作曲した歌の歌いやすさたるや。ビビるくらいにシンプルなのである。
いやね、ポルノグラフィティのボーカルの岡野さんの何が大変って、この歌、プロデューサーに書いてもらった歌なわけでしょ?
だから、安易なことは言えないわけですよ。
まさか、こんな早口の歌は歌えないからボツにしてくださいなんて言えないし、作詞すら自分で行っていないもんだから「この歌詞じゃ歌いにくいわ」と、根をあげることもできないわけで。
ほんと、「サウダージ」の2番のBメロとかマジキチだと思う。未だに俺、カラオケで歌ったら噛みますもん。
なお、40を超えた今になっても、他の人から難易度が高い歌を歌わされている模様。
この調子だと、50歳になっても、難易度の高いややこしい歌を歌わされるのだろうと思う。
大変だろうけど、末永く頑張ってほしい。(なお、年々自作曲でも難易度の高いドM曲をのどんどん歌っている模様)
関連記事:サガミのコンドームより薄い今のポルノグラフィティ評
B’z
稲葉浩志だから容易く歌いこなしているけれど、冷静にみたら松本のメロディーラインは鬼畜そのもの。
「人に歌わせるもの」ではないよなーと思う。
B’zの場合、エグいのはそのKEYの高さ。
男性ボーカロイドですら、こんなKEYの高いメロディー歌わないぞ、って思う。
まあ何がエグいって、そんなめちゃくちゃなKEYでも、きちんと歌いきってしまう稲葉の歌唱力である。
特にやばいと思うのは、この歌。
ダメでしょ?こんなん他人に歌わせたら。
普通のボーカルなら、デモテープを聴かされた段階で「ま??????」ってなると思うよ。
ほんと、大人しく従った稲葉さん、偉大すぎでしょ?
あの歌の何がエグいって、高すぎるKEYだけでも十分にドM案件なのに、譜割りがそれ以上にエグいというところ。
ほんとさ、何?あの譜割?
早口パートがエグいことになっていて、客観的に聴いている俺ですら、ちょっと引いちゃうもん。
普通のボーカルなら、全然ギリギリじゃないですよ。
完全にアウトですよ、あんなん。
稲葉さんだからギリギリな感じが出せているけれど、その辺のボーカルなら、完全にアウトです。
マジで。
L’Arc〜en〜Ciel
このバンドもボーカルのことを考えずに曲を作ってる奴が多すぎる。
kenもtetsuyaも、自分が歌うわけじゃないからってマジでやりたい放題な感がある。
一番、マジキチだなーと思ったのが、tetsuyaが作曲を手がけた「瞳の住人」。
だってさ、この歌、サビのある一音が高すぎて歌えなかったから、機械でピッチを上げてそれを収録したという逸話の作品なのである。
もう最初からライブで歌わせる気のないやん、という話で。
この歌こそ、デモを渡されたとき、どんな気持ちだったのだろうと思う。
でも、そんな無茶振りソング、ライブだときちんと神曲にして歌いきってみせるからhydeってカリスマなんだなーと思う。
いずれにしても、「ボーカルの音域を超えた歌を提供しやがったと意味で、ヤバイよなーという話である。
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UNISON SQUARE GARDEN
セトリおじさんの異名を持つ鬼畜なベーシストが、わりと難易度の高いギターを弾いてるはずのギターボーカルに、息継ぎのことなんて一切考えずに作った鬼畜な歌を、容赦なくボーカルに歌わせる恐ろしいバンド。
バンド仲はバッチバチらしい。
関連記事:UNISON SQUARE GARDENというバンドの功罪
パスピエ
成田ハネダの作る歌もわりと難易度が高い歌が多い。
音域の幅は広くて、リズムはトリッキーだし。
前述で紹介した「マッカメッカ」は、特にこのリズムの揺さぶりが大きいし、畳み掛けるようなサビの息継ぎは大変である。
が、恐ろしいことにライブだとこの歌、ここからさらに若干テンポを早めて披露するのだ。
故に、歌の難易度もさらに爆上がりする。
そんな歌もさらっと歌いこなす大胡田なつきはすごいなーと思う。
安定感があって、すごい。
関連記事:パスピエの野音ワンマンがすごく良かったので、その感想を書いただけの記事
PENGUIN RESEARCH
このバンドのコンポーザーである堀江晶太はボカロPとしても活躍していた。
その名残だからかわからないが、たまにボーカルのことをボーカロイドと勘違いしているのでは?と思ってしまう、ドSな歌を作ることがある。
この歌、いつ呼吸するねんという曲を、普通の「人」に歌わせるのだ。
「敗者復活戦自由形」の2番のメロ部分が特にエグい。
マジでライブ中、この歌を本気で歌ったために呼吸困難に陥ったとしたら、こんな無茶な歌を歌わせた堀江はきっと労基に引っかかると思う。
それくらいに、ドS志向の強い歌である。
が、ボーカルの生田はそんな歌も歌いこなすのだから、すごい。
ほんと、堀江にいじめられているせいで、ボーカルとしての生田のレベルアップ具合が半端ない。
ドラクエでいうと、常にはぐれメタルを倒している感じに近いのかもしれない。
実に将来が楽しみな、ドMボーカルの鏡的な存在となりつつある。
関連記事:PENGUIN RESEARCHが痺れる理由について
まとめ
というわけで、無茶を要求をする作曲者に振り回されるボーカルをいくつか取り上げてみました。
絶対この人たちは、一度くらいデモを聴いたタイミングで絶望していると思うんですよ。
え?俺がこれ、歌うの?いやいやいや、これを歌うのは流石に無理でしょ??と思っているんじゃないかなーって想像しちゃうわけです。
でも。
音源ではそんな素振り、一切見せません。
プロって、そういうことなんだろうなーって思うわけです。
ってか、今回紹介したバンドはほんとみんなプロ意識が強い。
だからなのかわかんないけれど、ボーカルに限らず、サウンド部分でも妥協がないバンドが多い気がするしね。
ボーカルにも要求するハードルが高い分、自分たちも妥協しないってことなんでしょうか?
つまり、バンドとして最強なのは、こういう形態のバンドなのかもなーなんて、そんなことを思ったりする次第。
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