前説
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すげえ勝手なイメージだけど、10年代前半くらいのロック好き、いわゆるオタクよりのロック好きだと神聖かまってちゃんと相対性理論を無茶苦茶評価しているイメージがある。
実際、音楽大好きクラブをはじめ、ネットで音楽のことを書くタイプのロック好きは、わりとこの二組を褒めていたような印象がある。
自分のブログはそのあとにできたこともあって、あんまりこれらのバンド・アーティストを取り上げてこなかった。
実際、自分はあんまりこの辺りのバンドにはハマっていない。
距離感としては「好きな曲もある」くらいなもので、正直そこまで熱を入れては聴いていなかったところがある。
なので、自分が中途半端に語る必要もないかなーってところで取り上げてこなかったんだけど、要望もあったので一回くらいは書きたい、ということで、この記事では神聖かまってちゃんの記事を書きたいと思う。
本編
神聖かまってちゃんの印象
すごく雑に言ってしまえば、破天荒というのが僕のイメージだった。
ネットの動画で暴れたり、わりと過激なことでは何かをディスったりと、なんか怖いなーという印象が強かった。
でも、そういうスタンスを取るだけあって、曲はたしかに良いよなーという気持ちもあった。
「ロックンロールは鳴り止まないっ」は間違いなく名曲だと思う。
マイノリティーのためのロックって感じだし、音楽に対する衝動を音にしている感じがして、すごく良いのだ。
神聖かまってちゃん以後、ロックはフェスありきの音楽になりがちとなったけれど、結局フェスの功罪って「相手ありきの音楽」になってしまったことだと思うのだ。
昔、神聖かまってちゃんがサカナクションを思いっきりディスってた気がするんだけど、サカナクションはメジャーデビュー後は、対お客さんを意識しまくった音楽になっていたため、きっとそういう部分に対して反発を感じたからこそ、大きく噛み付いたんだろなーと思うのだ。
神聖かまってちゃんの音楽には、明確なる衝動があった。
それは間違いないと思うのだ。
ちょっと前なら、銀杏BOYZなんかをはじめ、ロック=衝動、みたいな音楽をやっていたバンドもそれなりにいたけれど、神聖かまってちゃんが出てきた頃、そしてそれ以後はそういうバンドが本当に少なくなってしまったように思う。
もちろん、今でも派手なパフォーマンスで魅了したり、ダイブやモッシュのアクティブな表現で「衝動」を表現するバンドはいるけれど、神聖かまってちゃんの場合、その衝動をもっと上位の次元で音として表現していた気がするのだ。
いわゆるロックっぽい歌もあれば、けっこうダンスに傾倒した音楽もある。
でも、どの音楽もどこかいわゆるベタから大きくはみ出していて、そのはみ出した部分にこそ、神聖かまってちゃんだからこその美学を感じさせるのだ。
はみ出ていない部分で美しさを感じさせるのがポップならば、神聖かまってちゃんの音楽はその逆だった。
だから、彼らの音楽には、失われてしまったロックなるものを感じるのかもしれないなーなんて思う。
とはいえ。
冒頭でも述べたように、僕は必ずしも神聖かまってちゃんの音楽を丁寧に聴いてきたリスナーではない。
「ロックンロールは鳴り止まないっ」は間違いなく名曲だ、と言っておきながら他の曲について語ろうものなら、すぐに口をつぐんでしまう。
でも、不思議な歌が多いなーと改めて思う
ただ、改めて振り返るようにして曲を聴いて思うのは、美学を感じさせる歌が多いということなのだ。
この辺は感じたというか、捉え方みたいな話になるけれど、andymoriだったり、今でも語り継がれるこの時代のロック・バンドの音楽にはやっぱり美学を感じさせたのだ。
即席の音楽じゃないし、時代を超えても聴かれる強度があるというか。
破天荒なんだけど、美学も感じさせる。
そういう両立しなさそうなものを両立させているところが、神聖かまってちゃんの凄さなんだろうなーと思うのだ。
それだけ音楽的にもこだわって作品を作ってきたことの現れだと思うし、アルバムを聴けば、そのことを強く実感させられるのである。
まとめ
というわけで、神聖かまってちゃんの記事を書いてみたんだけど、やっぱり自分としては神聖かまってちゃんは<通っていない>感覚がすごく強い。
自分の中では、日本においてロックがある程度終わってしまったなーというタイミングで出てきた、昔のロックの意志を継いだバンドって感じで、なんか自分のテンション的に、こういう音楽に熱が入らなかったみたいなところがあるんだよな〜。
とはいえ。
2020年になった今も、神聖かまってちゃんのようなバンドっていないよなーとつくづく思う。
それだけこのバンドが孤高の存在であることを示しているし、今なおこのバンドのすごさを示す要素のひとつだと思う。
なにより、イロモノではなく、音楽を相当マジにこだわって作っていることがわかるから、神聖かまってちゃんはすごく良いんだよなーと思う。
なぜ彼らに熱中する人がいまだにたくさんいるのか。
それはきっと彼らの作品に触れたら、わかることだと思われる。
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