Sexy Zoneの 「Forever Gold」の話

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何でもそうだけど、期待値コントロールって大事である。

なぜなら、アーティストの期待値が上がりすぎると、そのアーティストが並の作品をリリースしても周りが感動しなくなってしまうからだ。

こういう場合の「並」って、他アーティストがリリースしていたら話題になるべき秀作であるケースだってあるわけだ。

なのに、前作と比べると微妙とか、前回リリースした名盤と同じようなテイストじゃんとか理屈をこねられて、作品の評価を下げてしまう・・・みたいな話って、わりとある。

特に<音楽ライター>とか<音楽評論家>みたいな肩書で活動している人は、良くも悪くも<自分の美学>をもったうえで作品の評価をしがちなので、気がつくと、こういう評価をしがちである(これは良いとか悪いとかの話ではない)。

まあ、誰が誰の作品を評価するなんて、好きにしたらいい話である。

でも、べた褒めとか絶賛のあとに変なしっぺ返しがくるくらいなら、ある程度は作品の期待値コントロールしている方が、どの作品も<然るべき>評価を受けるのかなーなんてことを思ってしまうこともあるのだ。

でも。

期待値が上がっていったとしても、新譜のリリースごとに、きっちりその期待を更新するアーティストもいる。

前の評価と重なる部分を持ち合わせつつも、新譜だからこその評価軸を持ち合わせたうえで、その期待を更新するアーティストというのが、いるのだ。

例えば、Sexy Zone。

彼らもまた、そんなアーティストの一組だよなあと思っている。

本編

「Forever Gold」に感じる魅力について

なぜ、そう思うのか。

それは、新しくリリースされるアルバム『ザ・ハイライト』のリードトラックとして発表された「Forever Gold」に大きな魅力を感じたからだ。

例えば、ボーイズグループ、という切り口で色んなアーティストを観るとする。

きっと、それだけで色んなタイプの音楽に触れることができるだろう。

ロックテイストの強い楽曲もあれば、ダンサンブルな楽曲に出会うこともあるはずだ。

最近だと、K-POPを意識したミニマムかつワールドワイドなサウンドが印象的な楽曲に多く出会うかもしれない。

そう。

もちろん、様々な音楽があるというのは承知のうえで、ひとつのジャンルを軸として引いた目でみていくと、そこにある種のパターン(あるいは、流行り)を発見することになるのだ。

思えば、昔だと、未成熟な部分を出した”キラキラアイドル感”で魅了するボーイズグループも多かった。

が、最近はパフォーマンスの完成度で魅了するグループが増えた印象だし、<歌>だけではなく、楽曲全体を通したかっこよさを提示させるケースも増えた印象である。

ただ、高い完成度だったり、パフォーマンスの質を求めるあまり、気がつくと、ジャンルとして近しいラインで勝負してしまっているグループも、散見される印象なのだ。

少なくとも、パフォーマンスの完成度だけで個性を出すのは難しくなりつつある。

こうなると、それまでは<凄い>だった作品も、いつしか<並>に映ってしまうリスクも出てくる。

冒頭と少し通ずる話であるが、そこに生じた期待値が高くなりすぎた結果、生じた事態とも言えそうである。

・・・さて、話がずいぶん脱線してしまったが、Sexy Zoneはそういった類の流行ともまた、違う場所で君臨している印象を受ける。

パフォーマンスの質そのものをキモにして楽曲を魅せるわけではない。

さらには、いわゆるダンスミュージックの流行とは違うテイストの楽曲で勝負している。

要は、不動の存在感をもって、Sexy Zoneにしかできない音楽を生み出している印象を受けるのだ。

そして、自分はSexy Zoneのそういう部分に、ぐっとくるのである。

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Sexy Zoneだからこその世界観

もちろん。

これは、別にSexy Zoneが完全に新しい音楽を発明した、というわけではない。

むしろ、「Forever Gold」は80’s 洋楽風のダンスナンバーであり、ノスタルジーを感じる聴き手も数多くいるようなテイストだとは思うのだ。

でも、単なるノスタルジーの音楽になっていないのがポイントで。

逆説的な言い回しであるが、他のアーティストではあまりトライされることのない<レトロさ>にこだわりを持った楽曲だからこそ、そこから新鮮さであったり、Sexy Zoneにしかないアーティスト性が際立っている印象なのである。

しかも、だ。

Sexy Zoneの 「Forever Gold」って、単純に<今、周りでこういう音楽をやっている人、少ないから、レトロな音楽をやったら面白いじゃん>みたいな安易さを感じないところがよくて。

これは「RIGHT NEXT TO YOU」や「LET’S MUSIC」といった、他のボーイズグループとは違う切り口からのダンス・チューンを歌いこなし、自分の表現に磨きをかけてきたSexy Zoneだからこそ、たどり着いた境地とも言えるし、単純にSexy Zoneのメンバーは、こういう品のある美しい楽曲が似合うんだよなーとも思うのだ。

だからこそ、「Forever Gold」にはノスタルジーさを感じるとともに、圧倒的なアーティスト性も感じるのである。

そのジャンルだからこその魅力を出しつつ、Sexy Zoneだからこその色気を掛け合わせる。

そこから、生まれる化学反応が素晴らしく、結果、「Sexy Zone、今回も凄い音楽を生み出してきたな・・・」という感想に行き着いてしまう自分がいるのである。

まとめ

まあ、ぐだぐだと書いてしまったけれど、要はジャンルへのリスペクトがあって、そのリスペクトを持ちつつSexy Zoneだからこその持ち味や個性もきちんと生かしているからこそ、Sexy Zoneが歌う80’s 洋楽風のダンスナンバーにぐっとくるんだよな・・・という話なのである。

なんにせよ、この楽曲が収録されているアルバムが楽しみで仕方がなくなった。

Sexy Zoneだからこそできるチャレンジがアルバムの中でも炸裂しているんだろうなと思うと、わくわくせずにはいられないわけだ。

改めて、色んな人に聴いてほしいアーティストだよなあと感じた、そんな新作。

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