前説

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ポルカドットスティングレイの「新世紀」というEPを聴いた。

これが個人的なツボだった。

なので、この記事ではポルカドットスティングレイについて書いてみたい。

本編

今回のEPは4曲が収録されている。

YouTube上では三曲が公開されているので、まだ音源を聴いたことがない人は聴いてみてほしい。

んだけど、まず全体の感想として、4曲とも綺麗にカラーが別れているのだ。

ある種のバリエーションの広さがポルカの持ち味だと思うんだけど、今作でもそれが際限なく冴え渡っている。

EPの最初に収録されているのは、「SQUEEZE」という楽曲。

ポルカは楽曲全体的に高音を強調するように収音されており、ギターの音が聞きやすいことが多い。

「SQUEEZE」も同じように、ギターが強調された楽曲にはなっている。

特徴的なリフがガンガンに披露されていて、そこを拾って聴いてみても楽しくなってくる。

んだけど、それ以上に今作で眼を見張るのは、雫が披露するラップであろう。

この楽曲は、ラップを大胆に取り入れた楽曲になっており、最後のサビが終わってからも、まくしたてるようにラップをしている。

当たり前だけど、ラップパートは音程の起伏がない。

そのため、サビのメロディーのキャッチーさが際立つようになっている。

そのコントラストがたまらなく気持ちいいのだ。

ラップあり、ギターはガンガン、全体的にはキャッチーでキュートということもあって、曲の構成としてはすごく雑食的なんだけど、その感じがとても良いのだ。

2曲目に収録されているのは「「sp813」という楽曲で、「テレキャスター・ストライプ」のようなポルカらしさが詰まっているギターロックといった感じの楽曲だ。

この曲もギターのリフがグイグイに聞こえてくる。

Aメロの途中あたりから、ボーカルと同じくらいギターも存在感を示すようになっている。

Bメロが終わって、少し休符を入れたあと、シンバルが裏打ちを叩くようになり、縦揺れを喚起させるダンスロックっぽい流れが展開される。

EP全体としてみると、一曲目はラップだったのに、二曲目は「踊らせること」を意識したギターロックが展開されるわけだ。

楽曲内に留まらず、EPとしてみても、振り幅が大きいわけである。

そして、その振り幅が気持ち良いのだ。

アスレチックにあるゆりかごみたいなワクワクさ、とでも言えばいいだろうか。

三曲目の「トゲめくスピカ」も、これまた装いを変えた楽曲で、ミドルなテンポで楽曲が進む、穏やかなナンバーとなっている。

この歌を聴いていて感じるのは、雫のボーカルとしての表現力に磨きである。

ポルカドットスティングレイはデビュー初期から完成度が高いバンドだった。

とはいえ、それ故、ライブの経験は必ずしも多いバンドではなかったし、どうしても技術ばかりが突出する部分もあった。

しかし、ポルカは今年結成五年目を迎えるバンドになった。

つまり、色んなところでライブをやってきたし、その数もけっこうな数にのぼったわけだ。

その数だけ、バンドメンバーの技術に磨きがかかったし、雫のボーカにも、それを強く感じたというわけである。

言葉に対する感情の込め方が、以前と比べ物にならないほど研ぎ澄まされているのだ。

声優が台本を読むと、セリフにとんでもなく感情が吹き込まれたりするわけだが、ポルカの歌にもそういうものを感じるのだ。

雫の歌声によって、フレーズに感情が込められていく、とでも言えばいいだろうか。

あと、ちょっと日本語を英語っぽく歌う瞬間もあって、そういう工夫もぐっとくる。

メロディーに音を載せる作業一つとっても、かなり洗練されているものを感じたのだ。

ラストの「女神」はもっともスピード感のあるナンバーだけど、こういう楽曲でも見せ場が多い。

ぽっと聴いた感じの装いはポップでキャッチーなんだけど、それだけじゃないものを感じるというか。

独特の侘び寂びが、そこにあるというか。

そういうものを、楽曲の展開から感じとれるというか。

サビに入る前のメロディーの起伏の付け方が、個人的に好きで、起伏が工夫されて付けられているところに侘び寂びみたいなものを感じるのかもしれない。

4曲そうじて言えるのは、バンドとしての完成度が本当に高くなったよなーということだ。

まとめ

で。

このEP、めっちゃ気に入ったわけなのである。

けっこう今はヘビロテして、聴いている。

さらっと聴く分にもすごく聞きやすいし、良い感じにノリノリな気分になる。

でも、突っ込んで聴いてみても、色んな部分で楽しむことができる。

冒頭がラップ楽曲だったので意表を付いたけれど、今作はバンドとしてのポルカが5年周年の集大成的なところがあるのかなーなんて思う。

バンドとして、自分たちはこんなこともできるようになったし、こんな魅せ方もできるようになったんだぜ!ということを披露するための作品だったのではないかなーなんて思うのだ。

一時期はバンドからは距離を置いた作品を作っていたこともあったポルカ。

けれど、今作はかなり素直に「バンドであること」にこだわっているように感じるのだ。

その素直さがとても良い。個人的にツボなのである。

つくづく、結成して5年のバンドとは思えない完成度である。

改めて、このバンドの凄さを実感した次第。

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