ロッキン・ライフ vol.6のライブレポ

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ロッキン・ライフ vol.6が大阪阿倍野のライブハウスであるROCKTOWNで開催された。

ロッキン・ライフという名前のライブイベントは今回で6回目となるが、たぶん過去の中で一番出演バンドの平均年齢が低いイベントになった(と思う)。

結果、わりと同世代のバンドが集う形になったし、他のイベントでも一緒に対バンしているバンド同士が揃ったこともあり、今までのイベント以上に、”横の繋がり”を感じるイベントにもなった(気がする)。

“横に繋がり”のあるバンドに出演してもらうと、来てもらうお客さんも「このバンドだけ観たい」というよりも、「観たいバンドしかいない」のモチベーションになりやすいため、最初から最後まで高い熱気でライブイベントが進行していたことが印象的だった。

そんなこんなでこの記事では、ライブレポのフリをして、自分が各バンドのライブを観て感じたことを、独り言としてこの記事に残しておきたいと思う。

では、どうぞ。

photo by aoi (@thnks_th)

本編

ズカイ

今回出演してもらったバンドの中では、もっとも主催者と年齢が近かった(と思う)バンド。

自分は「酸素」という楽曲が好きで、個人的な2022年のベストソングのひとつだったので、ぜひ今年のイベントに出てもらいたいと思い、オファーさせてもらった背景がある。

今のズカイの楽曲を聴くと、わりと歌謡曲っぽい要素があり、言葉を大事にした穏やかなメロディーラインが頭に残る楽曲が多い気がする。

なんだけど、ライブで聴くと、良い意味で楽曲の”そこ”以外の部分を強く感じさせてくれるのだ。

サポート含めて6人体制であり、2枚のギターがいるからこそ、ライブで鳴らされるサウンドがどこまでも分厚く、ずしりと身体に響く感じがするのだ。

また、MCの温度感も誠実な感じが伝わるのが良くて、まんくもが楽曲に込めた思いを丁寧に言葉にしながらライブを進行させていく。

出演バンドのラインナップ的に考えても、初見の人が多かったのかなーと思ったのだが、ズカイの言葉のひとつひとつを胸に留めるかのように、楽曲をじっくりと聴いていたのが印象的であった。

Conton Candy

2番手に出演したのは、Conton Candy。

Conton Candyのライブは一言でいうと、フレッシュ。

当日はメンバー全員が白い衣装でライブをしていたということもあって、眩しさが際立っていた。

年々、自分は擦れた大人になってきている気がするので、Conton Candyのように真っ直ぐに眩しさが際立つパフォーマンスをみていると、はっとする瞬間が多かった。

とはいえ、単に”若い”だけのライブかというと、そんなこともなくて。

息のあったスリーピースバンドであり、パワフルさとキュートさの両方を感じさせながら、パフォーマンスがあるのだ。

音源でもバンドの活き活き具合が伝わってくるが、ライブで楽曲を聴くことで、よりそのエネルギッシュさが際立つことを実感するのであった。

また、「ロングスカートは靡いて」はConton Candyの今年のキャリアにおいても印象深い一曲だと思うんだけど、この楽曲を披露することで、オーディエンスの熱気がさらに上がり、拳を突き上げる人の数も多くなったことが印象的であった。

おそらくここからさらにライブに磨きがかかるのだろうし、今後のさらなる進化が楽しみなバンドである。

Organic Call

3番手に出演したのは、Organic Call。

Organic Callは、去年もイベントに出てもらったので、にどめましてであった。

自分はあまり一度出てもらったバンドにオファーはしないんだけど、Organic Callはライブがかっこよくて、ライブに勢いがあるロックバンドがたくさん集うイベントにぜひ居てほしいと思うかっこよさを持っているので、ぜひ今年もイベントに出てほしいなあと思って、早い段階からオファーをかけさせてもらった背景がある。

去年のイベントと大きく異なるのは、メンバー脱退だと思う。

Organic Callは去年のイベントから今年のイベントまでの間に、体制として大きく変わったわけである。

が、体制が変わろうとも活動ペース自体は落とさず、ライブを重ねていた印象だったし、自分が観た限りでは今年のライブの方が惹きつけられるものが多いように感じた。

セトリとしては5曲で、と、他のバンドに比べると少なめになるんだけど、曲数を少なくして演奏の部分などでしっかり尺をとって、ライブをより”魅せる”ものにしているところに、自分は去年以上のかっこよさを覚えたのである。

パッション的なかっこよさもあるけど、パッション以外の部分でのかっこよさも強く感じられたのだった。

そして、当然ながらパッション的な部分にも磨きがかかっているように感じた。

というのも、ライブへの想いを強く語るMCをしているバンドが、脱退などがあったなかでもペースを落とさずにライブを行ったことで、より言葉の説得力を増していった印象を受けるのだ。

言っていることと、ライブを通じて表現していることがシンクロしているからこそ、ライブでのパンチ力があがっていたし、それに呼応するオーディエンスの熱気も明確になっていたのである。

言葉が強いバンドではあるんだけど、歌とかMC以外の部分でも魅せることで、ライブ全体のかっこよさが際立つ印象を受けたのだった。

35.7

35.7は大阪でのライブは二本目らしく、一本目はMINAMI WHEELだったとのこと。

なので、MINAMI WHEELの次に出演したのがこのイベントとのことだったが、大阪2回目とは思えないほど完成されたライブだった(まあ、当然、関東ではたくさんライブをやっているわけで、当然といえば当然なのかもしれないが)。

MCでは独特の言葉選びをすることでオーディエンスの空気を瞬間的に絶妙なものにする瞬間もあった。

が、もしかしたらそれもある種の計算だったのかもしれないと思うほど、ライブはスマートに進行していき、バンドが持つキラーチューンを繰り出していた印象だった。

楽曲を聴いた感じ、35.7はもっとクールというか、もっと淡々としたライブになるのかなーと勝手に思っていたのだが、その見立ては大きな間違いであることを痛感するほどにロックバンド然としまくったパフォーマンスになっていた。

というか、MCをすると和やかな空気になるし、ひとたび演奏をはじめるとがっと空気を変えてバチバチなロックバンドになる切り替えがあって惹きつけられるものがあったのだ。

だからこそ、どんどんファンを増やしているのだなあということを実感したし、たぶんここから全国でのライブも増えていくんだろうなあということを考えると、ここからの進化が末恐ろしいことを改めて感じた今回のライブ。

近いタイミングで、もっと長い尺のライブを観なければ・・・そう思わせる興奮と迫力があったライブだった。

Blue Mash

5番手に出演したのは、Blue Mash。

今回のライブイベントはわりと関東を拠点に活動しているバンドが多い中、大阪のバンドとしてBlue Mashが登場した。

このBlue Mashのライブが、凄かった。

Blue MashのMCでもチラッと述べていたが、今回、Blue Mashに関してはバンド側から「出演したい」と連絡をもらったことで、出演してもらう流れになったんだけど、そういったことも包み隠さずMCで述べながら、感情をパフォーマンスに全部のっけてライブをするサマが途方もなくかっこよかった。

もちろん、Blue Mashのライブがかっこいいことは知っていた。

なので、トリ前という出順で出演してもらうことにしたわけだけど、そのかっこよさが想像以上だったところがある。

もし自分が10代の頃に、普通にお客さんとしてこのイベントに来ていたのだとしたら、Blue Mashののっけから、うっかりダイブしてしまっていたのではないか?と思わせるほどに迫力があった。

実際、この日のオーディエンスの空気的にも、ライブハウスの状況が状況ならダイバーが出まくってもおかしくないくらいの、うおーっ感が炸裂しまくっていた。

MCからガーっとテンションを上げて、そのままの勢いで最後まで演奏を続けるときのパワーは筆舌に尽くし難いものがあったのだ。

あまり他のバンドと並べて良さを語ることは良くないのかもしれないが、Blue Mashのライブを観たことがない人に、少しでも雰囲気が伝わるようにあえて名前を出すのだとしたら、初めてMy Hair is Badを観たときのような、あるいは初めてサンボマスターのパフォーマンスに触れたときような、もしかしたら自分が中学生くらいのときに初めてGOING STEADYというバンドを発見したときのような、そういう衝動がBlue Mashのライブには明確にあったのだった。

端的に言えば、自分が持っている想像の上をいく迫力がBlue Mashのライブにはあったのだった。

それまでの空気を一旦壊して、完全に自分の空気として作り上げ直していたBlue Mashの30分間だった、そんな風に思うのである。

ルサンチマン

今回のイベントのトリは、ルサンチマンに担当してもらった。

このイベントの出演バンドが全部決まったとき、トリはぜひルサンチマンにお願いしたいなあと思い、こういった出順でお願いさせてもらった背景がある。

トリとしてお願いしたかったのは、ルサンチマンのライブがかっこいいと思っていたからだ。

もっと言えば、そのかっこよさはルサンチマンにしかできないかっこよさだと思っていて、無二性のあるものだと思っていたので、トリでの出演をお願いさせてもらったのだった。

そして、この日もライブでもそのかっこよさは突き抜けていた。

まず、演奏にストイックで、演奏そのもので魅了してしまうかっこよさがあった。

曲の繋ぎも素晴らしく、DJイベントでもここまで綺麗に楽曲は繋がらないぞってくらいに曲が繋がれるごとに独特の興奮を覚えた。

いつの間にか次の曲に切り替わっているし、曲が変化した最初の音でオーディエンスを沸かせる凄さがルサンチマンのライブにはあったのである。

ルサンチマンの演奏ひとつひとつには熱量があって、激しさがある。

んだけど、いわゆるパッションで押し通すのではなく、パフォーマンスそのもので「かっこいい」と思わせてしまうバンドなのだ。

だから、ライブが進むにつれてどんどんどんどん惹き込まれてしまうのである。

しかも、複雑な楽曲展開であっても、オーディエンスを置いていかないのも凄かった。

演奏の凄さとあわせて、きちんとお客さんの興奮もドライブさせていく。

言葉にすると単純な説明になってしまうが、これができてしまうルサンチマンの凄さを体感するのに十分な30分間であった。

この日のライブも、最初から最後まで音を止めることなく楽曲を披露しつづけていた。

そして、一言だけ言葉を残してステージから去っていく流れまで含めて、かっこよさに満ち溢れていたし、ストイックという言葉がここまで相応しいパフォーマンスもそうはないのではないかと思う流れなのであった。

まとめに替えて

今回はルサンチマン、Blue Mash、ユレニワ、35.7、Organic Call、Conton Candy、ズカイの7バンドが出演予定であったが、ユレニワが直前でメンバーからコロナ感染の陽性反応が出たことを受けて、キャンセルとなった。

残念で仕方がないが、ユレニワにはどこかのタイミングでまたお声がけしたいと思っている。

にしても、どのバンドもライブがかっこよかった。

これは実際にライブに足を運んでもらったお客さんであれば、全納得してもらえると思うのだが、本当にどのバンドも素晴らしいライブだったように思う。

なので、改めて何かを言葉にするのは蛇足だなーと思ってしまうのだが、ひとつ言えるのはきっとどのバンドもここで感じたかっこよさは序章でしかないということであろう。

きっと2023年になればさらにそのかっこよさは磨かれるだろうし、どのバンドももっと大きな射程でバンドシーンを盛り上げる存在になるのだと思う。

若いバンドがこれだけかっこいいのだから、これからのバンドシーンも刺激に満ちていて、ワクワクがとまらんな〜と、そんなことを感じたこの1日なのであった。

関連記事:2022年の最後に、ぜひバンド好きにオススメしたいバンドたち

 

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