Novel Core「EVER EVER GREEN」に痺れた件。サウンド、ボーカル、ジャンルの話

序章

ライブパフォーマンスにくらった身からすると、次に何をリリースするのかが楽しみだった。

だから、『BABiES AGAiN』のEPが出た時は、おお今回の楽曲はどんなトーン、どんな世界観、どんなメッセージを届ける音楽になっているんだろう?というワクワクがあった。

自分の中でのざっくりとしたNovel Coreのイメージは、こうだ。

ヒップホップにルーツがある。

でも、ロックのカルチャーにも敬愛がある。

だから、ラップをキレキレに披露することもあれば、爆音のバンドサウンドをバックにアグレッシブなボーカルを披露することもある。

なんなら、ヒップホップやロックだけでは語ることができない、多彩さがある。

これはこれまでの楽曲から感じていたことでもあるし、ライブをみて改めて感じたことでもある。

とはいえ、ひとつの楽曲にスポットを当てると、多彩にあるカラーの中でも特定の部分にがっつりスポットを効かせて、エッジを効かせることが多い印象だった。

なので、今回はどの部分にエッジを効かせるのだろうとワクワクしている自分がいたのだった。

EPという単位でみると色んな楽曲があって、「C.O.R.E」はのっけからスクラッチが響き渡った歌で、ラップモードのNovel Coreをまっすぐに堪能できる。「HANERO!!!」はフロアを飛び跳ねまくりそうなアッパーなパンチ力がある楽曲だ。

「プライド」はどストレートなロックビートにのせたメッセージ・ソングである。

そんな中で、今回自分は「EVER EVER GREEN」という楽曲にスポットを当てようと思っている。

「EVER EVER GREEN」のサウンド的なかっこよさ

バックで鳴っているサウンドは明確にロックサウンド。

でも、クリーンなボーカルを披露することもあれば、切れ味の鋭いラップを響かせる楽曲になっていて、聴き心地としてミクスチャーロックな色味を感じる。

DragonAshだったり、RIZEだったり、様々なミクスチャーロックに比べてきた自分からすると、Novel Coreのこういう音楽アプローチにぐっとくる自分がいたのだった。

鳴り響いている音を聴くと、「the かっこいい音しかなっていないやつ」って感じで、興奮が止まらない。

然るべきカルチャーのフェスでこの歌を歌ったら、あっちこっちでサークルモッシュが広がるんだろうなーというビート感が継続している。

ドラムとベースのアプローチが、そういうワクワクを増大させていく容赦なさを持っている。

そのビートにシンクロするかのように、Novel Coreのボーカルがまっすぐに響くから、「EVER EVER GREEN」は、ビーフが飛び出るタイプの豪華なハンバーガーのように、最初から最後までてんこ盛りの高揚感を覚えることになる。

ジャンルレスに接続する音楽的な魅力

そのうえで、Novel Coreはボーカルってギラギラサウンドに似合うぎざぎざ感もあるんだけど、一方で歌声の中で独特の甘さを持っている。

だから、攻撃性も宿っているんだけど、歌ものとしてすーっと歌が入る気持ちよさもあるのだ。

このボーカルの雰囲気とか装いも、Novel Coreのジャンルレスなアプローチとシンクロしているのかなーと感じる自分がいるし、「EVER EVER GREEN」の持つジャンル性ってミクスチャー・ロックを覚えつつも、じゃあそこに特化したような味わいかというと、必ずしもそうではなくて。

割合って意味で考えると、特定のジャンルの比重は大きいんだけど、ボーカルの魅力にはそれ以外のジャンルでもサバイブしてきたNovel Coreだからこその味わいが混ざり込んでいる感じで。

バチバチに洋風なハンバーガーの中に、和風のタレを隠し味で入れておくことで、他のハンバーガーを追随させない絶品の領域に向かっているような、そんな温度感。

こういう魅力を解き放っているのは、やっぱりNovel Coreだからこそだと思うし、ライブを観たうえで改めて「本気で新たな領域を確立している」様子をマジマジとみたからこそ、「EVER EVER GREEN」に宿る音楽的なかっこよさとダイレクトに繋がる心地を覚えるのである。

まとめに替えて

というわけで、「EVER EVER GREEN」にスポットを当てる形で記事を書いてみたんだけど、EP全体がどれも違ってどれも良いになっているので、もし聴いていない人がいればぜひEP全体を堪能してほしいなーなんて思う。

そして、特にロックフェスではモッシュとかが大好き!そういう激しい音楽が好みという人ほど、一度Novel Coreの音楽、特にロック色の強い音楽に一度触れてみてほしいなと思う。

「EVER EVER GREEN」もいかつさと華麗さを持ち合わせた、独自のかっこよさを貫いているから。