2024年下半期個人的ベストソングランキング
2024年が終わろうとしているので、個人的に今年好きだった音楽を紹介したい。
ただ、今年は7月に「2024年上半期個人的ベストソングランキング」という記事を上梓したため、今回は下半期のベストソングという形で紹介をしたい。(とはいえ、この記事では一部6月リリースの楽曲も入れているが)
1年にまとめてベストソングを紹介した方が、ランキングとしての意味性は強くなるかもしれない。
けれど、自分的には一度選んだ楽曲をまた紹介するよりは、なるべくたくさんの楽曲の名前を出して「2024年、こんなにも良い曲あったよ!!!!みなさんはどのアーティストのどの楽曲が特に好きだった????」みたいな話がしたい。
であれば、今年はベストソングを半期に分けて2回発表!にしよう、みたいな感じ。
とはいえ、1年単位だと「好き」の方向がそこまで変わらないので、上半期で名前を出したアーティストが、下半期でもゴリゴリに登場しているんだけどね。
まあその辺は、ロッキン・ライフの中の人って、こういう音楽が今ブームなんだな、くらいに受け止めてもらえたら嬉しい限り。
ちなみに、2024年の上半期のベストソングの上位10曲は、こちら。
1位:Omoinotake 「幾億光年」
2位:BUMP OF CHICKEN 「邂逅」
3位:Chevon 「ダンス・デカダンス」
4位:Number_i 「GOAT」
5位:三浦大知 「Pixelated World」
6位:XG 「WOKE UP」
7位:berry meet 「溺愛」
8位:藤井 風 「満ちてゆく」
9位:Bialystocks 「近頃」
10位:Mrs. GREEN APPLE 「ライラック」
見ての通り、紅白に出るようなメジャーなアーティストからインディーズのアーティスまで、名前を挙げている。
大手のメディアだと、こういうランキングの場合、ある程度は知名度や流行りを優先しながら順位づけしていくと思う。
が、自分のランキングでは、そういうのは無視。
自分なりの軸で順位付けさせてもらっているので、他のメディアと趣の異なるランキングになっている、とは思う。あれがない、これは一緒、色んな視点からみてもらえたら嬉しい限り。
では、早速はじめてみようと思う。
どうぞ。
2024年下半期個人的ベストソングランキング:20位〜11位
20位:Meg Bonus 「jet」
紹介
2005年生まれの19歳2人組のユニットで、2024年10月9日にデビューEPをリリースしたニューカマー。2024年12月18日にリリースされた配信限定シングル。浮遊感のあるシンセサウンドを基調としたドリームポップで、メロディラインやコーラスワークが際立つ。
好きなポイント
- イントロの段階で感じる、並々ならぬ独自性
- ファルセットを貴重にした澄み切ったボーカル
- 予想のつかない展開で、良い意味で緊張感をもって楽曲を聴けるところ
- 経験したことのない凄いものと出会った感
19位:yummy’g「switch」
紹介
2024年12月11日にリリースされた3rdシングル。作詞・作曲はボーカル&ギターのASUKAが手掛けており、ライブでも定番になっている楽曲。独自性を貫く硬派なバンドサウンドも印象的。
好きなポイント
- “時代”とかではなく、やりたいことを軸でサウンドを鳴らしているところ
- まっすぐでパワーのあるボーカルとサウンドのマッチ具合
- あえて言えば、洋楽っぽさと日本のロックの融合感
- アウトロでは余計な尾を引かず、さらっと終わらせるところ
18位:ん・フェニ「SCREW IN MY HEAD」
紹介
東京を拠点に活動しているオルタナティブ・シンガーソングライター。12月25日に配信されたシングルで、過去作のプロデュースを手がけるアシカ製薬とタッグを組んだロックチューン。藤本ひかり(ex. 赤い公園)がベースで参加。
好きなポイント
- サウンドのソリッド感
- 今にも何かが爆発しそうなエネルギーと、妙な懐かしさ
- 「毒」とか「有害」というワードチョイス
- 独自性が強いのに、作品としては聴きやすいというバランス感
17位:なきごと 「安酒にロマンス」
紹介
2024年7月31日にリリースされた2ndフルアルバム『ふたりでいたい。』に収録されており、お酒をテーマにした楽曲に定評のある水上えみりの渾身の”お酒テーマ”な楽曲。岡田安未の鋭くも切ないギターの音色とフレーズも印象的。
好きなポイント
- 歌の中の物語がダイレクトに伝わってくる感じ
- 言葉の輪郭がはっきりしている中、サウンドも同じ方向を表現する心地
- 一番のサビが終わったあとで、一旦鳴っている音が減る瞬間
- 「滑稽だったんだ」というフレーズを歌唱するときの、水川のボーカルの表情
16位:カネヨリマサル 「ゆびきりげんまん」
紹介
2024年9月25日に配信リリースされた楽曲。前作「嫌いになっちゃうよ」に続く夏恋ソング第2弾として、音楽プロデューサーのいしわたり淳治氏を迎えて作られた。夏の終わりの儚く終わる恋の一幕を描いた切ない恋愛ソング。
好きなポイント
- 景色と感情の描き方
- 描かれた感情と呼応するかのように、サウンドが変化していく様子
- 歌の中の物語を没入するうえで、余計なものがひとつもないところ
- ラストのサビあたりの差し込まれる、うっすら聴こえるコーラス
15位:Aooo「サラダボウル」
紹介
元・赤い公園のボーカルである石野理子などで結成された四人組バンド。Aoooの読み方は、あうー。今作は、2024年10月16日にリリースされた1stアルバム『Aooo』に収録されたもので、リズミカルかつ硬派なバンドサウンドが印象的。
好きなポイント
- 達者なメンバーで構成されたバンドだけあって、アンサンブルに迫力があるところ
- 特に、やまもとひかるとツミキの息の合い方
- すりぃの緻密な楽曲構成も見事なところ
- 「抗う抗う」あたりの、バンド以外の音の差し込み方
14位:TOMOO 「エンドレス」
紹介
2024年10月16日にデジタルリリースされた楽曲で、フジテレビ系ドラマ『全領域異常解決室』のエンディングテーマ。本人のインタビューでは、人の時間の歩みに対して直線ではなく螺旋のイメージがあると語っており、そのイメージがサビのフレーズに反映されている模様。
好きなポイント
- 同じメロディーが1番、2番と重ねていく中で、どんどん深みを増すところ
- 歌詞のモチーフに”螺旋”あるという話だが、歌そのものも、ある種螺旋的な構造になっているところ
- TOMOOの声の伸びやかで優しい響きが、歌詞の雰囲気とマッチしているところ
- ピアノがベースになった落ち着いたアレンジだからこそ、歌が響くところ
13位:三浦大知 「心拍音」
紹介
2024年7月26日にリリースされた楽曲。2024年パリ オリンピックに挑むTEAM JAPANの公式応援ソングとしての書き下ろし。作詞は三浦大知、作曲はUTA氏と三浦大知が共同で手掛けている。
好きなポイント
- 光が差し込むような力強いサビ
- どこまでもまっすぐに伸びやかに響くボーカル
- サビのコーラスワーク(低音のボーカルとの調和)
- 「届け!」以降のアレンジ展開と、はっ!の使い方
12位:go!go!vanillas 「来来来」
紹介
2024年8月7日に配信リリースされた楽曲。重厚なビートにエレクトロニックな要素が融合したダイナミックなロックチューンで、牧達弥と柳沢進太郎のツインボーカルも良い味になっている。バンドの独立後、初めてリリースしたシングルでもある。
好きなポイント
- 冒頭の雰囲気と、24秒あたりで一気に楽曲の雰囲気が変わるところ
- そこからも情報量満載で、最後まで目まぐるしく駆け抜けるところ
- ツインボーカル
- 渋さとかっこよさと楽しさの共存
11位:フレデリック「CYAN」
紹介
2024年6月5日に配信リリースされた楽曲。オリジナル劇場アニメーション『数分間のエールを』の主題歌。フレデリックらしい洒脱かつリズミカルなサウンドアプローチが特徴的。
好きなポイント
- イントロ、ギターのカッティング
- ギターもベースもドラムも、奏でるリズムで脳がとろけるくらいに気持ち良い
- 2番のAメロで、ふいうちの展開をみせるところ
- 思案であり、CYANであるところ
2024年下半期個人的ベストソングランキング:10位〜4位
10位:UNISON SQUARE GARDEN 「アナザーワールドエンド」
紹介
2024年7月24日にリリースされたベストアルバム『SUB MACHINE, BEST MACHINE』に収録された楽曲で、バンド結成20周年を記念して制作された。シンプルなロックサウンドのアレンジながら、ドラマチックに楽曲が進行するのが特徴。
好きなポイント
- ストーリテラーとしての田淵智也の存在感
- サビのメロディーの紡ぎ方
- エゴ少なめの、斎藤宏介の甘くも力強いボーカル
- 2番サビ終わりのDメロの大ボス感
9位:秋山黄色 「生まれてよかったと思うこと」
紹介
2024年9月25日にリリースされたアルバム『Good Night Mare』に収録された楽曲。アルバム収録曲であり、本編の後半に収録された楽曲であるため、アルバムのテーマとも強く結びついた印象を受ける。
好きなポイント
- 派手ではない。けど、細かく音を紡ぐ全体のアレンジ
- サビの中で、速やかに何度も声色を変えて、丁寧にフレーズを表現するところ
- 「絶望の朝」に入るまでの音の運び
- 「無意味と」のフレーズを歌うあたりの展開
8位:Omoinotake 「ラストノート」
紹介
2024年10月19日にリリースされた、日本テレビ系土曜ドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』の主題歌として書き下ろし。シリアスなメロディに展開されるミディアムテンポの楽曲。作詞は福島智朗、作曲は藤井怜央。
好きなポイント
- ファルセットと、それ以外のボーカルの移ろい方
- 鍵盤の音の支配の仕方で見事で、全体的にシリアス展開を生み出しているところ
- Aメロまでの、淡々としているけれど、ドラマチックに展開する音の運び
- 最後に最後のサビで最大の盛り上げを作る4分30秒の使い方の上手さ
7位:Official髭男dism 「Same Blue」
紹介
2024年10月2日に配信リリースされた楽曲で、レビアニメ『アオのハコ』のオープニングテーマとして書き下ろし。変拍子を取り入れた複雑なアレンジが施された楽曲で、青春の揺れ動く感情をビートの変化で表現した秀作。
好きなポイント
- この複雑なリズムワークでありながら、ポップスとして着地させる凄まじさ
- しかも、それが単に趣味性で終わらせず、歌詞の意味合いときちんとリンクさせているところ
- タイアップソングとしての解像度が高いからこそ、アーティストの<新しい>を切り開いていところ
- でも、難しいことを抜きにして、シンプルに楽曲の疾走感でもワクワクできるところ
6位:米津玄師 「Azalea」
紹介
2024年11月18日に配信限定シングルとしてリリースされた楽曲。Netflixシリーズ『さよならのつづき』の主題歌として書き下ろされ、共同編曲にはYaffleが参加。植物をモチーフにして描写を丁寧に行うからこそ、感情の奥深くも歌の中で表現している印象。
好きなポイント
- フレーズごとに繊細な眼差し
- その繊細のフレーズを、言葉以上に繊細に表現していくボーカルの揺らぎ
- マイドルさと優しさにさらに磨きがかかった米津玄師のボーカル
- 「君はアザレア」
5位:Enfants 「Kid Blue」
紹介
2024年7月31日にリリースされた3rd EP『D.』に収録された楽曲。作詞・作曲は松本大が手がけており、憂鬱な日常からの脱却や、夢を追い求める若者の心情を描いたような歌詞が印象的。Enfantsとしてのバンドのさらなる成熟も感じる。
好きなポイント
- 冒頭の一音目
- 松本大の毛布のようにほっとする、でもソリッドみもあるボーカル
- しっかり2番のサビ終わりで、ギターが主役の展開も作るところ
- 俺が好きなバンドって、こういう音を鳴らすバンドだったかもしれない、みたいな気持ちになるくらいの、バンドの音像
4位:ブランデー戦記 「Coming-of age Story」
紹介
2024年8月21日にリリースされた2nd EP『悪夢のような1週間』に収録された楽曲。作詞・作曲を蓮月が手掛け、十代の葛藤や成長の痛みを描いた歌詞が特徴的。そういうテーマを、こういうサウンドで響かせる痛快さもある。
好きなポイント
- 「焦っちゃダメだ」の後の、サビのブリッジで、ブリッジミュート炸裂のギターの音
- サウンドにはある種の剥き出し感があるのに、楽曲全体はどうしようもなく儚げな響きを放つところ
- 2番のサビ終わりのエッジの効いたギターが空間を支配するところ
- 俺が好きなバンドって、こういう音を鳴らすバンドだったかもしれない、みたいな気持ちになるくらいの、バンドの音像(この記事、2回目の発言)
2024年下半期個人的ベストソングランキング:3位〜1位
3位:Chevon 「銃電中」
紹介
2024年11月27日に配信リリースされた楽曲。キャッチーなメロディと共に、中毒的なリズムアプローチでゴリゴリに攻めるのが印象的で、あまりにもスリリング。アレンジには、村山☆潤も参加。
好きなポイント
- メロディーにこういう息吹を与えられるのか?という再発見感。
- 要は、どのフレーズもリズムが中毒的であるということ
- ロックバンドとしての立体的なアンサンブル
- 「A:まずまずですが、」のところ。そもそも、各所のQ&Aの歌詞のところのボーカルの表情
2位:GEMN, 中島健人 & キタニタツヤ「ファタール – Fatal」
紹介
GEMN(ジェム)は、中島健人とキタニタツヤによる音楽ユニット。テレビアニメ『【推しの子】』第2期のオープニングテーマとして起用された楽曲であり、作詞・作曲はキタニタツヤ、編曲にはGigaが参加。
好きなポイント
- 中毒性のあるリズムアプローチ
- リズムカルなのに、必要以上に速くなくて、意外と”歌”として聴きやすいところ
- 中島健人とキタニタツヤの相性の良さ。しかも二人の個性がしっかり出ている
- 聴いていると元気になる気持ちよさがあるところ
1位:CLAN QUEEN 「自白」
紹介
2024年8月7日に配信リリース。ダンスビート的なアプローチと、ロック色のあるサウンドの融合で、WARS iN CLOSETからCLAN QUEENのキャリアも含めて、バンドとして新境地になった感のある楽曲。作詞・作曲はギターのAOiが手がけている。
好きなポイント
-
- シンプルに、個人的に自分が一年を通してよく聴いていた楽曲のひとつ
- 壮大なアレンジで、音を耳に入れると、一気に「自白」の世界に引き摺り込まれるところ
- イントロ→Aメロ→Bメロ→サビで、異なるワクワクに招かれるところ
- 「逃げ出せ」のあとの流れとか、「快調です」のあとのハンドクラップとか。好きポイント多し
まとめに代えて
ということで、2024年下半期の個人的なベストソングとして下記20曲を選ばせていただきました。
1位:CLAN QUEEN 「自白」
2位:GEMN, 中島健人 & キタニタツヤ「ファタール – Fatal」
3位:Chevon 「銃電中」
4位:ブランデー戦記 「Coming-of age Story」
5位:Enfants 「Kid Blue」
6位:米津玄師 「Azalea」
7位:Official髭男dism 「Same Blue」
8位:Omoinotake 「ラストノート」
9位:秋山黄色 「生まれてよかったと思うこと」
10位:UNISON SQUARE GARDEN 「アナザーワールドエンド」
11位:フレデリック「CYAN」
12位:go!go!vanillas 「来来来」
13位:三浦大知 「心拍音」
14位:TOMOO 「エンドレス」
15位:Aooo「サラダボウル」
16位:カネヨリマサル 「ゆびきりげんまん」
17位:なきごと 「安酒にロマンス」
18位:ん・フェニ「SCREW IN MY HEAD」
19位:yummy’g「switch」
20位:Meg Bonus 「jet」
ランキングには入っていないけど、リピートした楽曲なんていくらでもあるんだけど、その中でもあえて自分の中でランキングをつけるとしたらということで、こういう形で紹介させてもらった。
自分と被っているなーという視点で見てもらうも良し、いやいやこの楽曲は入れないと!とダメ出しの観点でみてもらうも良し、2024年の音楽を振り返るひとつの切り口としてみてもらうも良し。色んな形で参照してもらえたら!
別記事で、もう少し総括的に2024年の音楽を振り返れたらなーなんてこともぼんやりと思っているので、もう少し今年もお付き合いしてもらえたらと思います!
では、今回はこの辺で!