Omoinotake「ラストノート」を聴いた結果についての告白

2024年、色んなアーティストやバンドが躍進を遂げているが、マイブームだけで考えると、外せないのがOmoinotakeだなーと思う。

いやね、Omoinotakeの音楽は、これまでもそれなりに聴いてきたんだけどね。

でも、2024年のOmoinotakeの音楽の輝き方、やっぱりちょっと違うと思うのだ。

そして、自分的にも刺さった作品が多かった。

まず、シーンに圧倒的な存在感を放ったのが、「幾億光年」だった。

今年のシーンの”顔”といえばCreepy Nutsの「Bling‐Bang‐Bang‐Born」とか、こっちのけんとの「はいよろこんで」とか、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」とか色々あるけれど、自分的には、10月末の今振り返っても、2024年のシーンの顔として、「幾億光年」の存在感が際立っている。

なお、EPのカップリング曲である「アクトレス」も良かった。

そして、次にリリースされたのが「蕾」。

これも、Omoinotakeの魅力がハッピーセットばりに詰まった煌めきのある楽曲である。

今年はポイントポイントで放つ楽曲の輝きが半端ない。

“飛躍の一年”とはまさにこのことだな・・・と思って10月に発表されたのが「ラストノート」だった。

まさか、また自分の好みに突き刺さるなんてことはないよな・・?

ないよな・・?

そんな変な不安に色付けされたドキドキをもって、「ラストノート」を聴いたんですよ・・・。

 

Omoinotakeの「ラストノート」の話

!?

のっけからファルセット、美声を響かせながら、美しい歌の世界を作る。

でも、いわゆる王道バラードっぽい出立ではなく、アレンジはどこかある種張り詰めた空気感がある感じ。

音の使い方とか、鳴っている音の種類とか。

聴き惚れる方向にぐいぐい舵を切るのかと思ったら、「おっと、目をつぶって歌の世界に埋没するのはちょっと待ってくれよ」と言わんばかりの、良い意味で緊張感が歌の展開やアレンジに忍ばせている心地を覚えるのだ。

実際、この歌、構成もメロディー展開もゴリゴリに変わる。

のっけからファルセットでいわゆるハイトーンでどーかんといったかと思えば、次のパートではちょっとトーンを下げた”大人のボーカル”で心を掴んでくる感じ。

・・・と思って、”大人のボーカル”にチューニングを合わせたタイミングで、再びファルセットを投下するような感じ。

野球で言えば、びっくりするほど真下に落ちるフォークボールを投げたと思ったら、突然催促155キロのストレートを高めいっぱいにお見舞いする感じ。

マユリカのポップでテンション高めのキャラクラー性漫才を見たあとに、THE GEESEのテクニカルな技巧派コントを目撃するような強烈な変化球。

「ラストノート」って美しいメロディーを聴かせるタイプの歌なのかなーと思ってメロパートを聴いていると、意外と打楽器のリズムの打ち方がこまかしい、鍵盤の旋律も独特の妖艶さをみにまとっていて面白い構成になっているのだ。

Bメロの展開においても、ボーカルの感じも、メロディーの飛び方も、サウンドの構成も、全て意表をつく一手で、不思議な魅力に包み込まれるのである。

サビ前着前のあのメロディーなによ??

もう、おしゃれというかなんというか。

螺旋階段を降りていくような、そんな気持ちの良さがあるのだ。

そして、冒頭のメロディーと同じメロディー構成の”サビ”がくるんだけど、その聴き心地もまったく違うのだ。

のっけのやつと1番のサビでやってくるやつ。

まったく聴き心地が違っていて、そこも魅力的なのだ。

サーモンといくらくらい違う。

根っこは”同じ”のはずなのに、まったく違う世界に誘う両者。

Omoinotakeが持っている武器が明確にあって、その武器自体が他の楽曲から大きく変わったわけではないはずなのに、まったく違う高揚感や感動を与えてくれるのが「ラストノート」の凄さ。

きっと「幾億光年」でOmoinotakeを聴いた人も地続きで堪能できる歌でありながら、でも、これまでとは違う場所に誘ってくれる音楽の世界。

あー、だからOmoinotakeの音楽にいつも惹かれるんだ。

そんなことを改めて感じた、そんな夜。

まとめに代えて

ちなみに僕は、レオのボーカルが怒涛のファルセットから、地声(という言い方で正しいのかはわからないが)に戻る瞬間の手触りが一番好きだったりする。

特にラスト30秒のサビの展開。

ここは特に強烈な魅力を解き放った展開だなーと感じる次第。

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