go!go!vanillasほど”評価”が乖離しているバンドもいないのでは?の考察
go!go!vanillasって、どんなイメージを持っていますか?
いやね、人によって意見は分かれると思う。特に、毎回ライブに行くファンの人と、フェスくらいでしかライブを観ない人とでは、その差はより大きいように思う。
フェスくらいでしかgo!go!vanillasを観ない人だと、フェスで盛り上げるのが上手い、ノリの良いバンド、くらいの捉え方をしているのかもなーと思う。
実際、go!go!vanillasはフェスの盛り上げ方が上手い。MCもスキがないし、リズムアプローチにワクワクする歌も多いから、そう言う評価なのも納得する
コールアンドレスポンスの流れも秀逸だし、オーディエンスを巻き込みながらライブを魅了する構成も見事なものだ。
でも、go!go!vanillasの魅力ってそれだけじゃないよなーとは思う。
もし「メジャーフェスによくいるタイプのバンドだよね」みたいな捉え方をしているとしたら、その”評価”は部分的には正しいけど、核心を突く内容なのか?と問われたらちょっと違うかもなーと思う自分がいるわけだ。
go!go!vanillasの音楽の進化って凄まじい
というのも、自分は近いタイミングでgo!go!vanillasのワンマンライブを観に行き、先日はREDLINEでgo!go!vanillasのライブを観て、改めてgo!go!vanillasの凄さを感じたからこそ、そんなことを思うわけだ。
ワンマンライブの場合、長尺でライブをするため、フェスではやらない楽曲もしっかりやるし、色んな面のgo!go!vanillasを披露するからこそ、フェスで感じるgo!go!vanillasは一面的だなーということを強く実感した
「エマ」や「平成ペイン」のようなgo!go!vanillasの代表曲ってカントリー感があって、異国の音楽のエッセンスを吸収しながらバニラズのロックって再構築している気持ちよさがある。
このビート感はバニラズの大きな魅力だ。
しかし、go!go!vanillasの楽曲って聴けば聴くほど、「こういうテイスト」の楽曲だけではないことに気づく。
「SHAKE」や「Leyline」のような最新曲はもちろんだし、アルバムの楽曲を聴いていくと、本当に色んなタイプのアプローチをしていることに気づく。
特にgo!go!vanillasの場合、海外の音楽も好きなんだろうなーということを強く実感するし、その好きな音楽もどんどんアップデートしている印象を受けるのだ。
この芳醇な深みに、go!go!vanillasの魅力って宿っているし、フェスだとなかなか実感しにくい魅力のひとつなのかなーと思う。
もっと言えば、go!go!vanillasって海外の音楽がきっと好きで、こんなこともやりたい!あんなこともやりたい!みたいなのが溢れているタイプのバンドだと思っている。でも、単純に音楽的な”オタク”度を深ぼるんじゃなくて、きちんとgo!go!vanillasとしてのユーモアだったり、様式美をきちんと意識した上で、色んなアプローチをするからこそ、ワンマンライブで観たときの広がりと芯のある多様性にぐっと惹かれることになるのだ。
フェスで人気のバンドってたくさんいるけど、10年くらい走り抜けていくと、どうしても新譜が似たり寄ったりのバンドも出てくる中で、go!go!vanillasは明確に何かを更新してくるし、好みはあるにせよ、次はこんなびっくり箱を開けさせてくれるなんて・・・の面白みがある。
これはメンバーがそれぞれどんどん色んな音楽をキャッチアップし、それを表現に落とし込みながら進化しているからこそ、であるように思う。
この辺りの進化具合は、go!go!vanillasを”評価”するうえで重要だと思っているんだけど、フェスだと定番曲も重視するからこそ、なかなかに見えづらい要素なんだろうなーなんてことを勝手に思うとともに、でも、そういう部分をたくさんの人が感じるからこそ、今なおたくさんのお客さんをフェスでもワンマンでも集客して、どんどん進化しているんだろうなーなんてことを思うわけである。
ちなみに最新アルバムの『Lab.』を聴くと、バニラズってこんなこともやるのか!すげえ!を体感できまくるアルバムになっている。
「クロスオオオード」や「Persona」はイントロのギターの時点で渋さを炸裂していて、なんだかニヤリとしてしまうし、「HIBITANTNA」のキレることなく広がっていくグルーヴは何日も煮込んだカレーのように味わい深さを放っている。
しかも、音のこだわりぐえぐい。
単純に曲が良いとかだけじゃなくて、収音することとか、それをどうミックスするのかみたいなところまでちゃんとこだわり抜いて作っている感を聴いていて感じるからこそ、奥の奥まで引き込まれる心地がするのだ。
こういう曲を聴くと、ライブの楽しさみたいな部分もgo!go!vanillasの魅力だけど、それ以外の要素もすげえんだなということを強く実感することになる。
アフェーだからこそ感じるロックの魂
あと、REDLINEのライブも良かった。
REDLINEはラウドとかメタルとかパンクにルーツを持ちバンドの出演が多かったため、go!go!vanillasのロックはその日のカラーとは少し異なっているようにも感じる一日だった。
言ってしまえば、アフェーになる可能性だって全然ある一日だった。
でも、go!go!vanillasのライブはそういうイベントでも輝いていたし、核となるロック性の部分は普段からぶれていないからこそ、ラウド色が強いイベントでも、ライブの熱量は凄まじかった。
別に大きく普段のフェスと違った、みたいなわけではなかった気がするんだけど、というかだからこそ、go!go!vanillasのライブって、常にロックのジャンル性が変わっても、にぶらない安定感を持ち合わせたバンドでもあるんだなーと痛感するのだった。
きっとこの日、go!go!vanillasのライブを目撃した人の多くが、そういうgo!go!vanillas のライブの凄さを体感したんじゃないかと思う。
これもまた、go!go!vanillasってさまざまな音楽を吸収しており、色んなカルチャーの空気を吸い込んだバンドだからこその境地なのかなーと感じた次第。
まとめに替えて
ってことを考えたとき、もしバニラズって”フェスでよくいるバンド”くらいの評価をしている人がいるのだとしたら、いやいやいやそれは一面的な評価だぜ?ということを強く言葉にしたいなーと勝手ながらに思った結果、予定もなくこんな記事を書いてしまった次第。
かくいう自分が、今めちゃくちゃにgo!go!vanillasにハマっていて、改めてアルバムをしっかり聞き直していたりする次第。
やっぱりかっこいいバンドは、ずっとかっこいい。
そんな当たり前のことを改めて感じた、そんな夜。