個人的平成ベストソング10(男性ソロアーティスト限定)
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某番組で「平成ベストソング」を紹介していたので、あやかって自分も平成のベストソングを紹介したい。
とはいえ、全アーティストからの選出・・・となると、ちょっと骨が折れる。
そこで、この記事では「男性ソロアーティスト」に縛って、自分の中でのベストソングを考えてみたい。
なお、「男性ソロアーティスト」と銘打っているが、畑違いのアーティストだとしても、ソロで活動している人ならOKにして選んでみたい。
リアルタイムで音楽を聴き始めたのが、平成の中盤くらいになってからなので、メディアで取り上げるような網羅性はないけれど、「自分、この歌、めっちゃ聴いてたし、今も好きだなあ」というテンションの楽曲を取り上げてみたいと思う。
なお、平成は1989年1月8日 – 2019年4月30日なので、その期間で発表された楽曲から選出する。
また、なるべくたくさんのアーティストを紹介したいので、一アーティスト一曲までの選出とする。
それでは、どうぞ。
本編
米津玄師 「Lemon」 2018年
まずは、平成最後の大ヒット曲である米津玄師の「Lemon」から。
ぶっちゃけ米津玄師の場合、「Lemon」以外にも「ゴーゴー幽霊船」とか「アイネクライネ」とか「灰色と青」とか、とにかく名曲が多い。
なので、一曲に絞って決めるのはけっこう大変なんだけど、「平成のベストソング」という大風呂敷で一曲を選ぶなら、自分はやはり「Lemon」かなーと思う。
YouTube上では7億を超える再生数だけでもその凄さを物語っているが、声をサンプリングしてサウンドとして取り入れたセンスや、ポップでありながらアーティスト性を研ぎ澄まされた音色や言葉選びなど、聴きどころが多いのも特徴で。
歌詞のテンションと、歌声の表情のリンク性もあるし、物語性のある歌詞への惹き込まれ方も凄いし、名曲たりえる要素しかない楽曲だと思う。
星野源 「SUN」 2015年
星野源といえば、「恋」をイメージする人もいるかもだが、個人的にはこの歌を推したい。
10年代の音楽シーンをたどってみると、高速4つ打ちが圧倒的存在感をたどっていた時期から、ブラックミュージックのエッセンスを持った音楽やシティーポップ的な装いの音楽が話題を勝ち取っていくような変遷が見て取れる。
ポイントなのは、大衆的に”ウケる”音楽のリズムのあり方が変わったということ。
そのリズムのチェンジが行われたうえで、星野源の「SUN」が与えた影響も大きいと思っている。
・・・というようなことを自分が勝手に思っていることもあって、この歌がとても好きなのだ。
また、単純に星野源の音楽性ががらっと変わったのも「SUN」の印象が強く、サブカル的立ち位置だった星野源がメインストリームに躍り出る上でも大きな影響を与えた歌のように思う。
この曲が収録されている『YELLOW DANCER』もまた、平成を代表する名盤だと思っている。
奥田民生 「息子」 1995年
※公式の動画はなし
奥田民生も名曲が多いアーティストだ。
「愛のために」や「さすらい」、「イージュー☆ライダー」はその中でも知名度の高い楽曲だ。
そんな数ある奥田民生のライブラリの中でも、個人的に一番好きなのが「息子」なのだ。
このメロディーライン、歌詞の温度感、楽曲から全体から漂う何とも言えない感動の雰囲気は奥田民生だからこそだよなーと聴くたびに思う。
また、バンドサウンドでも弾き語りでも魅力が変わらない楽曲であることもこの歌の凄さを物がっているように思う。(とはいえ、自分は斉藤和義のカバーでしか、この歌を生で聴いたことがないのだけども)。
七尾旅人 「サーカスナイト」 2012年
4曲目に選出したのは、七尾旅人の名曲である「サーカスナイト」。
時代を越えても色褪せない名曲というのは、こういう歌を指すのではないかと勝手なことを思う自分。
切ない歌詞ながらも、楽曲全体は不思議と温かみがある。
サウンドのひとつひとつが丁寧に響き、優しい歌声でメロディーを彩るからこその聴き心地である。
KOHH 「飛行機」 2014年
自分のラップミュージック(という言い方が正しいのかはわからないが)の価値観をぐっと変えた一曲。
ラップってこういうかっこよさ、こういう感動を与える歌もあるんだと感じたのだった。
ただ、韻を踏んだり、リズミカルにフロウを繰り出すだけがラップの全てじゃなくて。
しっかりと言葉が組み立てられた日本語でフロウするからこそのビート感もあるんだということを「飛行機」をはじめたとしたKOHHの楽曲で感じたのだった。
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小沢健二 「ぼくらが旅に出る理由」 1996年
今聴き直しても、不思議な手触りの音色。
そして、美しいフレーズで構築された詩的な歌詞がとにかく素晴らしくて。
小沢健二に関しては、自分は完全に後追いで聴いた人間。
・・・なんだけど、当時の空気がわからなくても、一聴するだけで実感する作家性にゾクゾクさせられる。
そんな一曲。
ENDLICHERI☆ENDLICHERI 「ソメイヨシノ」 2006年
堂本剛の名義だと「街」が好きなんだけど、「ソメイヨシノ」は最近サブスクで配信されなおして聴いていて、改めてぐっときた一曲。
景色を重ねながら心象を丁寧に描く言葉選び、切ない歌詞を艷やかな歌声で表現していく技術力。
ふたつが美しく交わることで、無二性のある世界観を生み出している。
ENDLICHERI☆ENDLICHERIとしてはデビュー曲となるが、この段階で明確に「美」としているものが確固としているのが印象的。
リリースから時間が経ってもなお、楽曲が持つ美しさが色褪せていないことを実感する。
「思い出は億千万」 2007年
※公式の動画はなし
「思い出は億千万」 は、ファミコンソフト『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』のワイリーステージのBGM「Dr.WILY STAGE 1」に誰かが歌詞をつけたものである。(確か、未だに歌詞をつけた人は不明だったはず)
なお、当時は色んな人がこの歌を歌ったんだけど、個人的に一番印象に残っているのがゴムverだった。(ということで、男性ソロアーティストの並びにねじ込んで紹介してみた)
匿名の不特定多数によって楽曲が完成に近づくというのが、当時のネット(ニコニコ動画)らしさを物語っている(ここからボカロPの登場により、固有性のアーティスト・クリエイターが登場する流れとなるんだけども)。
話をこの歌に戻すと、昔の思い出を歌ったこの歌そのものが、今では<あの頃の思い出>になっていることがとにかくエモくて、当時よりもより一層歌詞が刺さってしまう次第。
また、ゴムのオクターブを超越していく張り裂けんばかりのボーカルが、この歌詞の持っているエモさを際立たせることになって、ぐっとくる。
和田光司 「Butter-Fly」 1999年
※公式の動画はなし
テレビアニメ『デジモンアドベンチャー』オープニングテーマ.
ぶっちゃけアニメ的にはそんなにデジモンって印象がないんだけど、この歌のとにかく自分の青春感が強い。
耳馴染みの強いメロディーライン。
同世代でカラオケに行けば、エグいくらいに盛り上がるキラーチューン具合。
今でも不滅のお気に入り楽曲である。
三浦大知 「飛行船」 2018年
最後に選出したのは、三浦大知の「飛行船」。
三浦大知とNao’ymtによるコンセプチュアルプロジェクト「球体」のアルバムに収録されている楽曲。
自分的にはもっと音楽メディアで取り上げられても良い楽曲だと思っていて、様々な音楽が生み出された日本のポップシーンにおいても、新たな風を巻き起こした一曲だと思う。
ダンスミュージックとしての下地がありながらも、単に<リズム>で魅了する音楽になっておらず、日本語の美しさが際立った言葉選びが炸裂している。
サウンドにおいても、打ち込みが存在感を示すかと思えば、和のテイストを絶妙なタイミングで放り込んだり、哀愁感が漂う雰囲気になったかと思えば、ボーカルレスなパートではアグレッシブな展開をみせたりする。
三浦大知のポテンシャルを活かしながらも、音楽的な見せ所が多々ある楽曲なのが、とにかく良い。
よくこういうベストソングを紹介する場合、その楽曲の代わりになる曲があるかどうか、という視座で語ることも多いが、リリースから4年が経とうとしている今でも「飛行船」と同じような<美しさ>を至高・実現した楽曲って、ないように思う。(あえて言うとしたら、三浦大知の楽曲ということになる)
・・・ということを考えても、この歌の名曲たる所以が明示されている。
そんな風に思うのである。
まとめ
冷静に平成の楽曲すべてを振り返ると、あれも入れてないこれも入れてないが連発するのだとは思う。
ただ、今このテーマで楽曲を選ぶなら、の視座で自分の好きな楽曲、自分の音楽史観に大きな影響を与えた楽曲を並べてみた次第。
よかったらご自身の平成ベストソングも考えながら、ラインナップの参考にしてもらえたら嬉しい。
それでは、今回はこの辺で。
ではではでは。
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