個人的2022年上半期ベストソング12
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自分はわりと個々が選ぶベストソングを見るのが、好きだ。
なぜなら、その人の「好き」のポイントが見えてくるからだ。
本来、音楽なんて順位をつけるようなものじゃないんだから、<ベスト>を選ぶなんて野暮だという人もいる。
が、自分はそういうことは思わない。
だって、間違いなく、どんな人にだって好みがあって、「こういう音楽が良い」の美学があるわけで、それを示すうえでの<ベストソング>なら、自分はどんどん話したらいいと思うからだ。
ただ一方で、投票性で決めるベストソングは、数の暴力で勝ってしまうし、結果、誰かの美学よりも万人受けが際立ってしまって面白くないと思っているので、そういうものにはあまり魅力を感じていなかったりするんだけどね。
・・・ということを念頭においたうえで、自分も改めて2022年のベストソングを選んでみた。
自分が特に好きだと思った楽曲をひとつひとつ選んでみた次第だ。
もちろん、1月に発表されたものと6月に発表されたものとでは捉え方が変わってしまうため、どうしても<公平的>ではいられないんだけど、そういう<差>も含めて、ふむふふむむ・・・・と読んでもらえたら嬉しい限り。
なお、今回のベストソングは、いわゆるアルバム曲をのぞき、シングル曲かMVがあるものから選出させてもらった。
それでは、どうぞ。
本編
ナードマグネット 「YOUR NEW FAVORITE BAND」
まず、一曲目に選出したのは、ナードマグネットの『アイム・スティル・ヒア』のリード曲のこの歌。
ナードマグネットって、俺たちが好きな音楽はこれだ!みたいなものを全面に出しながら音を鳴らしていて、それが良いなあと思っている。
「YOUR NEW FAVORITE BAND」でも、そういう類の眩しさを自分は感じ、惹かれたのだった。
真っ直ぐな想いを、こういうテイストの歌詞で紡ぎつつ、でっかい音でぶちかます感じにヒリヒリしてしまう自分。
自分もそれなりに歳を重ねて、ついついナナメに構えながら音楽を聴いてしまうこともあるんだけど、少し立ち位置を戻して、改めてバンドって良いなあという気持ちにさせてくれる、そんな衝動がこの楽曲にはあるのだ。
MVのユーモア感も絶妙で、「陽キャマグネット」が色んな意味でツボになる仕上がり。
ASIAN KUNG-FU GENERATION 「You To You (feat. ROTH BART BARON)」
演奏がカッコいいバンドってたくさんいる。
テクニカルなアプローチだったり、緻密なバンドアンサンブルだったりで魅了する、そんなバンドたちだ。
でも、アジカンにおける演奏のかっこよさって、そういうものとはまたちょっと違うなあと思っていて。
あえて言葉にするなら、サウンドの色合いそのものがかっこいいバンドなのだ、自分的に。
ギターがじゃらーんとストロークした際の、そのストロークの音色そのものがかっこいい、そういうバンドなのだ、自分にとって今のアジカンは。
「「You To You」は、そういうアジカンだからこそのかっこよさと心地よさが凝縮されている。
ROTH BART BARONとのタッグも素晴らしい一曲。
羊文学 「光るとき」
羊文学史上、言葉がすっと入ってきた歌である「光るとき」。
アニメ主題歌のタイアップということもあって、羊文学のポップな一面が際立ったからこその聴き心地でもあるんだけど、単にポップに傾倒するんじゃなくて、透明かつ重厚なサウンドで魅了する感じが良い。
変に外部の音を盛り込むんじゃなくて、根本はバンドとしてのいつもの羊文学で勝負しているのが良い、というか。
儚さがありつつ、エネルギーにも満ちた不思議な聴き心地も魅力のひとつ。
CVLTE 「run.」
CVLTEもまた、他のバンドにはないかっこよさを感じるバンドである。
特定のジャンルで示すのは憚れるような<ポスト>感のあるサウンドと手触り。
重厚な音の響きなんだけど、細部にもこだわった丁寧さもあって、独特の心地にいざなってくれるのだ。
また、「run.」は、サビで一気に視界が開けて、楽曲が壮大になっていく流れにもぐっときてしまう。
バンドシーンに新たな旋風を巻き起こす予感しかしないのが、たまらない。
ズカイ 「酸素」
わりと上半期、ずっとリピートしていた一曲。
メロディーの洗練具合と、微妙にひねくれてそうな眼差しに惹き込まれてしまうのだ。
あと、優しさを感じさせる雰囲気なのに、サウンドはゴリゴリっぽそうな空気感も良い。
テイストや方向性は違うんだけど、なぜか自分的にはスピッツの「スピカ」に初めて出会ったときの心地に似ていて。
キラメキに世界にいたわけじゃない人が描く、キラメキの世界観がツボるというか(すごい変な言い回しだし、何の根拠もない言葉だけど)。
なんにしても、好きな一曲。
Omoinotake 「心音」
毎回、良い歌を歌うなーOmoinotakeは〜と思いながら楽曲を聴くんだけど、「心音」は自分のツボにぐさりと刺さったナンバーだった。
しっとりとしたメロパート→ホーンセクションが印象的なゴージャスなサビにいく感じが、好きなのかもしれない。
あと、「二つの心で 一つの未来を選ぼう」のフレーズの、連符しまくるメロディーラインが、自分はすごく好きで。
言ってしまえば、メロディーに対する言葉の乗り方が好きだからこそ、より深く、この歌が<刺さった>のかもしれない。
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星野源 「喜劇」
この歌で、特に好きなのは、歌詞。
星野源の眼差しだからこその切り取りや言葉選びが炸裂していて、言葉の世界に惹き込まれていくのだ。
というか、こういうテイストのアレンジに、こういうテイストの歌詞だからぐっとくる、と言ってもいいのかもしれない。
素朴かつ音数少なめのアレンジだからこそ、<生活>みたいなキーワードの歌が映えてくる、というか。
<喜劇>というタイトル含めて、言葉の重ね方が秀逸だよなと、つくづく思う。
三浦大知 「Le Penseur」
今年の三浦大知のベストソングであれば、「燦燦」を選ぶ人も多いと思う。
でも、自分の好みは断然に「Le Penseur」。
哲学的な歌詞と、複雑性に満ちた言葉を丁寧に表現に落とし込むダンスの流れ。
三浦大知<だからこそ>が詰まりまくった一連の流れに、ぐっとこないわけがない。
なお、この歌の<言葉>が際立つ三浦大知のボーカリストとしての表現があるからこそ、
聴き直すたびに、そのことを強く思う。
藤井 風 「まつり」
アルバムのリード曲であり、圧倒的な魅力を解き放っている「まつり」。
不思議な色合いで独創的なはずなのだ。
でも、不思議とポップでキャッチーなラインに落ち着いている辺りに、藤井風の凄さを感じる。
というよりも、良い意味で藤井風の個性が耳に馴染んできたのかもしれない。
和のテイストや、祭りっぽい雰囲気をのぞかせつつ、軽やかにメロディーをのりこなす藤井風の歌声にただただ酔いしれる次第。
Awich 「Queendom」
一発のパンチ力が凄い歌。
正面から向き合ったら、言葉が生み出す物語と意志の強さに卒倒されてしまう心地がある。
実話を言葉に落とし込み、生き様が<ストーリー>になってしまうAwichだからこその迫力と、切実さ。
この歌が幕開けとなったAwichの日本武道館公演(実際に開催された)を想像すると、よりその鳥肌が半端ないことになる。
SiM 「The Rumbling」
方向性は違うが、パンチ力の凄さでいえば、この歌も圧倒的だなーと思うのが、SiMの「The Rumbling」。
重厚かつ攻撃的なサウンドで展開するSiMのロックのエッセンス。
メロパートの切れ味が鋭い分、サビになってモードが切り替わる流れにぐっときてしまう。
色んな意味で、『進撃の巨人』の主題歌であることに納得の一曲。
My Hair is Bad 「歓声をさがして」
ラストに選出するのは、この歌。
自分は、この歌もすごく好きで何度もリピートしたのだった。
疾走感のメロディーの乗りこなし方も良いんだけど、メッセージの温度感に、不思議とマイヘア史上、一番自分はぐっときたのである。
言葉が強くて、エモーショナル感に定評があるマイヘアだからだとは思うんだけど、今のマイヘアだからこそ、を自分はすごく感じて。
成熟していくバンドの中に宿る何かに影響されて、よりフレーズのひとつひとつにぐっときてしまったのだった。
なので、自分的には絶対にベストソングに外せない一曲になったのだった。
まとめ
ナードマグネット 「YOUR NEW FAVORITE BAND」
ASIAN KUNG-FU GENERATION 「You To You (feat. ROTH BART BARON)」
羊文学 「光るとき」
CVLTE 「run.」
ズカイ 「酸素」
Omoinotake 「心音」
星野源 「喜劇」
三浦大知 「Le Penseur」
藤井 風 「まつり」
Awich 「Queendom」
SiM 「The Rumbling」
My Hair is Bad 「歓声をさがして」
というわけで、個人的2022年上半期ベストソング12、なのでした。
メジャーかどうかとか、ジャンルがどうとか、は(間接的な影響は受けつつも)脇において、自分がこの上半期の中で特に好きだと思った楽曲を選びました。
もちろん、あの歌も入れたかった、この歌も入れるか悩んだんだけどなあ、はたくさんある。
でも、その中でも、今の自分が選ぶならこれだ、で12曲に絞りました。
愛が溢れた結果、ベストソングを100曲くらいを選ぶ人(メディア)もある。
でも、自分的にはベストソングの数は、プレイリストで一日に聴けるボリュームに絞った方がいいと思っているので、このブログではこういう形にさせてもらいました。
まあ、何かの参考にしてもらえたら嬉しい限り。
では、今回はこの辺で。
ではではでは。
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