前説

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音楽の文章において「エモい」という言葉を使うと、色々と論争を生むので、厄介な単語ではあるんだけど、この記事ではあえて使ってみる。

ジャンルとしての「エモ」ではなく、古典で言うところの「あはれなり」くらいのニュアンスでエモという単語を使っていると思ってもらえると幸いである。

それでは、早速みてみよう。

本編

BLUE ENCOUNT

けっこう荒々しいサウンドではある。

だが、その裏側にあるのは、妙に涙腺を追撃する泣きが入っている。

BLUE ENCOUNTの音楽には、そういう不思議な魅力が詰まっている。

理由は、やっぱりメロディーにのっている言葉が強いからだと思う。

とともに、人懐っこいメロディーがその言葉をより刺さる形に進化させてくるのだ。

シンプルなギターロックをよりテクニカルに進化せたBLUE ENCOUNTだからこその音楽である。

My Hair is Bad

時として、それは粗暴な言葉なのである。

でも、My Hair is Badの音楽は、その率直さが武器になっているし、率直だからこそ胸に刺さる。

気に入られるために音楽をやっているんじゃなくて、言いたい言葉を歌詞にしている感じが伝わるというか。

そして、その言いたいことに対して手加減をせずに表現をしていく感じ。

その結果、その歌は涙腺を追撃してくることになる。

TETORA

乾いたギター音とハスキーボイス。

TETORAの音楽の魅力のひとつだと思うが、いかにも「ロックバンド」って感じの音が胸に刺さるのだ。

繊細のアルペジオでぽろんぽろんとして、エモい言葉を歌うのがこんなにも似合うバンド、そうはいないと思う。

こういうバンドを聴いていると、ロックをかっこよくするのに小道具は必要ないんだなーと改めて思う。

kobore

イントロの段階で、これはやばいことになるよなーって歌ってあると思う。

koboreの歌って、そういうイントロの段階でゾクゾクさせる歌が多い。

決してテクニカルなギターフレーズを弾いているわけではないんだけど、音の作り込みとか、バンドの音の重なり方とか、そういう化学反応がとんでもないものを生み出す予感を生み出してくれるのである。

あと、ハイトーンに突き抜けた歌声も胸を突き刺してきて、痺れていく。

Hakubi

泣かせる楽曲の進行。

でも、まったくリズムはベタじゃなくて変化球をそっと投げ込む。

王道とひねくれのバランスのとり方が絶妙で、他のバンドとはまたひとつ違う刺さり方をしてくれる

最近発表された「ハジマリ」という歌がとても良かったので、ぜひそちらも聴いてみてほしい。

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Organic Call

ギターの音が透明で、混じりけのないものを感じる。

また、ギターの爽やかさに対してボーカルがどっしりとしていて、そのギャップが涙腺をつんざくのだ。

というか、サウンドのドラマチックさがずば抜けているから、音楽が心の中にすっと入ってくるのだと思う。

Organic Callは、ドラムのタムの使い方が個人的にはツボ。

osage

ギターロックが持つ切なさパラメータの五角形がとても大きいバンド。

音色、歌詞のテイスト、声の雰囲気、メロディーライン。

その全てが涙腺を追撃する要素を持っている。

こういうメロディーラインをこういうサウンドで、こう歌われたらそりゃあやられちまうっていう感触。

KALMA

自分がどこかに置き忘れてきた青春を思い起こさせてくれるようなサウンド。

ストレートにロックサウンドを響かせる迷いのなさにぐっとくる。

サビではメンバーのコーラスが加わって勢いを増していく感じが、青春ロックバンドって感じで、ぐっとくる。

でも、青春性は強いけれど、妙なうるささがなくて、するっと聴けるところも凄い。

This is LAST

ギターロックって技法の面だけみると、そこまで差がなかったりする。

コードパターンやギターの奏法だって、そこまで抜本的なパターンがあるわけではないから。

その中で明確な個性を生み出すとなると、楽譜にすれば「同じ」ものでもまったく違う世界観を生み出すところにあると思う。

This is LASTの音楽は、そういう明らかに何かが違うものを音から感じるのである。

だからこそ、刺さるし、ぐっとくる。

次の新譜が今もっとも楽しみなバンドのひとつ。

グッドモーニングアメリカ

過去のバンド、と思っている人もいるかもしれないけれど、今でも昔の曲を聴けば、あの頃の景色がばっと蘇る。

グッドモーニングアメリカの音楽には、そういう力がある。

なぜ音を聴けば景色が見えるかといえば、あの頃にグドモの音楽に涙腺を追撃されたからだ。

「空ばかり見ていた」の「おー」と叫ぶ歌詞のないメロディーの部分を聴くと、今でもこみ上げるものがある。

確かに芸達者なバンドではないけれど、だからこそ音楽の持つ真っ直ぐさがどこまでも突き刺さるのである。

キュウソネコカミ

「エモい」という言葉がいいのは、その音楽の上手さを指す言葉ではないところだと思う。

下手でも心にぐっときたら「エモい」わけだ。

音楽って上手い下手ではない。

刺さるか刺さらないかなわけだ。

キュウソネコカミの音楽って、別に技術で魅了するタイプの音楽ではない。

でも、技術以外の部分で突き刺してくるものがある。

それはユーモアだったり、自虐的な要素だったり、熱さだったりと色々なんだけど、その独特のまじり方がキュウソの音楽を唯一無二のエモさに押し上げるのだ。

まとめ

というわけで、涙腺を追撃してくるエモみのあるギターロックなバンド特集、なのでした。

あのバンドがいない、このバンドがいないは色々あると思うけれど、何かの参考にしてもらえたら嬉しい限り。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。

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