2025年8月の個人的におすすめしたい”若手”バンド・アーティスト特集
定期的に”若手”バンドやアーティストを紹介する記事を書いているので、久しぶりにこのての記事を更新したいと思う。
なお、「若手」という言葉は恣意的に運用できるし、自分も恣意的に使っていることがあるので、””にくくって紹介する。この人は、若手というよりは・・・というものが混じっていたとしても御愛嬌願う。
それでは、どうぞ。
夢幻泡影
夢幻泡影(むげんほうよう)は、2024年に結成された京都出身のオルタナティブロックバンド。
シンプルにサウンドとか世界観に触れたとき、「あ、俺の好みだ」という感覚があった。
ポストロックやシューゲイザーを想起させる儚くも力強いサウンドが特色で、空間系ギターの響きとエモーショナルなボーカルが好みの人は、きっとぐさりと刺さると思う。
「無重力」はそんな夢幻泡影の魅力がストレートに形になった楽曲のひとつ。
爆音的なエネルギーをもっていて、丁寧に繊細に美を描くバランス感が絶妙。
カタメツムリ
2024年結成。キャリア的にこれからの部分があるが、すでにバンドの個性は多様的。
「曖昧」はどちらかというと、ポップ色が強くてカラフルな色合いが強いが、2025年8月にリリースされた「終を待って」は豪快なベースのスラップが印象的な激しいナンバー。
「踊ってナイト」も疾走感を持ちながら、己のアンサンブルを響かせる痛快さがある。
楽曲によって色んな個性を行き来しており、その中でもボーカルの凛とした歌声が印象に残って絶賛気になるバンドになっている次第。
Yet low Light
Yet low Light(イエット・ロウ・ライト)は、2019年9月6日に埼玉県・北浦和Ayresで始動したロックバンド。「まだ微かな光」を意味するバンド名には、希望や前向きな意志が込められているのだとか。
パンキッシュなサウンドと、ストレートなメロディーはすかっとした気持ちよさを解き放っている。
個性やバンドが持つジャンル性は明快だからこそ、刺さる人にはどこまでも深く刺さる潔さがある印象。
なお、自分は音楽をディグっている間に、ふとこのサウンドが耳に入って、まっすぐな気持ちよさにぐっと心を惹かれた次第。
フー・ドゥ・ユー・ラブ
2021年夏に結成された東京発のスリーピースロックバンド。メンバーは村上貴一(Vo/Ba、元キイチビール&ザ・ホーリーティッツ)、岩出拓十郎(Vo/Gt)、樋口拓美(Dr/Cho/ともに本日休演)という実力派揃いの編成。
衝動的なロックのエッセンスと熟達したアンサンブルの重なり合いが絶妙。
結果、どこか懐かしさを解き放ちながらも、今の流行りの音楽にはない刺激に満ちた高揚感を与えてくれる。
バンドアンサンブルから迸る渋さと刺激がほしいというリスナーは、ぜひ聴いてほしいバンド。
ハシリコミーズ
ハシリコミーズは、2019年に結成された男女混合の3人組バンド。
オルタナティブロックや、レゲエ、ソウル、フォークなど多彩な音楽的ルーツを感じさせるサウンドメイク。
複数のルーツをしっかり掘ったうえで、それを美しく混ぜ合わせて、ことこと煮込んだような気持ちよさがサウンドに溢れている。
自由に音楽に身を任せながら、揺れるような楽しめる余白が音楽にあって、聴いているだけでなんだか朗らかな気分になれる。
ざらばんし
京都を拠点に活動する現役大学生のソロアーティスト。
作詞作曲から編曲、そしてレコーディングまでをすべて一人で手がけ、宅録ギターロックというDIYスタイルで制作している、とのこと。
90年代以降の良い意味でざらざら感を覚えるギターロックをルーツにしたような感じがあって、DIYスタイルながら、ロック的な生感がどの歌にも宿っている。
内面にスポットを当てた歌や、繊細な感情を誠実に言葉にしたような楽曲が多く、ロックのフィールドに新たな可能性を生み出しそうな、そんな予感をひしひしと感じている。
お風呂と街灯
大阪に拠点を置く現役大学生のソロアーティスト。
ピアノを軸とした明るく優しいサウンドと、日々の心の機微や葛藤を綴る歌詞が大きな魅力。
新曲となる「ある日の哲学」でも、鍵盤の音色がベースになったキャッチーなサウンドと、鋭い眼差しで丁寧に想いを言葉にしていくフレーズの数々が魅力。
さらに、メロディーに言葉をのせるボーカルの柔軟さも魅力的で、歌としての広がりを強く感じさせてくれる。
ローライラック
ローライラックは、2022年に結成されたエレクトリックロックバンド。
このバンドについては、まずは楽曲をひとつ聴いてほしい。
刺さる人には絶対的に刺さるジャンル性にあふれているから。
「夏顔」においても洗練されたバンドアンサンブル、統一感のある音の運び、澄み切ったボーカルの存在感、歌謡曲的なエッセンスも散りばめられたメロディーラインと、宝石のように輝くエッセンスが散りばめられている。
奏人心
奏人心は福岡を拠点とするロックバンド。
「風がゆく若色の街」というEPを聴いたんだけど、その音楽体験が他のバンドにはないもので面白くて、ここに紹介してみた。
ボーカルの表情や雰囲気も独特で、「こういう味の音である」と安易に表現できない面白さがある。
ただ全体的にごりっとした感じはあって、野菜がでかいカレーライスのような装いもある。
ヴェロニカにさよなら。
2023年に岡山で結成された4人組ロックバンド。
「残り香」という新曲を聴いたんだけど、これが良くて今回の記事の最後の紹介とすることにした。
透明感のあるボーカルと、余韻が残るような幻想的なバンドサウンド。
歌ものとしてのメロディーの洗練具合も絶妙で、幻想的な歌の世界を作り上げる。そんな心地。
まとめに替えて
ということで、下記の10組を紹介した。
夢幻泡影
カタメツムリ
Yet low Light
フー・ドゥ・ユー・ラブ
ハシリコミーズ
ざらばんし
お風呂と街灯
ローライラック
奏人心
ヴェロニカにさよなら。
自分の独断と偏見で勝手におすすめさせてもらったが、どのバンド・アーティストも独自の世界観があって、ワクワクするという点では通じていると思うので、よかったら聴いてみてほしい。
では今回はこの辺で。