前説

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タイトルにもあるとおり、バンドのよくあるパートとして挙げれられるのがギター、ベース、ドラム、キーボード(シンセサイザー)、あるいはDJだと思われる。

パッと想像してもらっても、多くのバンドはこのカテゴリーに入るのではないだろうか。

そこで、この記事では、それ以外のパートがいるバンドを取り上げて紹介してみたいと思う。

本編

BIGMAMA

上記以外のパートがいるバンドとして、真っ先にこのバンドが思い浮かんだという人も多いのではないだろうか?

そう。

このバンドには、ヴァイオリンがいるのだ。

ヴァイオリンのパートが固定のパートにいるバンドが珍しいと思う。

そして、BIGMAMAの多くの楽曲は、ヴァイオリンの音をバンドのサウンドに巧みに調合している。

音の役割としてはギターと被りそうなものだが、BIGMAMAの場合、巧みに役割を振り分けることで、ギターの存在感も示しつつ、ヴァイオリンの音にも存在感を与える。

音の効果としては、ヴァイオリンがいることでよりドラマチックになることが多いのかなーと思う。

音に引き締まりが出てくるというか。

HEY-SMITH

ヘイスミはトランペットやサックスという管楽器のパートがメンバーにいるバンドだ。

ロックのジャンルにおいて、「スカ」をやるバンドはメンバー内に管楽器のパートがいることも多い。

とはいえ、同じ「スカ」であっても、バンドごとのアプローチは違う。

簡単に言えば、スカの音でジャズっぽい音を生み出し、そこにバンドサウンドを調合させるバンドもいれば、パンクロックのサウンドにスカのサウンドを混ぜていくタイプもいる。

ヘイスミはパンクロックなテイストに、ホーンセクションを加えたような音を鳴らすバンドである。

くるり

さて、ヘイスミに続き、ここからスカパラやKEMURIのようなスカバンドをたくさん挙げたら記事が埋まっていくので執筆はわりと楽なのだが、それだとあんまり面白くないので、一旦いわゆるスカバンドから離れてみたいと思う。

そこで、次に挙げたいのが、トランペットという管楽器がバンドメンバーにいるのに、スカバンドという立ち位置になっていないようなバンドなのである。

そう。

くるりである。

くるりの場合、メンバーの変更が多かったこと、元々はまったく違う音楽性で初期のパートにはトランペットがいなかったこともあり、他のトランペットのいるバンドとはサウンドの立ち位置が大きく違う。

そもそもバンド内にトランペットが入ることになったのだって、当初の意図をしないものだったらしいし。

でも、結果としてくるりはトランペットのメンバーがバンド内に在籍するようになった。

そして、トランペットの音も踏まえた楽曲を作るようになっている。

まあ、最近のくるりはバンドというよりもオーケストラ的というか、音楽隊的なサウンドを鳴らすようにもなっていたりするんだけど。

なんにせよ、サウンドのカテゴリーが定まらないバンドになっている。

そういう面白さがある。

Dragon Ash

メンバーにダンサーがいる稀有なバンド。

あくまでもダンサーのため、音の部分での差別化にはならないわけだが、ロックバンドのパフォーマンスとしてみたとき、ダンサーがバンド内にいることの迫力は違ったものがある。

ミクスチャーロックの「ミクスチャー」の要素をさらに拡張したところに、Dragon Ashの功績はあるように思うのだ。

彼らがサブスクを解禁したことで、ヒップホップと接近した時代からの編纂も改めて捉え直すことができるし、いかに彼らがチャレンジャーとして様々な要素と向き合ってきたのかが見えてくる。

ロックフェス(特にロッキン)を語る上でも重要なバンドだし、つくづくその立ち位置が独特なバンドであることを実感する。

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和楽器バンド

バンド名が全てを表している。

そう。

このバンドは尺八・箏・津軽三味線・和太鼓など
の和楽器がメンバーにいて、ボーカルは詩吟の師範が担当しているのである。

ロックバンドは洋楽器で生み出すもの、というイメージが強かったが、このバンドはそこを超克した。

洋楽器のサウンドと和楽器のサウンドをミックスさせる試みを行なってきたわけである。

故に、音を鳴らすだけで唯一無二のものを示すのである。

SAKEROCK

星野源などがメンバーだったインストのバンド。

件の星野源はマリンバを担当しているし、メンバーの浜野はトロンボーンを担当したりと、幅広い楽器がバンド内で鳴らされていることがわかる。

実をいうと、今回の記事の場合、インストバンドもカテゴリーに入ると、わりと選択の幅が広がったりするのだ。

んだけど、あまりこっち方向で話を広げても面白くないので、そちらにはなるべく向かないようにしてみたいなーと思いつつ、SAKEROCKは紹介したかったので、ここで名前を挙げてみた。

OAU

民族音楽のテイストが強く、木製の楽器をベースにして音を鳴らすことが多いバンド。

BRAHMANとの棲み分けがあるからこそ、いわゆるバンドっぽくない音にチャレンジができる背景があるわけだけども、それを抜きにしてもアコースティックな音を主体とするこのバンドは、他のバンドにはない味わいを感じさせてくれる。

特に最近はバンドとしても成熟してきており、バンド全体に暖かさが溢れているのだ。

yahyel

VJがバンドメンバー内にいる変わったバンド。

一般的なロックが飽和状態になり、新しい想像力で音楽を生み出すのが難しくなってきた、というところから生まれたようなタイプのバンドのように思う。

サウンドに対するアプローチや、作品の提示の仕方含め、ポストロックのその後みたいな感じがしてすごく面白い。

millennium parade

最後はミレパを紹介したい。

そもそも、ミレパはバンドではないのではないか?という指摘もある

これはバンド名ではなく、プロジェクト名である、と。

もちろん、その指摘は正しいんだけど、ふと思ってしまったのだ。

一体、今はどこまでを「バンド」と表現するのか?と。

そして、これから先はこの問いが重要になるのかなーと思っていて。

例えば、サカナクションなんかだと映像クリエイターが果たしている役割は大きく、あの部分まで含めて「バンド」と言っても差し支えないのではないか?と思うことがあるのだ。

そうなったとき、僕たちはバンドの認識を改める必要があるよなーと思っていて。

少なくとも、この枠組みならもうバンドじゃないでしょ?という枠組みを超えたバンドがくる時代、もうすぐそこまで来ている気がするのだ。

ミレパなんかは、バンドという単位に対してすら、ある種問いを突きつけるようなタイプのように感じるのだ。

まとめ

ということで最後は風呂敷を広げてみました。

まあ、より「バンド」という単位を自由に受け止めることができたら、より「バンドの音楽」の幅は広がるし、その分面白くなるんじゃないかなーと思うのである。

だってさ、音楽性はありきたりだけど、ちょっと破天荒なことを行ってSNSでバズるバンドを「新しいバンド」と評するのはなんか違うよなーと思ってしまう自分がいて。

それなら、もっと根源的なところで新しさを突きつけてくれるバンドが生まれてほしいなーってついつい思ってしまう自分がいて。

そしていつか、そいうバンドがたくさん出て、この記事のタイトルにあるような枠組みの意味がなったら、そっちの方が面白いよなーと思う自分がいるのである。

少なくとも、当たり前になりつつ枠を壊すところにこそ「ロック」って宿るんじゃないかなーと思う自分がいるからこそ、バンドは色んな意味でより自由であれたらなーなんてことを思うのである。

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