前説
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10年代のフェスを雑に振り返ろうかなーと思っている昨今。
先日はこんな記事を書いた。
2011年と2019年のフェスのメンツを見比べてみただけの記事
今日は以前、別記事でも書いた2013年〜2014年あたりにスポットを当てて、話を進めていきたい。
本編
自分はなんとなく2013年のフェスに思い入れが強い。
実は、生まれてはじめてぼっちフェスをしたのが、この年なのである(どうでもいい)。
それだけにとどまらず、思い入れが強い理由として、この年ってインディーズのバンドの存在感が桁違いだったんだよなーと思うところがあるのだ。
例えば、この年、足を運んだRUSH BALLという大阪のフェス。
このフェスのサブステージのメンツを見てみたい。
一日目
快速東京
AIR SWELL
MY FIRST STORY
Sawagi
Kidori Kidori
パスピエ
Keishi Tanaka
きのこ帝国
group_inou
The Mirraz
二日目
THE ORAL CIGARETTES
SEBASTIAN X
KEYTALK
GOOD ON THE REEL
キュウソネコカミ
LOSTAGE
グッドモーニングアメリカ
DE DE MOUSE
THE NOVEMBERS
KANA-BOON
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つまり・・・
メンツが強いなーと思うのである。
そういや、この頃のキュウソは、まだスベるかウケるか微妙な空気(良い意味で)だったような気がする。
なつかしすぎて、なんだか胸が痛くなってくる。
まーそれは置いといて。
思うのだ。
これはあくまでもRUSH BALLの話だし、RUSH BALLの全ステージのライブを見たわけではないから耳つばな話にはなるんだけど、2013〜2016年までと、2017年〜2019年では、サブステージの集客が大きく違う気がするのである。
2013年〜2016年はサブステージの集客力も強かったし、毎年数バンドは鬼のように集客するバンドがいた。
まじで、そこにまるでブラックホールが発生したのかではないか?と思えるほど、途端に信じられない数のお客さんを集客するバンドが現れたものなのである。
つまり、インディーズバンドの人気というか、影響力みたいなものがすごかったのだ。
2013年〜2015年くらいは4つ打ちがすごかったみたいな回帰のされ方をするし、その代表としてKANA-BOONの名前を挙げたりすることも多いわけだけど、リズムとしてのバンドサウンドとかって話以上に、この年に明確にあったのは、インディーズの熱量なんだよなーと思うのだ。
メジャー/インディーズ、という切り分けで聴いているわけではないだろうけれど、この時期の邦ロック好きのインディーズに対する目配せ方には、勢いがあった感じがするのだ。
もちろん、今だってインディーズバンドが出演するサーキットイベントはソールドすることも多いし、インディーズで人気のバンドだっていくつもいるけれど、この時期はもっと<シーン全体>として勢いがあったような感じがするのだ。
で、その理由を紐解いていくと、四つ打ちというわかりやすい土入が形式化したから、というところに行き着くのかなーと思う。
さらに言えば、ゲスのようにそこにアンチテーゼを掲げながらもダンスに系統したロックを(少なくとも初期は)作っていったことも、よりインディーズシーンの盛り上がりに繋がったのかなーなんて思うし。
夜ダンやフレデリックは元々マニアックだった音楽性に、これらの要素を上手に取り込むことでシーンに頭角を現してきたし、やっぱりインディーズのシーン全体の盛り上がりと四つ打ちというムーブメントの繋がりは大きいように感じる。
逆に言えば、音楽的な、リズムフック的なアンセムみたいなものがないから、<シーン全体>というようなムーブメントにはなりづらい自体が生まれているのかなーなんて思ったりもするのである。
とはいえ。
2019年になって振り返ってみると、この頃の音楽的メソッドに乗っかり、「売れる音楽」を志向して音を鳴らすことを重視して“自分の音楽”をおざなりにしていたバンドは、ブームの収束に追わせて人気を落としてしまった感はある。
少なくとも、その3年あとにシーンに来た若い音楽ファンのウケが良くないバンドは、客層の入れ替わりとともに、人気を減退させていることは否めない。
もちろん、音楽性が好きだったのに人気が下火になったバンドもいるから、全部が全部でここに当てはまるわけではないのだが。
もっと言えば、売れることだけが全てではないし、自分が好きなバンドは客入りはそこそこをキープしながら、自分たちのやりたい音楽を研ぎ澄ましていたりするので、そういう輝き方もあるよなーと思う。
まあ、なんにしても。
僕の認識としては、四つ打ちというムーブメントがあったからこそ、インディーズバンドの多くに光があたったということ。
これがとても大きいんだよなーと思うのだ。
だからこそ、この10年代は、過去の類に見ないほどに、インディーズシーンが活性化したんじゃないかなーと思うのだ。
そして、結果的に、ここである種の新陳代謝をすることができたからこそ、ロックシーンのバトンは上手に次世代に渡されたように思うし、ここで20代〜30代前半のバンドが躍進することができたからこそ、日本のロックシーンにおいて、若いリスナーが参入しやすい空気を作ることになったんだろうなーとも思うのだ。
良い悪いではないけれど、フェスにはいわゆる“おっさんバンド”しかいなくて、そういう“おっさんバンド”を観に行く同世代の客しか来ない構造になってしまっていたら、10年代の途中で、フェスシーンの人気は廃れていたように思うし。
でも、実態は違った。
この時期にインディーズバンドの多くが躍進し、インディーズは<シーン>と呼べる盛り上がりをみせた。
やがて<フェス>そのものも大きな盛り上がりをみせて、<フェス>というワードそのものが、ある種のバンドジャンルにすらなってしまうくらいの存在を示すようになった。
“盛り上がり“を生んだという事実。
そこに、とても大きな意義を感じるのである。
まとめ
音楽オタクほど、四つ打ち時代の空気やフェスにありりがちな盛り上がり至上主義の空気を嫌悪するキライがある。
けれど、この時代があったからこそ、10年代の音楽シーンにおいて<フェス>が重要なものになったことだけは間違いないし、10年代というくくりでフェスを捉えると、この時の盛り上がりが生んだ音楽の広がり方自体はとても意義があるように、僕は思うのだ。
なにより、個人的にこの時代の作品に好きなものが多い。
だから、より思い入れが深いのである。
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