北海道を拠点に活動するオルタナティブロックバンド「メリクレット」。初の全国流通盤となるミニアルバムをリリースし、現在ツアー真っ最中の彼ら。インタビューでは、単なる活動報告に留まらない、メンバー同士の熱い作戦会議や、音楽に懸ける「覚悟」がリアルな言葉で語られました。
「去年は正直100点じゃなかった」――勝負から勝利への転換
──昨年(2025年)を振り返って、どんな1年でしたか?
レニア(Gt.):去年は最初に僕らの中で「勝負の年にしよう」って決めていて。環境も変わったし、フェスとかサーキットイベントとか、とにかく自分たちの存在を広めるためにひたすら走り回った1年でした。
ちぺ(Vo.&Gt.):意識の面でもがらっと変わって。メンバー間でも、遠征を増やすことに向けて、バンドとしてどうなりたいかっていう話をいっぱいして。「本気で音楽で食べていけるようにみんなで頑張っていこうよ」っていう熱い話をしたり、音楽への覚悟を込めた曲を作ったりして、結束を固めた1年だったかなと思います。
──そうなんですね。その上で、その1年は満足できたものでしたか?それとも反省もある1年でしたか?
レニア:勝負するって意味では勝負ができた年でした。「勝負」はしてきたし挑戦もしたけど、じゃあその勝負に勝てたかっていうと、課題も残っていて。例えばワンマンライブがソールドできなかったり、100点満点ではなかったので。今年は「勝利」の年にしていきたいと考えています。
──なるほど。「勝負」から「勝利」の年に。
ちぺ:何を根拠に「勝利」とするかは難しいとは思うんですけど、去年は遠征をすることで出会ってくれる機会を増やすっていう目標だったときに、その出会いをチャンスとして生かしきれなかった部分がありました。(リスナーとの)出会いを1回きりにしないために、どうするかという点をより大切にしたいですね。
斗輝(Ba.):去年は自分たちの遠征がたくさんできて、色んな勝負ができた年にはなったので、引き続き勝負はしていきたいなと思っているし、一回一回の勝負の質を高めていきたいなと思って、バンド内でも作戦会議をしています。
──ちなみに数ある遠征の中で、一番印象に残っているものは何ですか?
レニア:僕はJOIN ALIVEですね。初の夏フェスだったということもあるのですが、高校の頃とかに(お客さん)として行ったフェスで、(そのフェスへの出演は)10年以上音楽をやってきた夢のひとつで、それが叶ったのが去年でした。あの光景やあの空気は今でも鮮明に覚えています。
──初夏フェスが、自分たちのホームのフェスって考えたら凄いことですね。
レニア:でも、それ以外のひとつひとつのライブも濃い想い出になっていますね。
──ライブごとの地域の違いも感じましたか?
ちぺ:よく感じますね。
斗輝:のりかたの違いのような目に見える違いもあれば、SNSでの反応などにも違いがあって面白いですね。
ちぺ:そのうえで、地元(北海道)の人たちは長く見守ってくれている人もいるので、親戚のようなあったかさをより感じることが多いです。
──ちなみに冒頭で”音楽への覚悟を込めた曲”をリリースしたという話があったのですが、それはどの曲のことか伺ってもいいですか?
ちぺ:「透水」っていう曲です。元々は「この曲で勝負するぞ」という意気込みでリリースするつもりはなかったんですけど、歌っているうちにこの曲と一緒に大きくなれたらいいなって思うようになりました。もともと、自分の人生をかけて音楽をやっていくという想いを書いた歌ではあったのですが。
──歌詞に、より強い想いを込めたものだったということなんですね。
ちぺ:そうですね。ただ、アレンジでも挑戦をした楽曲でした。これまでは私とレニアでアレンジをしてきたんですけど、初めてアレンジャーさん(Ryo ‘LEFTY’ Miyataさん、以下LEFTYさん)を招いた歌でもあって、より勝負にかける想いが強くなった背景があります。
──制作に外部でアレンジャーが入った変化として、どのような変化を感じましたか?
斗輝:編曲をしていただいたLEFTYさんがすごくベースが上手なベーシストの方で、ベースの引き出しの量が全然異なっていたのが刺激的でした。
レニア:ギターとかもこうしたらニュアンスが変わるとか、色んなアイデアをいただいて新鮮でしたし、すごく成長できました。
ちぺ:私はクラシックを聞いて育ってきたので、クラシックピアノを入れるのが好きなんですけど、LEFTYさんの入れてくださったピアノがすごく好きで。「透水」の落ちサビに入っているピアノが、自分の理想としている音をさらに温かくしてくれるような音で。曲の雰囲気を汲み取ってくださったのがすごく嬉しかったです。バンドとして編曲をしてくれたのが嬉しいとともに、同じ曲ひとつでもアレンジでこんなに変えられるんだと、自分の編曲の意欲がすごく上がりました。
最高傑作の誕生と、ライブの話
──今回リリースされたミニアルバム「1ヨクトの眠り姫」は満足のいく作品になりましたか?
レニア:そうですね。これはもう、最高傑作だって自負してます。自分たちにしか出せない良さって何だろうって自問自答してきたんですけど、コンセプトも曲のジャンルの幅も、アレンジも、全部が僕らじゃないと出せない色になっています。
──ちなみに、最高傑作の所以となるポイントはどこになりますか?
レニア:みんな答えが違うとは思うんですけど、僕は僕のやりたい創作の形というのがあって。それが光と闇の表現で、強い光には必ず影ができるというのがこの世界の摂理だと思っていて。両方の表現が大事で、明るい気持ちのときもあれば暗い気持ちのときもあるという人間性みたいなものをこのアルバムではちゃんと表現できたなと思います。
──なるほど。
レニア:リードの「セミロング」の曲は圧倒的な光属性の曲なんですが、(EP全体でみたときに)その裏にはだんだん聴き進んでいったら闇っぽい(要素が)出てくる構成になっているんですね。「メリーバッドエンド」とか、最後の「イヴと凍花の国」とか、裏のテーマはけっこう暗かったりして。意識していたコンセプトである「光と闇の表現」がきちんとできた点が最高傑作たる所以ですね。
斗輝:僕は作曲者の2人よりもフラットなリスナー目線でアルバムを見れるんですけど、「似たり寄ったりの曲がないな」って感じています。激しい曲からゆっくりな曲まであって、聴いていて退屈することがなくて。「暇しない」っていうところが最高傑作たる所以だと感じます。
ちぺ:私は、全国流通盤として作るのが初で、自分たちの壁を壊したものを作りたいと考えて、挑戦するポイントをいくつか作ったんですね。その中でも特に大きいのが、1曲目「1yの眠り姫」ですね。全国流通盤の1曲目に、あえて歌のない曲(インスト)を入れたときに「いいのかなこれで?」って不安もあったんですけど、私もレニアも一曲目にインスト曲が入っているアルバムが好きで、リスナーの皆さんに自分で扉を開けて、眠り姫を起こしてもらうような……そんな感じの物語にしたいと思って、今作に入れました。自分なりに勉強して「眠り姫が起きる音って何だろう?」「メリクレットの世界観って何だろう?」「2曲目の『透水』に繋がる音って何だろう?」「この曲がないと『透水』が始まらないよねって曲にしたい」っていう想いを全部詰め込んでいます。
──2026年は初の対バンツアーも始まりましたが、そちらの想いはいかがでしょうか?
レニア:好きなアーティストとの対バンばかりで、同じステージに立てるということがすごく嬉しいですね。
斗輝:メリクレット初の全国ツアーなので、楽しみもありつつ、ドキドキや不安もあるという感じだったんですが、(※このインタビューはツアー初日のライブは終わったあとに伺っています)初日のライブをやってみると、(思った以上に)良い感じだったんですよね。ここからさらに良くなることも考えると、よりツアーが楽しみです。
ちぺ:こうやってツアーを回ることで、やっと行ける地域も出てきて。昔、自分たちのTikTokの動画のコメント欄で「いつか名古屋に来てください」っていう内容が来ていたんですが、当時は(北海道で活動しているということもあり)なかなか行けない状況でした。でも、今回のツアーではその名古屋にも行くこともできて、コメントを書いてくれた方がいるかはわからないけど、その方をはじめ、今まで待ってくださった方に対して「ありがとう」を伝えるようなツアーにしたいし、このライブをみて「明日からもがんばろう」と思ってもらえるようなものにしたいです。
──ちなみに、メリクレットのライブは、どこがより魅力的だと感じますか?
レニア:本番だけのアレンジだったり、ライブでしか味わえないものが確実にあるので、そこは大きな魅力ですね。
斗輝:サブスクだと小さく聞こえがちなベースの音も、ライブだとどの音よりも大きくて、心臓の低い部分に響かせることができる点も魅力ですね。
レニア:ライブは耳じゃなくて、身体で聞くもので、ライブハウスではその体験ができるというのも大きいですね。
ちぺ:同じアーティストが好きな人同士で楽しめる空間っていうのも良いですね。「好き」が溢れている空間はあったかいし、そういう空間ごとに楽しめるのも魅力だなって思います。あと、「このシーンで例えば斗輝を見たら、絶対こっちを見てくれる」みたいな、メンバー同士の顔合わせとか、そういう演奏以外の視覚的な部分も楽しんでもらえたら嬉しいです。
2026年、メリクレットの野望。「99人に刺さる曲と、1人に刺さる曲」
──最後に、2026年の展望を教えてください。
ちぺ:そうですね・・・。では、「名曲」を作ります!
──おおおお・・!
レニア:「神曲」じゃなくていいの?
ちぺ:「神曲」って自分がいいって思えばそれは「神曲」になるし、そういう歌は毎回出しているつもりなんですけど、そうじゃなくて、バンドの名前をもっと広めてくれるような、たくさんの人が「良い」と感じる、看板になるような代表曲を作りたいっていうイメージですね。
斗輝:僕は、アニメだったり何かの主題歌をやってみたいっていう夢があります。そのために、去年はライブで忙しくてなかなかできなかった「自分の見せ方の研究」や「楽器スキルの向上」に力を入れたいと思っています。
レニア:僕は、僕ら(ちぺとレニア)2人が作曲する意味を突き詰めたいですね。「100人中99人に刺さる名曲」をちぺが作るなら、僕は「残りの1人にしか刺さらない、取りこぼされたマイノリティに深く刺さる曲」を作りたいです。その両方があることがメリクレットの絶対的な強みになる。そう信じて、2026年はより意識的に音楽を作っていきたいです。
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【Release info】
1st mini album『1ヨクトの眠り姫』
2026.2.4 Release
MLKRT-001 ¥2,500(tax in)タワーレコード限定購入者特典:
JKステッカー(メンバー楽曲解説ラジオ付き)
▼『1ヨクトの眠り姫』配信URL
https://melikret.lnk.to/
▼『1ヨクトの眠り姫』アルバム購入URL
https://melikret.lnk.to/
【Live info】
■メリクレット対バンツアー2026『夢五夜、雪のほとり』
2026年02月11日(水祝) 開場17:30/開演18:00 [東京]代官山UNIT w/帰りの会
2026年02月15日(日) 開場17:30/開演18:00 [福岡]福岡Op’s w/みゆな
2026年02月28日(土) 開場17:30/開演18:00 [愛知]名古屋ell.FITS ALL w/POP ART TOWN
2026年03月01日(日) 開場17:30/開演18:00 [大阪]LIVE SQUARE 2nd LINE w/レトロマイガール!!
2026年03月07日(土) 開場17:30/開演18:00 [北海道]札幌cube garden w/First Love is Never Returned
Ticket:
スタンディング 3,800円(税込)
▼一般発売中
https://melikret.lnk.to/
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可
※整理番号有り
※入場時別途 ドリンク代有り
※お1人様1申込最大4枚まで
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