メンバーと辿る2025年の軌跡と、ドームを見据えた「チーム・ブロークン」の野望
murffin discs内のレーベル「ECLO」への所属、ミニアルバム『THERAPY』のリリース、そして数々のソールドアウト公演──。「飛躍」という言葉では足りないほど目まぐるしく駆け抜けた2025年を経て、彼らは今、バンド結成当初から温めてきた渾身のバラード『鱗(うろこ)』を世に放つ。そんな今のBroken my toyboxの過去と未来を訊いてみました。
「躍進」とは言わず「目まぐるしい」と言いたい2025年
──年が明けたばかりのタイミングですので、まずは2025年を振り返っていただければと思います。率直にどのような1年でしたか?
藤井 樹(Vo/Gt)(以下、藤井): 2025年は「大躍進」……って自分たちで言っちゃうと勢いが止まりそうで怖いので、「躍進」ぐらいにしておこうかなと思っています(笑)。ただ、メンバー共通して「目まぐるしい1年だった」とは思っていますね。
高田健太郎(Gt)(以下、高田): 本当にその一言ですね。「これやったら次はこれがあって」みたいな決まったレールを進むというよりは、やることがたくさんあって、手と足と頭をフル回転させて走り抜けた感じです。本当に幸せな1年でした。
郷間直人(Ba)(以下、郷間): 改めて振り返ると、3月にリリースがあって初の東名阪ツアーを回って、murffin discsのECLOに所属して、6月にミニアルバム『THERAPY』をリリースして……。タワレコのインストアや、年末には「箱庭へようこそ〜メラトニン〜」ツアーが始まって。間に発表したクアトロワンマンは即完したりと、今までの中で一番「バンドをしていた年」だったなとすごく思います。
──外から見ていても「躍進」という言葉がふさわしい1年でした。その中でも特に印象に残っている出来事はありますか?
藤井: 2025年3月に行った自主企画「箱庭へようこそ〜桃源郷のつくりかた〜」のファイナル、渋谷WWWでの公演ですね。自分たちにとって当時の過去最大規模のワンマンで、あれだけの人が応援してくれているのを目の当たりにできたのはあの瞬間が初めてでした。あの日があったから今も続けられているし、そういう日をもっと作りたいと思えた日でした。
高田: あのWWWの景色は忘れられないですね。あと、個人的にもう一つ忘れられないのが、『THERAPY』リリース記念のタワーレコード渋谷店でのサイン会です。家でせこせこと練り上げた音楽が届いて、お客さんから直接「応援してます」という凄まじい数の言葉をいただいて。あの時の嬉しさは記憶に残っています。
郷間: ECLOに所属したことも大きいですし、憧れの箱である渋谷eggmanで、ツアー初日と追加公演ファイナルの2日間を即完できたことですね。エントランスのロッカーに、ソールドアウトさせたアーティストはサインを書けるんですけど、著名なアーティストに混ざって自分たちもデカデカと書けたのが一番嬉しかったです。あの瞬間「本当にeggmanをソールドできたんだな」って実感しましたね。
──ライブ中の熱量についてもお聞きしたいのですが、ステージ上ではどのような瞬間に「スイッチが入る」のでしょうか?
藤井: Broken my toyboxのライブは「ここでこうしてほしい」という強要性をあまり持たせないようにしているんです。でも今は、お客さんのレスポンスがあって楽曲が完成するとすら感じています。 僕はライブ中はイヤモニをしているんですが、お客さんの声がそれを貫通してくるんですよ。「スピーカーから出てるのかな?」と思うくらい、歓声やコール&レスポンス、拍手が「音の壁」みたいに浴びせられる瞬間があって。その瞬間に「この曲を作ってよかった」「キャッチボールができている」と実感して、一番テンションが上がりますね。
高田: 僕はプレイヤー目線になっちゃうんですけど、ギターをバッと掲げた時に、反射的にお客さんが手を上げてくれる瞬間とかですね。そういう「音」以外の部分でお客さんからレスポンスをもらえた時は、やっぱりギタリストとしてすごくアがります。
郷間: 僕たちにしか分からない感覚かもしれないけど、本当にお客さんの声が「壁」みたいに感じるくらい出ていて。最近のライブ中はそれがすごく感じられるようになってきて、めちゃくちゃ嬉しいですね。
──2025年リリースのミニアルバム『THERAPY』について伺います。制作はスムーズでしたか?
藤井: 毎回時間がなくて、自転車操業なんです(笑)。「とりあえずアルバム作りたいんだけどどうする?」から始まって、デモや新曲をまとめていく感じで。
高田: 制作フローは「蝶のように舞い、蜂のように刺す」みたいなアグレッシブさでしたね。実はレコーディングの前日に、藤井から「やっぱり『レッドオーシャン』に2番を足したい」ってデモが送られてきて(笑)。
藤井: そうそう(笑)。最初はタイパ(タイムパフォーマンス)を意識して短い方がいいかと思ってたんですけど、やっぱりみんなと楽しめるコール&レスポンスを入れたくて、前日に「ごめん、これ入れたい」って2番を丸ごと送りました。
高田: かなり難しいフレーズがいきなり送られてきたんですけど、結果的にあそこが一番大事なパートになったので、やってよかったですね。
──『レッドオーシャン』は、どういう意図をもって作られたものだったのでしょうか?
藤井: それでいうと、(ボカロを意識して)打算的に作った部分はあります。僕自身はボカロを通ってこなかったんですが、これだけ長く愛されている文化を知らないのは音楽家として未熟だと思い、代表曲を片っ端から聴いて勉強しました。その上で、自分やブロークンでしっかりやる意味を考えて、キーの当て方などを計算して作りました。
高田: 僕と郷間に関しては元々「ボカロっ子」だったので、藤井の意図がすぐに分かりました。「こういうフレーズ、ボカロっぽいよね」「あの頃を思い出すね」とか言いながら、自分たちのツボを抑えつつ制作できたので、すごく楽しかったですね。古き良きかつ新しい、まさに「温故知新」な制作でした。
新作『鱗」と、2026年1月のWWW X公演
──2026年1月に新曲『鱗(うろこ)』のMVがリリースされました。これまでの楽曲とはまた違う楽曲ですが、どのような背景があるのでしょうか?
藤井: この曲の原型はバンドを組んだ当初からあったんです。ただ、誰も僕らを知らない状態で歌っても「ただ悲しい曲」になってしまうと思って、ずっと温めていました。見てくれる人が増えてきた今だからこそ、自分の主張や言葉を歌う意味があると思って、全編を今の技術で練り直してリリースしました。
──歌詞を変えたりはしなかったのですか?
藤井: 歌詞に関しては、作った当初から一文字も変えていません。てにをは(助詞)を直したくらいで、内容は本当に誰にも届いていなかった頃の感情そのままです。
高田: 「これだよね」という共通認識がありました。藤井の歌詞に隙がなかったし、今のタイミングで出すことでようやく曲が完成したと感じます。
郷間: アレンジはかなり男臭い、ロックバンドっぽい仕上がりになりました。WWW Xのアンコールで初披露した時、お客さんがじっと真剣に聴き入ってくれているのを見て、「このタイミングで出してよかった」と実感しました。
藤井: 逆に浸透しすぎて、(その日のライブの)次の曲『メロディメーカー』(というロックな曲)にお客さんがついてこれないくらい余韻がありましたね(笑)。
──2026年の1月11日に行われたWWW X公演についても伺えますか?
高田: 去年のWWWを経験しているから大丈夫かと思いきや、メンバー全員めちゃくちゃ緊張してました。サポートメンバーのひろぽん(Dr)は緊張すると声が大きくなって、エミネムくらい早口ではしゃぎ始めるんですよ(笑)。
藤井: そうそう(笑)。「始まっちゃう、始まっちゃう!」って騒ぎ始めて、それを見て余計に僕らが焦るという。SEが鳴って入場する瞬間も、すました顔をしてましたけど内心は緊張ですごかったです。
郷間: でもライブ自体はすごく良かったです。特に「NONVERVAL」でお客さんの反応がすごくて、マネージャーの直人さんが「フロアが揺れた」って言うくらい盛り上がって、直人さんが泣きそうになったと聞いて、自分たちの想いが届いたんだなと感慨深かったです。
高田: 昔からある『Hello Halo』という曲をやった時も、古くから来てくれているお客さんがすごく良い顔をしていて。僕、視力が2.0あるんで一番後ろまで見えるんですけど、みんなが本気で楽しんでくれているのが分かりました。
藤井: WWW Xはステージが高いから、物理的にも皆の顔が上からよく見えましたね。
──地域によってお客さんの雰囲気に違いはありますか?
藤井:言語化するのは難しいんですが……なんとなく「空気の色」が違う感覚はありますね。各場所ごとに楽曲の受け取り方や聴き方だったり、レスポンスだったりがどことなく違って見えて。毎回違う感動があります。
高田: 東京はいろんな人が集まっている分、より一人ひとりが噛み締めて聴いてくれている印象がありました。今後キャパが大きくなればまた変わっていくと思うので、その変化も楽しみですね。
目指せドーム、そしてその先の優しい連鎖
──最後に、2026年以降の展望や目標を教えてください。
藤井: 自分の言葉や主張を共有できる場所、つまりライブをもっと大きくしていきたいです。ライブハウスだけでなく、お茶の間にも広まるような音楽を作り続けて、「目指せドーム」で一歩一歩活動していきたいです。
高田: 今応援してくれている「Brocks(ブロックス)」のみんなが、将来僕らがドームやアリーナに行った時にドヤ顔できるようにしたいですね。「ここまで来るのは当然でしょ」って顔をしてほしい。あと、ファンの間で「先輩・後輩」みたいな文化ができているのがすごく素敵だと思っていて。
──「先輩・後輩」文化ですか?
高田: そうなんです。「先輩、教えてください」「後輩が入ってきて嬉しいよ」みたいなやり取りが自然にあって、その優しさの連鎖を広げていってほしいです。これで特許を取りたいくらい(笑)。
郷間: ファンのみんなと一緒に階段を一つずつ登っていきたいですね。「おい、一緒に行くんだからな」って感じで、全員でキャパを押し上げていって、最終的には幕張メッセ2days即完を目指します・・・!まあ、これは僕が勝手に言ってるだけなんですけどね(笑)。
藤井: 直近では3月に自主企画サーキット、6月にはミニアルバムのリリースとクアトロワンマン、そして夏にはワンマンツアーが決まっています。しっかりとソールドさせて、また次の景色をみんなと見たいと思います。
高田: 最近知ってくれた人も、「曲をあまり知らないから」と気にせず、ぜひツアーに来てほしいです!
<ライブツアー情報>
Broken my toybox [Live Tour 2026 summer]
箱庭へようこそ〜Re;Parade〜
7月12日(日) 【愛知】名古屋 CLUB UPSET
7月25日(土) 【福岡】OP’s
7月26日(日) 【広島】ALMIGHTY
8月8日(土) 【宮城】仙台enn 3rd
8月22日(土) 【大阪】梅田Shangri-La
9月19日(土) 【東京】恵比寿LIQUID ROOM
チケット情報:https://eplus.jp/bmtb/



