前説
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インディーズ時代から現在に至るまで、その評価を大きく変えるバンドっている。
昔はライブにいるファンの多くが女性だったが、今では男性限定のライブでもソールドするようになったUVERworldなんかはその代表だと思う。
ちなみに個人的には、indigo la End(以下、インディゴ)もそういう類のバンドだと思っている。
本編
indigo la Endの話
なんというか、昔のインディゴはサブカル系の女性に人気のバンドって感じだった。
切なさにコミットした恋愛ソング。
か細い声。
金髪マッシュのボーカル。
当時のサブカル女子が好きそうな要素をたくさん詰め込んだインディゴは、満たされることのない恋愛に日々生きる人たちの心に刺さる音楽だった。
なによりも、美メロで魅了するこのバンドは、知る人ぞ知るというタイプのバンドだったのだ。
やがて、インディゴのボーカルを務めている川谷絵音は出世を果たす。
ご存知、ゲスの極み乙女。というバンドを結成したからだ。
本来であれば、インディゴの片手間、遊びで作ったはずのバンドだったのだが、いつの間にかインディゴよりも売れてしまい、あっという間にメインストリームに駆け上がることになる。
一方、ゲスの人気にあやかりファンが少し増えるものの、インディゴはインディゴで、ゲスとまったく違う音楽性に進んでいく。
個人的には、2014年にリリースされた「あの街レコード」が名盤だと思っている。
今でもセンチメンタルな気持ちになったら聴くことのあるアルバムだったりする。
2014年といえば、4つ打ちバンドが反乱するフェスシーンの過度期。
なんだけど、川谷絵音はゲスであれインディゴであれ、そのトレンドになびくことはなく、天の邪鬼に自分たちが良いと思う音楽を続けていた。
この時のインディゴは歌詞の切なさとメロディーの美しさで勝負している。
とはいえ、きちんとフェス好きの人にも届くような、微妙な温度感が絶妙なのである。
なんというか、サビの盛り上がりが、右手を上に掲げたくなるくらいの感じと言えばいいだろうか。
また、音圧で空間を支配しない音作りになっているため、ベースの動きがよく聞こえるのも、インディゴの魅力だったりする。
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インディゴの音楽について
川谷絵音は様々なバンドを組んだり、楽曲を提供していくことになる。
ことインディゴにおいては「藍色ミュージック」辺りから、かなりロック以外のジャンルにも手を伸ばすようになる。
楽曲によっては、物語性のある歌詞が際立つように、マイナーコードのアルペジオが光るサウンドメイクをするようになるし、ギターは抑え気味にしてコーラスワークを美しく響かせるものもある。
いずれにしても、切なさに対する磨き方がとんでもないのだ。
これってインディゴの特徴だよなーと思っていて。
なんというか、エモい歌詞を歌うバンドは多いと思うんだ。
けれど、サウンドまでも切なさに寄せているバンドって意外と少ない気がする。
クリープやマイヘアは音に関しては切ないというよりも尖って突き抜けている。
あるいはミスチルやバクナンのように、派手にストリングスを入れて、切なさよりもドラマチックさを引き起こすバンドの方が多い気がするのだ。
でも、インディゴは違う。
歌詞に対してのサウンドメイクが巧みなのである。
だから、楽曲によって駆け抜けるようなロックよりのサウンドにすることもあれば、ローファイなサウンドにすることもある。
なにより派手ではないけれど、実はめっちゃ演奏が難しいアプローチをさらっと行う。
ここがインディゴの最大の良さげポイントだ。
インディゴのサウンドって比較的地味かもしれないが、このメンバーじゃないと成立しないような、トリッキーの演奏の歌が多い。
そして、これが冒頭で述べたインディゴの評価の変化と大きく繋がっている。
元々、インディゴ=切ないラブソングを歌うバンドというイメージだったため、恋愛好きの女子がファン層として多かったが、リリースする作品から伺える音楽性の高さから、いつかし音楽オタクと呼ばれるような人たちも一目を置かれるようなバンドになったのだ。
こういうファン層の広がり方をするバンドは珍しいのではないかと思う。
なんせ、インディーズ時代のインディゴの需要のされ方って、音楽オタクが一番嫌悪するような形だったと思うのだ。
けれど、長い年月をかけて、自分たちの音楽性を見せつけることで、音楽オタクを魅了してしまったのだ。
もちろん、特異分野である「切なさ」を尖らせて、昔からのファンも納得させるような形のままに。
ここがインディゴはすごいと思うのだ。
まとめ
まあ、川谷絵音の場合、音楽性が高く、幅も広いインディゴというバンドですら、アウトプットのひとつでしかないところに、最大のエグさがあるわけだけど。
ほんと、川谷、やばいと思う。
ただ、インディゴがすごいのは、川谷だけじゃない。
他のメンバーもすごいのだ。
特に、後鳥亮介のベース。
彼のベースを推して、この記事を締めたいと思う。
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