スピッツ「夢追い虫」の歌詞の意味は?解釈と考察!

スピッツの「夢追い虫」の歌詞について書いていきたい。

ボツになり続けてお蔵入りになり続けたこの楽曲。

ひょんな事からシングル化されるわけで、そんな「夢追い虫」の歌詞を改めて考察してみたい。

本編

作詞:草野マサムネ
作曲:草野マサムネ
冒頭は、ありふれた日常を二人で分かち合えることの軽やかな幸福を描いている。
「羽も生える」とは平たく言えば「幸せだ!」ってことの言い換えだと思われる。

人からみれば当たり前のような生活でも、君といればそれだけで幸せというわけである。
欠点のある相手でも、丸ごと受け入れて好きだと言っているように読める。
「魔法もない」という表現は、君という存在が特別ではないことを示している。

美人じゃないし、頭も良くないし、ましてや魔法なんて普通の君。

秀でて何かがあるわけではないけれど、そんな君が好きだというわけだ。

しかも、たとえ性格が変わったとしても、自分に対する気持ちが変わったとしても、自分は君のことを好きなままでいると宣言する。

要は俺のことを好いてくれてるから、お前のことが好き、みたいな受動的な「好き」ではなく、能動的にお前のことが「好き」なんだみたいな感じだろうか。

とにかく、この主人公が君のことをどれほど好きであるかはよくわかると思う。

ユメで見たあの場所に立つ日まで
僕らは少しずつ進む あくまでも

「夢」という言葉をあえてカタカナ表記しているのがポイントである。

これは夢という言葉を一般的な夢として捉えてほしくないからか、夢という言葉に幾つもの意味を内包させたいからかのどちらかであると思われる。

僕らは進んでいく、というのは二人で人生を歩んでいく、ということだと思われるが、こんなに幸せそうな二人でもユメ見た場所に立てていないというのは驚きだ。

一体どんな場所をユメ見たのだろうか。

歌詞の続きをみてみよう。
夢と現実の境目があいまいになるほど、衝動に引きずられていく場面として読める。
エロに迷い込んだユメってどんなユメだろうか。

二人で目指すユメって結局のエロなのだろうか。

サビの二人が目指す場所=エロということだろうか?

ただ、ここでふと気になることが出てくる。

さては、この主人公は現実の関係より願望が先走っている語り手なのではないか、と。

もしかすると、僕と君はそもそも付き合っておらず、僕が一方的に好意を抱いていて、君と付き合いたいなあ、と妄想している歌なのではないかと感じるわけだ。

だから、ユメはエロに迷い込んでいくのだ。

ユメで見たあの場所に立つ日まで
僕らは少しずつ進む あくまでも

サビでは「僕ら」という言葉をつかっているから、一人だけの妄想ではないような気もする。

けれど、ポイントは「あくまでも」というフレーズであり、ここでは「どこまでも」「最後まで」といった、意志を貫く響きとして読める。

つまりこのサビでは、「僕らは少しずつでも進み続ける」という粘り強いニュアンスが出ている。

なんかしっくりこない?

では、歌詞の続きをみていこう。
自分をちっぽけな存在と認めつつ、その短い時間を君と分け合う感覚がにじむ。
ちっぽけな虫とは自分のことだろう。

自分の小ささと弱さを全面に押し出したフレーズとなっている。

嬉しいことも悲しいこともあったりするけど、君との生活は続いていくことをここで表している。
まわりの声に流されず、それでも先の行き先を探し続ける迷いが出ている。
このフレーズでは急に主人公が取り留めなくなっていく。

憧れていた少年時代、裏切られた青年時代、傷つかない方法を身につけて大人になった今、自分は何を目指して人生を生きていくのか、みたいなフレーズ。

上も下も見ずに自分ができることだけしておけと周りから諭されたわけだが、この主人公はここでは結論を出さない。

最後のサビをみてみよう。
理想の場所に届かないまま、削られながらも前へ進む粘り強さが強調される。
以上である。