2026年、個人的に気に入っている海外の音楽10選

気分が日本以外の音楽になってきたので、この記事では日本以外の音楽というニュアンスで「海外の音楽」という言葉を使いながら、2026年リリースで気に入っている楽曲10曲を紹介したいと思う。

では、どうぞ。

Snail Mail「Dead End」

まずはアメリカのインディーロック・プロジェクト、Snail Mail。Lindsey Jordanによるもので、3月発売の3作目『Ricochet』からの一曲である。90年代のギターロックを思わせる音の中で、歌声がすっと前に出てくる。その親しみやすさの奥に、昔の友達を思い出すような切なさがある。ギターの力強さに気持ちを持ち上げられながら、歌にはちょっと胸をつかまれる。明るいのに、なんだか寂しい感じが、とにかくツボ。

Westside Cowboy「Pin Up Boys」

マンチェスターの4人組で、インディーロックにオルタナティブ・カントリーを混ぜたような音を鳴らすバンドである。8月発売のデビュー作『It Goes On』に収められたこの曲で惹かれるのは、演奏が次第に熱を帯びていくところだ。抑えた歌い出しからギターとドラムが勢いを増し、そこへ複数の声が重なる。親しみやすいメロディーのまま、バンドの熱量がぐっと上がるのがたまらない。

Kelela「goin down」

アメリカのオルタナティブR&Bのシンガー、Kelela。7月発売の『new avatar』から、Oscar Schellerと制作した一曲である。この曲で印象に残るのは、ギターの響きだ。残響のある音と歌声が重なって、静かな緊張が続いていく。声の滑らかさがあるからこそ、楽曲のひりつきが際立つ。終盤でギターと声が近くに感じられるところも、余韻を残す。ジャンル性のあるサウンドが世界観を作りながら、歌とメロディーが芯を貫く感じが、好き。

Meaningful Stone「1+1 = 0(feat. Jay Som)」

韓国のインディーポップ・アーティスト、Meaningful Stone。7月リリースのシングルで、Jay Somのロサンゼルスの自宅スタジオで制作した一曲である。きらっと鳴るギターと、跳ねるリズムの組み合わせが気持ちいい。夢の中にいるような柔らかさがありつつ、歌のメロディーはちゃんと近くにあるような、そんな塩梅。そよ風のようにさりげないのに、根っこの部分はどこまでもキャッチーというのが自分的なツボ。

Sports「Jelly」

アメリカ・オクラホマの2人組、Sports。ドリームポップとインディーロックを行き来するCale ChronisterとChristian Theriotのコンビで、2月発売のセルフタイトル作『Sports』は、4年ぶりの5作目という位置付け。つるっとした質感のシンセが主役のポップス。囁くような歌声と弾むベースが重なって、聴いているうちに自然と身体が動いてしまう。柔らかいのに芳醇なミルフィーユを食べているような、そんな心地の作品。

The Homesick「Esperanto」

オランダのドックム出身の3人組、The Homesick。もともとはポストパンクのバンドだが、4月発表のこの曲では電子音とリズムが主役になっている。反復する音に身体を揺らしていると、サビのフレーズがするっと入り込んでくる感じが良い。少し変わった音楽なのに、入口は案外人懐っこいのだ。イントロの時点でも中毒性が炸裂していて、そのまま最後まで駆け抜ける部分が好き。

YĪN YĪN「In Search of Yang」

こちらもオランダの4人組で、ディスコやファンクを軸にしたバンド。1月発売の4作目『Yatta!』の1曲目で、ディスコのリズムにギターのフレーズが絡んでいくのが印象的。東南アジアの音楽からの影響と、サイケデリックな響きが同居している感じで、音の組み合わせは不思議なのに、身体は自然と揺れてしまう。

Garrett Anthony Rice「Try To Make It Right(our end game)」

※「Try To Make It Right(our end game)」は公式チャンネルに音源がないため、同じアルバム『Equinox』収録の「My Sons」の映像を掲載している。

アイルランドのシンガーソングライターがChris Potterと制作した一曲。6月発表で、ダブルアルバム『Equinox』に収められている。温かいアコースティックギターに、じっくりと言葉を運ぶ歌声が重なる。途中で熱を帯びていく演奏の起伏も印象的だ。ど派手に展開していくタイプの楽曲ではないが、じわじわと歌の世界が広がる感じが好き。メロディーと声の温度感にゆっくり寄りかかりたい一曲である。

Aldous Harding「Coats」

ニュージーランドのシンガーソングライター、Aldous Harding。5月発売の5作目『Train on the Island』の最後を飾る曲である。とにかく印象的なのは、声の重なり方。このコーラスワークに惹かれてしまう。良い意味で、美しい引っかかりを覚える感じというか。で、どんどんそのメロディーに馴染んでいく中で、耽美的な余韻に満たされていくことになる。

Death Cab for Cutie「Riptides」

最後はアメリカのインディーロック・バンド、Death Cab for Cutie。6月発売の11作目『I Built You a Tower』からの一曲である。リズミカルなギターのリフから始まり、少しずつ楽器が重なって大きくなっていく流れが気持ちいい。変則的なのではなく、安心感のあるビートメイクだからこそ、どっしりと音楽に向き合えるような心地。その中で安定感のあるボーカルが混じり合い、激しくも柔らかく音と歌が入り混じるのが良い。

おわりに

わりと、ギターが鳴っていて、歌のメロディーがしっかりめの曲が自分の好みということで(一部のぞくが)、そういう音楽ばかりをピックアップする感じになったが、どの歌も良い曲だと思うので、よかったら聴いてみてほしい。

では、今回はこの辺で。