今もPenthouseはキラキラしているのか調査してみた

今もPenthouseはキラキラしているのか調査してみた

しばらくPenthouseの書いていないことに気づいた。

ちなみに前に書いたのが、Penthouseのキラキラ感、エグすぎる件である。

いやね、そのときの素直な気持ちを書いた記事ではあるんだけど、この記事を振り替えながら、ふと思った。

今もキラキラしているのか、と。

2年前とはいえ、アーティストが変化する年数として2年は決して短くはない。

フレッシュだったアーティストからフレッシュさが消えることもあるし、アーティストのイメージががらっと変わることだってよくある。

ということはキラキラと自分は感じていたPenthouseも、今では”キラキラ”と呼べるような状態ではないのではないか?

そこで、今回改めて調査してみることにした。

本編

Penthouseの持つキラキラの変容

当時を回想すると、

煌びやかなピアノやシンセサイザーの響き。

浪岡真太郎と大島真帆のツインボーカルが織りなす美しいハーモニー。

洗練を極めたグルーヴィーなアンサンブル。

眩いほどの煌めきを帯びたポップネス。

そんな部分に焦点を当てながら、前回は言葉を紡いでいた気がする。

2025年は「ナンセンス」や「Planetary」をリリースしている。

実際に曲を聴くと思う。

むむむ・・・。やっぱり進化の具合がえぐい。

前回の時点でもっていた魅力は魅力としてきちんと蓄えながら、その輝きをより多角的に展開している感じ。

よく”方向性が変わりすぎて初期のファンが離れる”みたいなことがアーティストにおいてはよくあるが、最近の作品を触れた自分の率直な感想としては、そんな懸念が一切ない真っ直ぐさがあったのだ。

じゃあ、金太郎飴よろしく、同じような曲ばかりを量産しているのかというと、まったくそんなことがなくて。

飴であるという根本は変わってはいないけれど、黒飴みたいな渋いやつも出してくるし、チェルシーみたいな酸っぱみものあるやつも出してくるし、りんご飴のような甘くてドキドキするようなやつも出してくる・・・みたいな感じというか。

それこそ、2024年11月には『Laundry』というアルバムをリリースしていて、その作品の中でもいろんなチャレンジをみることができる。

「一難」のようなおしゃれと盛り上がりを詰め込んだ最強ラテン風味もあれば、熟成された渋みの極地のような刺激的で熟達したサウンドとボーカルで展開される「Whisky And Coke」もあれば、Penthouse的なポップスをストレートに表現した印象の「夏に願いを」もあればと、とにかく盛りだくさん。

2025年リリースの新曲「ナンセンス」だって、鍵盤の軽快なビートメイクとホーンセクションの融合。

シティー感、ソウル感、ダンスミュージック的なエッセンスも組み合わせることで、ホットかつ高揚感を増し増しにしつつも、どこかクールでスタイリッシュにも展開してみせる、Penthouseの音楽的魅力が充満していることに気づくのだった。

・・・これは、キラキラの最新型だ。

そう思った。

#### 2. ツインボーカルが生み出す多層的な輝きの構造

こうやって振り返ると、浪岡真太郎と大島真帆による男女ツインボーカルの存在感がえぐいと思う。

Penthouseってサウンドのアプローチは複雑かつ多種多様。

色んなジャンルをクロスさせていく凄さがある。

サウンドだけでいえば、キラキラとは極地のような渋い歌も多い。

けれど、どんな歌でもキラキラの要素にも近づけていくうえで、このツインボーカルの存在は大きい。そんな風に思う。

もっと言えば、サウンドがキラキラ感がある歌の場合にも、キラキラを”装飾”から”物語”に変えていくのは、ボーカルのハーモニーや自由さにあるように思う。

方や。ハスキーでソウルフル。方や、凛とした情熱をもって展開。

そこで生まれた化学反応は絶品だ。

で、ボーカルがフェードアウトすると、ドラム、ベース、ギター、キーボードが美しくも躍動感のあるセッションをして、歌を豪華に展開することも多く、このスキのなさに一気に心をもっていかれることになるのだ。

ボーカルも多重で重厚。

サウンドはそれよりももっと多重で絢爛。

そりゃあ、キラキラという概念すら、より深いものになる、という話である。

## まとめに替えて ──キラキラ感とは?一体なにか?

実は、この記事を書く前は「Penthouseにはキラキラはなくなったけど、キラキラとは違って〇〇が輝くようになった」みたいな論調にしようと思って、改めて楽曲を聞き直しながら記事を書いていたんだけど、思った。

Penthouseの音楽が生むこの感動のベースには、今もまた新しい形のキラキラだな、と。

そのうえで自分は

・ルーツへの敬意と革新性が融合した、ジャンルの融合の新たな形
・個々の卓越したサウンドが構成することで生まれる、スリリングかつ絢爛なアンサンブル。
・美しく溶け合う、二つのボーカルが生み出す、自由自在なハーモニー。

これらすべてが融合した先にあったものが、Penthouseとしてのキラキラ感なのだと思う。

やっぱりPenthouseが生み出す音楽的充実感って、他のバンドではなかなか真似できないと思う。

そして、その真似できないものを端的な言葉にすると、自分的には今もなお”キラキラ”がしっくりきたという話。

いやマジでPenthouseの音楽が好きすぎる。生で、ライブが、観たい。