Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」について

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先日、こんな記事を書いた。

関連記事:Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」の話

この記事は、Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」という楽曲について、個人的な感想を書いた記事である。

「夏のハイドレンジア」の感想を端的に述べるならば、大人びた魅力を兼ね備えた今のSexy Zoneの魅力が詰まったミディアムナンバーである。

そんなふうに思うわけだ。

こういうテンポで、こういうメロディーで、こういうアレンジの歌でぐっと聴かせることができるのは、Sexy Zoneが様々なフェーズを迎えながら、確実に自分たちのパフォーマンスを研ぎ澄ませてきたからだ。

そんな<今>の魅力が結集した一曲だと思うわけだ。

ただ、Sexy Zoneの魅力って、これだけじゃないんだぜ。

こういう一面もあるけれど、こういう一面もあるんだぜ。

そのことを痛烈に示すのがいつだってカップリング曲だった。

「夏のハイドレンジア」でも、また、そういう図式が明確にあったわけだ。

そんなカップリング曲の中でも、ひときわ強い存在感を放っていたのが、この曲。

そう、「桃色の絶対領域」だ。

「桃色の絶対領域」の<桃色>の話

「桃色の絶対領域」は、神はサイコロを振らないの柳田周作からの提供曲である。

NHKで放送されている『シブヤノオト』でSexy Zoneと神はサイコロを振らないが共演したときに、「今のSexy Zoneをイメージして曲を作るならどんなタイトルにする?」という質問を受けて、神サイの柳田が「桃色の絶対領域」と答えたことで、今回の楽曲作成・提供が実現した・・・・とのことである。

「桃色の絶対領域」というワードチョイスからして、ある意味<ネタ>だと思っていたし、「夏のハイドレンジア」にこの曲が収録されるというニュースをみたときは驚いたものだった。

このタイトルをみて、自分はどんな歌になるだろうかと想像したし、色んなパターンが想定された。

神はサイコロを振らないは、ヒット曲である「夜永唄」を聴いてもわかるとおり、美しいメロディーラインが際立つナンバーが印象的なバンドである。

なので、タイトルこそユーモア色が強いけれども、内実は「夏のハイドレンジア」と肩を並べるような聴かせるナンバーになるのかも、と思っていた。

一方で、タイトルがタイトルだけに、今曲は明るさを全開にしたユーモアソングになる可能性もあると思っていた。

あるいは、<桃色>というワードから、松浦亜弥の「♡桃色片想い♡」みたいなテイストの歌になるんじゃないかと思う想像もあった。

自分が近いタイミングで、映画『あの頃。』を観たからよけいに、「♡桃色片想い♡」に引きずられてしまう部分もあったのだった。

しかし。

楽曲を聴いたらその予想は良い意味で裏切られることになる。

予想したテイストのどれとも違う、でもちゃんとこのタイトルであることの必然を感じさせる絶妙なテンションの楽曲がそこに展開されていたのだった。

この歌は公式としてYouTubeにアップされている楽曲ではないし、サブスクなどで配信されている楽曲ではないから、このブログ上で音源として紹介することができないのが心苦しい限りだが、この歌はぜひとも聴いてほしい一曲である。

なんせどこまでもその音の響きが絶妙なのである。

「夏のハイドレンジア」は楽曲のテイスト上、個々のソロパートが少なめだったけれど、この歌は個々のパートに尺を割いており、しっかりとそれぞれの見せ場を作っているのが良い。

冒頭の佐藤勝利から、その見せ場は炸裂している。

そう、冒頭のブレスがとにかく良い。

音源の処理上、いくらでも消そうと思えば消すことだってできる冒頭のブレスを、ここまでしっかり聴かせる演出。

そして、このブレスが効果的に響くからこそ、佐藤勝利のパートが恍惚とした響きを放つのである。

このブレスの聴かせ方にある種の<桃色>感を覚えるし、その後にメロディーを紡ぐボーカルも官能的に声が揺らいでいることがわかるからこその聴き心地なのである。

次にバトンを受け取る松島聡は、佐藤勝利が作り出した<桃色>感を上手く継承しつつも、松島らしく優しく、柔らかい響きで、その<桃色>感を再構築している感がある。

一つのエッセンスで突き抜けるのではなく、そこにある種の揺らぎとエッセンスを織り込ませるのは、それぞれの個性が輝くSexy Zoneだからこそである。

桃色感の話でいえば、真骨頂なのは、Bメロである。

菊池風磨と中島健人でパートを分けるこの部分の流れが、とにかく艷やかなのである。

歌声の中に<桃色>感をこれでもかと詰め込んでいるのが伝わってきて、それがたまらない。

ライブだったら、きっと二人そろって一発オーディエンスに向けて舌ペロをかますんじゃないかなあと想像してしまうほどに、ボーカルの中に多大な魅惑な響きを漂わせているのである。

そして、サビではそんな四人の歌声が混じり合い、圧倒的な世界観を作り上げていくのだ・・・!

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「桃色の絶対領域」の<桃色>以外の話

・・・と、ここまでボーカルの<桃色>感についてだけ語ってしまったんだけど、この歌が良いのはボーカルがどこまでも艷やかであり、色気たっぷりであるにも関わらず、そこだけで終わっていないところ。

というのも、この歌、素直にめちゃくちゃにかっこいいのだ。

管楽器が印象的に鳴り響きながらも、アグレッシブなバンドサウンドも存在感を示すアレンジ。

楽器単位での見せ場も豊富で、時に軽妙に、ときに大胆にアンサンブルを繋いでいくことで、メロディーをどこまでも盛り上げていくのである。

ボーカルのトーンは艷やかななんだけど、サウンドはアグレッシブに展開されていくのだ。

そのバランス感がたまらなくて、聴けば聴くほどにゾクゾクしていくという仕様。

かっこいい、だけなら他のアーティストでも魅せることができるかもしれない。

聴かせる、だけなら他のアーティストでも魅せることができるかもしれない。

でも、かっこよくて官能的で、甘くて鋭い雰囲気を併せ持って歌いこなすことができるのは、Sexy Zoneだからこそ。

この聴き心地は、他のアーティストにはない類のものだと思うわけである。

なにより、「夏のハイドレンジア」では隠していた魅力が、溢れんばかりに花開いているのが、たまらないわけだ。

Cメロは各パートを順番に一人ずつ歌っている流れが秀逸だし、最後に爆発的に盛り上がるサビまでの流れにも惹き込まれるのだ。

まとめ

そして、気がつくのだ。

ネタだと思っていた「桃色の絶対領域」というタイトル。

このタイトルが、今まさにこの楽曲の中で実現しているぞ、と。

「桃色の絶対領域」とは、Sexy Zoneが作り出すこの音楽の世界のことだったのではないか・・・。

そんな気分にさせられるのである。

柳田とSexy Zoneの化学反応・・・とんでもないなあ・・・と思う、そんな夜。

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