Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」の話

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自分は、ちょっと哀愁の漂うミディアムナンバーがツボだったりする。

嵐でいえば「アオゾラペダル」、KAT-TUNなら「僕らの街で」みたいな歌。

今年、『あの花』の主題歌として10年後の8月を迎えた「secret base 〜君がくれたもの〜」もそういう歌の筆頭と思っているし、秦基博の「ひまわりの約束」だってそういう歌のひとつだと思っている。

自分は、そういう歌がツボなのである。

ただ、こういうテイストの歌が好きだからこそ、そのテイストであれば何でもかんでも<良し>というわけじゃないという天の邪鬼な部分もあって。

メロディーが美しくても、サウンドが美しくても、ボーカルのテンションと他の良さが噛み合っていなかったら<良し>と感じないこともあったりするわけだ。

なので、Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」は自分の中でどんなふうに響くかなーとドキドキしていた。

「夏のハイドレンジア」は、まさに哀愁漂うミディアムナンバーだと思ったから。

今まで自分がSexy Zoneを良いと思っていた部分と違う一面が出ている歌だと思ったから。

それがどういうふうに響くか未知数だったからだ。

「夏のハイドレンジア」の感想

中島健人が主演の「彼女はキレイだった」 の主題歌ということで、まずは中島健人のボーカルで幕を開けるこの曲。

中島健人って良い意味でキャラクターとボーカルの雰囲気がマッチしている人だよなーと思う。

セクシーという言葉がぴったりのボーカルだよなあと、いつ聴いても思うわけである。

そして、そんな艷やかな中島健人のボーカルが、この楽曲の雰囲気に美しいくらいに綺麗に寄り添っていく。

いや、ほんと、自分はこの最初の中島健人のパートでぐっと惹き込まれてしまうのである。

何回聴いてみても、この歌が持つ美の部分が一気に立体的になっていくのは、中島健人のボーカルで幕開けるからこそだと思うわけだ。

中島健人のボーカルとしての表現力が、「夏のハイドレンジア」の世界観を鮮やかなものにしている。

ボーカルそれぞれで違った魅力があるSexy Zoneだけど、今曲に限っていえば、切なさと温かさと雨上がりのような何とも言えない爽快感が絶妙な形で音符になって運ばれていくのは、中島健人が絶妙な温度感と表情でメロディーを紡ぐからこそ。

あと、冒頭のフレーズの運びも良いなあと思っていて。

サビに出てくる「ヒロインなんだ」というフレーズは、歌う人によって浮く可能性すらある言葉だと思う。

でも、中島健人がここをセクシーかつ丁寧に歌いあげるからこそ、この言葉がどこまでもリアルかつ説得力をもって響くわけだ

中島健人がここを歌うからこそ、この歌の景色が解像度高く展開されていくのである。

また、この歌はストリングスアレンジがゴリゴリに鳴り響くアレンジを施されているんだけど、そういうアレンジが良い意味で素朴に響くというか、過剰な感じが一切しないのだ。

もちろん、このサウンドが過剰かどうか人によって捉え方が違うとは思うけれど、自分的には壮大なのに爽やかな印象を持ったのだった

それはなぜだろうかと考えていくと、今曲のSexy Zoneのボーカルが放つ空気感が影響しているように感じられて。

というのも、個人的な印象として「夏のハイドレンジア」は、メンバー全員ボーカルが優しく、しっとり歌い上げている印象を受ける。

強く実感したのは、1番のBメロでは菊池風磨のソロパート。

基本的に菊池風磨のボーカルはソリッドな印象が強く、伸びやかなボーカルが存在感強く響くことも多い。

けれど、「夏のハイドレンジア」の菊池風磨の歌声には、どこか優しさが先行しているような印象を受けていて、楽曲の中に穏やかな印象すら与えているような気がするのである。

だからこそ、楽曲のトータルとしての印象も、爽やかかつノスタルジーな印象を与えることになるのかなーと思っていて。

この辺りは、秦基博のソングライティングと、Sexy Zoneのボーカルのテンションが合わさったからこその境地なのかなーと勝手に思っている。

あと。

「夏のハイドレンジア」は、歌の中で成長が描かれているのが良いなあと思っていて。

1番は喜怒哀楽いえば、<哀>の部分が色濃く出たフレーズが躍り出ているが、2番では<哀>を通じて生じた喜の感情を言葉にしている。

雨が降っている中、傘を差すことができず<哀>の感情を強めた主人公は、その雨が振り続けることで、二人の顔に笑いが生まれるわけだ。

この主人公が感情の変化を魅せるタームを、それぞれのメンバーが優しい歌声でソロパートのバトンを紡いでいてく流れが良い。

2番の流れでいえば、菊池風磨→佐藤勝利→松島聡。

そして、最終的にそのバトンを中島健人に戻す流れが良い。

歌の中にはそれぞれのドラマがあるわけだけど、今回は中島健人主演ドラムの主題歌ということもあり、ここぞの場面で中島健人にスポットが当たる構成。

こういう部分にもぐっときてしまう自分がいるのだった。

まとめ

10周年を迎えて大人びた魅力も兼ね備えた今のSexy Zoneだからこそ、<聴かせる>ナンバーになった「夏のハイドレンジア」。

様々なジャンルのアウトプットしてきからこそ、たどり着いた境地だともいえる。

何より、秦基博が生み出した上質なバラードをSexy Zoneが<らしい>ままに歌いあげると、こういう感動に誘われるんだなあと感じた次第なのだった。

・・・にしても、書きたいことをひたすらに書いていたら、わりと予定の文字数をオーバーしてしまったこの記事。

この記事で「桃色の絶対領域」の感想も書こうと思ったんだけど、わりと文字数が多くなってしまってこのまま書くと冗長になってしまう気がするので、この感想は別記事に譲りたいと思う。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。

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