真天地開闢集団ジグザグの話。サウンド、楽曲、ボーカルに触れて

-真天地開闢集団-ジグザグの話。サウンド、楽曲、ボーカルに触れて

このブログは自分の好みだけで書いているので、どうしてもブログ内のアーティストの登場頻度に偏りがある。

年に何回も名前を挙げるアーティストもいれば、これまでほとんど名前を挙げてこなかったアーティストもいる。

-真天地開闢集団-ジグザグ(以下、ジグザグ)もまた、そんなバンドの一組だ。

2015年に結成された日本のヴィジュアル系バンド、というのが自分の知っている情報。

リアルタイムで丁寧に追ってきたわけではないので、バンドの歴史は正直あまり知らない。

色んなフェーズの進化を遂げて今に至るということは知っているし、名前はよく聴いていたので、どこかで一回記事にしてみたいと思っていたのだった。

というわけで、2025年10月の今、ついにその-真天地開闢集団-ジグザグに触れようと思う。

-真天地開闢集団-ジグザグを愛する人とはまったく違う視点だと思うし、このバンドを語るならこれを抑えないといけないでしょ、という内容もスルーしている部分が一定数あると思う。

でも、そういう視点だからこそ書ける言葉もあるのかなーと思うので、体当たりよろしく、聴いて感じたことを勝手ながらに言葉にしたいと思う。

では、スタート。

サウンド軸

ジグザグを聴いて最初に感じたのは、変化の多様さ。

しかも、その変化は縦軸にも横軸にも伸びている印象。

例えば、2015年頃と2024年頃で比較するだけで、作風がごろっと変わる印象を受ける。

「愛シ貴女狂怪性」のような楽曲を聴くと、憂いの帯びた美しさがある。

神秘的な闇のオーラがあるというか、テクニカルなサウンドの中に独特の様式美が見え隠れするというか。

「悪いのはバンドマン」なんかも、疾走の中に切ないギターの音色が響いていて、不思議と胸に突き刺さるなにかを覚えるのだった。

そして、2020年を過ぎていくと、そういう魅力に少しずつポップなエッセンスを落とし込み、より開けた音楽を生み出した印象を受ける。

「Aria」もメロディアスで、キャッチーかつインパクトなサビのラインで高揚感を生み出す。

美しさを宿しながらも、独特の爽やかさも見えてくるというか、陰と光のバランスが絶妙になった印象を受けるのだ。

こういう変化に、縦軸の幅広さを感じる。

そして、横軸の方向にも多様さが広がる。

例えば、「きちゅねのよめいり」を聴くと、エッジの効いたロックサウンドがベースながらも、和のサウンドも巧みに使うことで、その美しさをより鋭いものにしている。

「Drip」はフラストレーションをすべて撒き散らすような疾走感のあるロックチューンだし、「復讐は正義」はヘヴィでハードなロックを展開しており、攻撃的なエネルギーを生み出していく。

と思ったら、「Stay with me」のような幻想的なサウンドで構成したミディアム調の楽曲も生み出すし、やっぱり横軸も多様なバンドだなーと感じるわけだ。

楽曲軸

なお、ジグザグは独特のユーモアだったり、このバンドにしかない文化を折り込みながら歌の世界を紡ぐのが素晴らしいなあと感じる。

例えば、「ゴミはゴミ箱へ」という楽曲は風刺が効いた楽曲だし、その風刺をこういうノリで音楽世界にしていくのが絶妙だなあと思うわけだ。

あるいは「スマイル★かわいいねん」は音使いもビートメイクも良い意味でコミカルでキュート。

なのに、ベースはハードロックよろしくのぶっといサウンドで、そのバランス感が良くて。

歌詞の視点だったり、歌をワクワクする作り方とかが、他にはないものだらけだなーと思うわけだ。

だから、ジグザグの音楽は聴けば聴くほどに不思議な魅力に誘われることになる。

ボーカル軸

ユーモアのある楽曲であれば、真面目な歌であれば、疾走感のある歌であれば、バラードであれ。

どの歌もジグザグらしい魅力が宿るのは、命-mikoto-のボーカルがあるからだなーと思う。

ハイトーンに突き抜けていて、表情豊かな歌声。

どんなタイプの歌にも魔法をかけていく凄さがあるのだ。

そして、歌の中に光と闇を宿したドラマを生み出していく。

何気にシャウトからハイトーンなクリーンボイスまで、何でも歌いこなしてしまう点も素晴らしい。

多種多様なアプローチを美しくこなすからこそ、ジグザグの楽曲は幅広く響くのだろうなあとも感じるし、時代ごとに様々な変化を果たしてきたのかなーと感じるわけだ。

まとめに替えて

結論。

-真天地開闢集団-ジグザグの音楽、めっちゃ面白いやんという話。

聴けば聴くほどに無限に引き出しが開く感じ、いろんな角度で楽しんでみたいと強く思う。