BUMP OF CHICKENの「Small world」の歌詞に惹かれている話

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現代って情報過多な時代である。

正直、最先端を追うように生きようとすると、その情報を追うだけでいっぱいいっぱいになって疲弊するケースも多いと思う。

そんな片意地はった話じゃなくても、生きるうえで必要な情報ってたくさんあって、それを最低限を抑えるように生きるだけでも、どうしても日々を生き急ぎるようになってしまう。

それに影響されるかのように、音楽に対しても、どうしても<つまみ食い>的なアプローチで聴くことも増えていってしまう。

日々を行き急ぐようになると、気がつくと音楽に対してもそうなってしまうケースというのが、あるわけだ。

・・・・なんだけど、歩みが早くなってしまっている道中で、その足に一旦「待った」をかけてくれる音楽というのも確かにあって。

自分にとって、BUMP OF CHICKENはそういう音楽になりえることが多いのだ。

「Small world」を聴いて、改めてそんなことを思ったのである。

本編

BUMP OF CHICKENの「Small world」の話

BUMP OF CHICKENの音楽って、他の音楽とは違う聴き方で音楽に接しさせてくれる音楽なのだ。

例えば、知らず知らずのうちに、音楽の特定の部分だけを聴くようになってしまっていた意識を一旦フラットにさせて、今までとは違う意識にも音楽を向けてくれる・・・・とでもいえばいいだろうか。

具体的な話をひとつ挙げれば。

最近、自分はあんまり歌詞を丁寧に聴くことが減ってきている。

その音楽が何を語っているかよりも、どういうアプローチでその音楽を構成しているのか、ということについつい意識を向いてしまうから。

・・・なんだけど、BUMP OF CHICKENの音楽を聴くと、素通りするようになっていた言葉の意味に、ふと立ち止まらせてくれることが多いのだ。

もちろん、BUMP OF CHICKENは歌詞を重視しているバンドであるから、楽曲における言葉の比重が高い。

そういう事実はあるだろうし、それが理由になっている部分もある。

でも、それだけの話でもないように思っていて。

言葉の意味そのもの以上に、ボーカルが紡ぐ言葉にぐっと惹きつけられてしまう魅力が、BUMP OF CHICKENの歌にはあるのだ。

これは、藤原のボーカルだから、という部分が大きい。

藤原のボーカルって、ぐっと言葉と自分との距離を近づける・・・みたいなところがある。

どんなに抽象的な言葉だとしても、まるでそれは自分のことを歌っているかように、リアルかつ等身大的に言葉が響くのだ。

必ずしも具体的ではないし、直接的な言葉を述べているわけではなかったとしても、どこまでもその歌詞を「リアル」にさせてしまう凄みが、藤原の歌声にはある。

だからこそ、「Small world」の言葉も、自分のとなりで響いているような気がして、ぐっと言葉の世界に引き込まれていったのである。

僕と君の描き方の絶妙だったり。

君を讃え、負の過剰を丁寧に配置しつつも絶妙なタイミングで僕を肯定していく温度感だったり。

BUMP OF CHICKENらしく、藤原らしい優しさで歌は包まれているのである。

なんというか、普段は歌を聴くうえで<構えてしまっている>自分がいるんだけど、その構えをBUMPの歌の中で少しずつ取っ払われていき、気がついたらノーガードになって歌を聴いている自分に気づくというか。

だからこそ、ふいにフレーズひとつがとんでもなく突き刺さることもある。

例えば、「Small world」の終盤の、

誰にも気付けないくらい ささやかな世界の中でも
僕らのもの 僕らのもの

そんなフレーズがぐっと突き刺さったりする¥。

本当に静かに、だけどしっかり深くまで言葉が内面に届く心地を覚えるのである。

自分の世界を意識して、そのタイミングでふと周りを意識して、そこにあるもののかけがえなさに気がつく・・・というか。

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「Small world」の全体の話

「Small world」においては、クリスマスソングかのように、切なくも優しく響くサウンドが魅力的である。

BUMP OF CHICKENらしい幻想感が歌の中に合わられており、壮大な絵本を読んだような心地にさせられるのである。

藤原の楽曲を大切に思い、その世界観をより立体的に響かせるために音を鳴らす。

そういうBUMP OF CHICKENのメンバーだからこその、サウンドの音色があるように思ってしまう。

あと、素朴な印象を与えるけれど、メロディーラインも藤原ならではだなーと思う流れが多い。

言葉にするのは難しいんだけど、いろんな曲を聴いて改めて思うのは、こういうメロディーの運び方をしているのは藤原だけだなーと思うし、歌声や歌詞と同じくらいにメロディーの運び方も藤原の作家性が炸裂していることを実感するのである。

あ、この歌は全方位でBUMP OF CHICKEの歌だ。

そんなことを思ってしまうのである。

結果、「Small world」もまた、派手ではないけれど、自分にとっては間違いなくかけがえのない歌になっているのである。

まとめ

色んなバンドを聴くことが増えてきた。

若手のバンドで「いいな」と思うフェーズも増えてきた。

でも、BUMP OF CHICKENの音楽は、そういうのとはまたちょっと違う場所で響いていることに気づく。

「Small world」を聴いて、改めてそんなことを思った。

そういうことが言いたいだけの、それだけの話である。

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