最近、ライブハウスのドリンク代が上がっている、という話を目にした。それをみてライブハウスに訪れる人が「高っ!」ってなる気持ちもめっちゃわかるし、苦肉の策としてライブハウス側が値上げに踏み切った背景も想像にかたくない。
動いているお金の規模感と、現実的にかかる経費を考えたら、「値上げしないと厳しい」のはよくわかる。
自分も一応イベントを主催した身なので、一般的な音楽ファンよりはお金の動き方だったり、仕組みの部分も想像できる範囲が大きい。実際、自分がイベントをするときも「ドリンク代をチケットに含めないか?」という案も考えたものだが、どれだけの集客になるのか見込めない中で、ドリンク代をチケット代に転嫁するのはリスクでしかなくて、なかなか安易にできないと感じたものだった。
あんまり自分のイベントのときのお金の話をするのは微妙だと思うので細かい部分は割愛するが、現実問題として、どの立場の人もギリギリのラインでまわしているもの、というのは改めて感じたわけである。
ドリンク一杯の値段だけを見るとたしかに高いが、一人ひとりの負担が少し増えるだけで「回せる」のであれば、今はそういう負担もしゃーないよなーなんて思ったりするわけである。
「お金を払ってライブを観る」という価値観
それとは別にして、世の中の色んなものがどんどん値上げされている。それに比例して給料が上がっているならいい。たしかに最低賃金は上がっているかもしれないし、景気の良い企業なら手取りにしっかり反映されているかもしれない。でも、わりと多数は「比例して給料なんて上がっていない」と感じているのではないか、と思う。
ものの値段が上がれば、払う消費税の額だって比例して増えるし、仮にそれにあわせて収入をあげようとがんばっても、控除は物価ほどには上がっていないので、ステルス増税もえげつない中で、負担すべき項目もどんどん増えている昨今、まじで「使えるお金」が減っている、と感じている人は、それなりにいるんじゃないかと思う。
現実問題として、自由に使えるお金が減っているとして、じゃあ、今後、どこのお金をケチるのか。
人によって答えは違う中で、ケチる先としてエンタメを選ぶ人はそれなりにいるようには感じる。
今ってエンタメ自体は無料でも暇にならないくらいに溢れているし、無料とは言わないにしても、月額千円ちょっとで、世界中の一流のコンテンツに触れ放題の昨今、やっぱり「観る」タイプの娯楽に、必要以上のお金はかけない人は、それなりに増えるんだろうなーとは思う。
そもそも音楽に興味がない人は一旦おいておくとして、音楽がそれなりに好きな人だってサブスクで音楽は聴けるからそれで充分、TikTokとかYouTubeでもコンテンツはたくさんあるからそれで充分という人がそれなりにいても、やっぱりおかしくはないよなーと思う。
そうなると、ライブにお金を投じるというのは、よりマイノリティーなものになるし、何より若い人だってお金を払う人は減ってしまう気がしてならない。
いやね、幸い、自分のまわりはライブにお金を払う人が多いから、あんまりそういう実感なんてないんだけど、「一般的な人」を軸に考えると、そういう人の方が多い気がどうしてもするのだ。
そういう状況がもしあるとして、ドリンク代が上がるというのは、どういう影響を与えるのかは、難しいところがあるよなーと思う。
それこそ、きっとこれからもビッグアーティストのライブは高い倍率で、選ばれし者だけが参加できる場所になるんだろうけど、カルチャーとしてのライブハウスが今後どういう変化を辿ることになるのかは、わからない。
いやね、もちろん、ライブハウスといっても、色んな種類のものがあるから、残るべき場所は残るとは思うし、人によってまったく状況が違う中で、てめえうるせーぞわかったような口をきくなと感じる人だっているとは思うんだけどね。
自分が思うこと
まあ、自分はライブハウスでイベントをしたことはあるけど、そこを生業にしている人ではないし、遊ぶ場所としては好きでプライベートでよく訪れる、くらいの距離感の人間なので。結論として何かを出すのは難しいんだけど。
でも、ひとつ言えるのは、自分がさらに年齢を重ねたときでも、ライブハウスは活気に溢れていてほしいし、ライブハウスから発信されるカルチャーがあるような世の中であってほしいなーっていう想いだったりする。
それは、音楽が好きで、音楽も含めた色んなカルチャーが好きで、そういう光景に日常みを覚えるからだったりする。
だからこそ、その演者であれ裏方であれお客であれ、その周りにいる人たちが充実していたらいいよなーということを、ただただ思うのだ。
なんせ、どこかが欠けてしまったら、自分が望む未来って、どうしてもやってこないと感じるから。
まだまだ「世の中」って話だけで考えたら厳しい要素も多いからこそ、ぼんやりとそんなことを感じた、そんな夜。


