前説
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この前、関ジャムで「シングル曲になっていない隠れた名曲特集!」という企画を組んでいた。
なるほど。
ラインナップをみていると、名曲であることに納得がいく並びの曲ばかりである。
では、自分がその企画に参加して曲を選ぶとしたら、何の曲を選ぶだろうとふと考えた。
なので、この記事ではそこにスポットを当ててみたい。
とはいえ、シングル曲以外の名曲を紹介する、ってだけだとあまりにも範囲が煩雑すぎる。
なので、B面(カップリング曲)に名曲(というか、好きな曲)が多いなーと思うバンドを紹介する記事にしたいと思う。
題して、B面(カップリング曲)に名曲が多いバンド特集。
いってみよ〜
本編
スピッツ
まあ、「放浪カモメはどこまでも」はカップリング曲ではないんだけど、一応B面の曲ということで、この歌を飾っておいた。
さて、スピッツのカップリング曲を名曲ぞろいである。
「猫になりたい」「俺のすべて」「バニーガール」「三日月ロックその3」「おけら」「悪役」。
名前を挙げたらキリがないけれど、こうやって並べると、シングル曲以上にB面が輝いている率がこんなにも高いバンド、そうはいないと思う。
スピッツの歌がどの歌も名曲たらしめているのは、シングル曲であれカップリング曲であれ、良い意味でそこまでの差がないということと、どの曲も純粋にメロディーが美しいから、なのかなーと思う。
スピッツの場合、カップリングだからこその良さ、というよりもシングル曲もカップリング曲もすごくフラットに良いだよなーと思うのだ。
ちなみに近年のスピッツのカップリング曲はセルフプロデュースであることも多い分、ロックバンドとしてのスピッツの側面が出ていて、その感じもとても良い。
UNISON SQUARE GARDEN
カップリングツアーを終えたばかりのこのバンドも、カップリングに名曲が多い。
まあ、ユニゾンの場合、スピッツとは違って、シングル曲とカップリングには明確な差を設けているように思う。
が、その分、そのバンドの核となるものがカップリングに詰め込まれていることが多い。
無駄に攻撃的な歌もあれば、シングル曲ではほぼほぼ聴くことがないバラードを聴くこともできるし。
田淵の歌って、良い意味で「遊び」がある歌が多い。
遊びの要素が強いからこそアイドルとかに歌わせてもキレイにハマるんだと思うんだけど、ユニゾンの場合、カップリング曲にこそ、そういう遊びを忍ばせていることが多いのだ。
「Micro Paradiso!」ひとつとっても、そうだしね。
この遊びが堪能できるのも、ユニゾンのカップリングが良い理由なのである。
04 Limited Sazabys
フォーリミもいわゆる捨て曲がないバンドだなーと思う。
まあ、フォーリミの場合はシングルというよりもepの形を取ることが多いので、表題曲とそれ以外という切り分け方をするのはナンセンスなのかもしれないけれど。
フォーリミって、いわゆるこの歌こそが圧倒的なアンセムだぜ、って感じの歌はないんだけど、その分、どの曲もしっかりと輝いているバンドだよなーと思うのだ。
アルバムなんかでも、シングル曲だけが脚光を浴びることがまずないしね。
どんな歌も軽やかで爽やかに歌いきってみせるフォーリミだからこその技だよなーと思う。
どの歌も長くないのも、良いのかもしれない。
どんどんどん、さらっと次の曲が聴けてしまう、そういう魅力があるんだよなーと思う。
フレデリック
フレデリックもカップリング曲に名曲が多い。
というか、いわゆる表題曲よりもカップリングの方が名曲なのでは?と思ってしまうことも多い。
たぶん、フレデリックって元々良い意味で、はみ出たバンドだと思うのだ。
だから、大衆性とか売れ線を狙うシングル曲よりも、素直にはみ出た音を鳴らすカップリングにこそ、フレデリックの良さが溢れているのかなーなんて思う。
「飄々とエモーション」のときも、「シンセンス」とか「NEON PICNIC」とかにぐっときたりしたしね。
「VISION」のときも、カップリングにこそフレデリックらしいレトロとかサイケデリックな匂いとかがまぶされていて、こういう怪しい歌こそフレデリックに合うんだよなーとか思ったしね。
いわゆるフェスで躍進したバンドではあるんだけど、未だにどこか独特な立ち位置に感じさせる理由は、フレデリックが“変わった”バンドだからだ。
で、その変わっている部分は、カップリング曲に宿っているのかなーと、改めて思ったりする。
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GRAPEVINE
GRAPEVINEもシングルとかカップリングとか関係なしに、名曲が忍ばせている。
名前を挙げるとすれば、「スロウ」のカップリング曲である「望みの彼方」とか。
演奏技術が高いバンドであり、色んなアプローチができるバンドである。
そして、自分たちらしさを常に尖らせているから、シングルもカップリングも関係なしに勝負曲になっている。
あと、普通のバンドって、表題曲は明るい曲が多くて、カップリング曲は負の側面を当てるバンドが多い気がするけれど、バインは基本シングルもカップリングも関わらず、良い意味で、どっちもそんなに明るくない感じがする。
逆に言えば、どの側面に光を当ててもスキがないと言えばいいだろうか。
Syrup 16g
「My Song」のカップリング曲である「タクシードライバー・ブラインドネス」がめっちゃ好きなのである。
つくづくSyrup 16gを聴くと、バンドが鳴らすロックってすっかり変わったよなーと思う。
今のロックバンドってすっかり爽やかになってしまった。
けれど、ちょっと前のロックバンドって、それこそ初期のBUMPみたいな、独特の“暗さ”があったような気がするのだ。
で、教室の隅っこにいるような人間にこそ、ぐさりとくるようなものをロック・バンドを抱えていた気がするのだ。
=どことなく、ロックには暗さとジメジメしたものだったように思う。
その中においても、Syrup 16gのサウンドが鳴らす空気は、別格だった。
今、聴いて、そのことを改めて思うのだ。
カップリングの話とずれたけれど、なんかSyrup 16gの曲を聴いて、そんなことを思った。
BUMP OF CHICKEN
もうデビュー曲のカップリングである「ラフ・メイカー」の時点で、すでにカップリング曲の凄まじさが体感できるという罠。
近年は両A面だったり、配信曲が増えたことで、なかなか純粋なカップリング曲を聴くことはなくなった。
けれど、「バイバイサンキュー」「pinkie」などなど、BUMPのカップリング曲にいかに名曲が多いのかは、聴き直せば、すぐに気づくことである。
あと、BUMPは表題曲がバラードで、B面にアップテンポを忍ばせることが多い珍しいバンドでもある。
だからこそ、B面にこそ熱い想いを託しているリスナーも多いと思う。
個人的に好きなカップリング曲は「夢の飼い主」である。
擬人化(擬犬化?)するBUMP曲はだいたい猛烈なツボなのである。
思う。
たまには、いわゆるカップリング曲としてのBUMPの曲を聞きたいなーなんて。
昔の道中を振り返るたびに、そんなことを思ってしまう。
まとめ
というわけで、B面(カップリング)が良いなーと思うバンドをいくつか取り上げてみました。
まあ、今はCDのリリース形態的にいわゆるカップリング曲を聴く機会が減ってきているんだけど、こういう隠れた名曲を聴くたびに、オーソドックスなCDのフォーマットっていいんだなーと思ったりする。
音質的にも、やっぱりサブスクや配信曲よりもCDの方がいいしね。
あと、カップリング曲にもタイアップを付けがちだけど、そういうのと関係のない歌にこそぐっとくるところもあるしね。
というわけで、今回はこのへんで。
ではではでは。
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