前説

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バンドによって良さって色々あると思う。

歌詞を聴いていいな〜って思うバンドもいれば、メロディーの中毒性にハマるバンドもいる。

ただ、メロディーが良いバンドって、メロディーの良さと、そのメロディーを歌うボーカルの良さを際立てるために、意図的にバンドサウンドの存在感を薄めることも多い。

そんな中、中心にあるメロディーの良さも生かしながら、バンドサウンドも死ぬほど攻撃的で、めちゃくちゃカッコいい音を鳴らしているバンドがいる。

coldrainだ。

人によってはSiMとかベガスとか、なんかそっち系のバンドでしょ??とくくったりしていて、なんかああいう激しい系は苦手なんだよね?という人もいるかもしれない。

けれど、そういう人に言いたいのだ。

coldrainって、単純に盛り上げることだけ志向した、そんな安いバンドじゃないんだよ、と。

メロディーも良いし、サウンドもカッコいいし、ラウドって枠じゃ収まりがつかないような、スケールの大きな音を鳴らしているんだよ、ってことをここで言っておきたいのだ。

この記事では、そんなcoldrainの話をしていきたい。

本編

カッコいい

2017年にリリースされた「FATELESS」がめっちゃよかった。

coldrainの持っている魅力がさらに洗練された感じで、重厚なサウンドと、キャッチーで攻撃的なメロディーが光るアルバムとなっていた。

この「重厚なサウンドとキャッチーなメロディーが同居する」っていうのがポイントで、わラウドを標榜する若いバンドって、速さにばかりこだわっていて、それ以外の要素はひとまず脇においておく、ということが多いように感じる。

いや、必ずしもそんなことはないでしょ?という指摘はあるかもしれないけれど、どうしてもライブキッズが盛り上がるものって何だろう?って考えたときに出されがちな答えの一つとして、「速さ」があげられがちであるのは事実だと思うのだ。

で、ライブで盛り上がることを優先的にすると、どうしても速さを志向した楽曲を量産しがちになる。

速さを志向してないとしても、わざとサークルを作りやすい要素を放り込むとか、一体感を生み出しやすい要素を盛り込んでみるとか、そういうアプローチをしがちになる。

オーディエンスが沸き立つものこそが最高!という観点で、音楽が作られがちになってしまうわけだ。

でも、coldrainって、そこに安易に乗っかりはしない。

いや、作品を作る上でそういう要素も大事にはするけれど、「ファスト」一辺倒ではない、と言い方が正しいかもしれない。

実際、楽曲によっては、ミドルなテンポで展開する曲も多いのだ。

で、ミドルなテンポで展開するからこそ、メロディーの良さとサウンドの格好良さが際立つし、そこで圧倒する。

そういうタイプの楽曲を生み出しているように感じるのだ。

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曲によっては、メロ部分は割とアゲアゲなスピード感で展開して行くけれど、サビはあえてテンポを落としていき、メロディーそのものとサウンドで心を射抜く、というパターンもある。

海外の音も積極的に取り入れているからこそ、そういう骨太の音、広がりのある音で魅力するし、そういうカッコよさがあるからこそ、coldrainのサウンドって痺れてしまうのだ。

名前を出すと怒られちゃうかもしれないが、例えば10-FEETなんかだと、わりと楽曲ごとの役割が明確にされていることが多い。

この曲はジャンプする曲で、この曲はサークルつくりやすい曲なんだぜ、みたいな感じで。

イントロだけで、その楽曲におけるライブの役割が見えてしまう歌が多くて、ヤバTなんかはそういう実態を見抜いて、「メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲」のような曲を作ったりしたわけだ。

リスナーを意識して、ベタをやり切る気持ちよさもあるにはある。

そういう良さがあるのは確かだ。

でも、あえてベタには徹さず、自分のカッコいいを表現するバンドのサウンドは、言葉にできないカッコよさがある。

colarainのサウンドは、そういう類のカッコよさがあるわけだ。

だからこそ、メロディーの良さとサウンドのカッコよさに痺れる楽曲が多いわけだ。

なにより、そういう自分たちの鳴らしたい音に合わせて、明確にパワーアップし続ける凄さがある。

それこそ「Final Destination」の頃と、今のcoldrainのサウンドを比べると、好き嫌いはともかくとして、すんげえ進化の軌跡が見える。

バンド音楽って「今作では打ち込みを入れてみました」的な、わかりやすい変化をしがちである。

けれど、coldrainは、そういうわかりやすい飛び道具を使わず、純粋にメンバーの演奏テクニックの向上で、「俺たちの持つカッコ良さ」みたいなものをガツーンと魅せる。

それは常にライブバンドとして活動しているからこその証だろうし、ただ単にライブをこなすだけじゃなくて、本気で音作りに向き合ったバンドだからこそ、生み出せる進化なんだろうなーと思うのだ。

まとめ

今回の項目ではあまり掘り下げないけれど、音源でもめちゃくちゃにかっこいいのに、ライブだとこれの倍以上にカッコ良くなる。

そのことは改めてここで記しておきたい。

なによりSiMとかベガスはよく聞くけど、coldrainはよく知らんという人がいるならば、あるいはワンオクは聴くけど、他のこの手のジャンルのバンドはあんまり知らんって人がいるならば、ぜひcoldrainの沼に飛び込んで欲しい。

マジでカッコいいバンドだから。

ライブで観たら死ぬほどアガるバンドだから。

それだけは、保証するから。

P.S.

coldrainのことをコルレと略す人がいる。

そして、コルレと略すことを怒る人がいる。

バンド側がその略し方が嫌だ〜〜〜って言うんならアレだけど、そうじゃないなら、略し方くらい好きにしたらいいと思う。

個人的には。

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