Sexy Zoneの頃から、コラム記事では幾度も名前を出していた「ケンティー」こと中島健人。
音源から感じられるボーカルとしての表現力は知っているつもりだったし、TVで活躍する姿はよく観ていたので、キャラクターもなんとなくは理解していた。
でも、音源とTVとライブってどれも違う。
どれが一番いいとかはないけれど、それぞれの媒体で魅力の出方が異なるというのは往々にしてある。特にライブって「生もの」であるがゆえに、「◯◯だと思っていたのに、◯◯な一面が見えた」というギャップが、最も鮮明に表れるフォーマットだと思うのだ。
音源では優しいイメージだったのに、実際にライブを観るとパワフルだった……みたいな感想は、そういうギャップの典型。あるいは、TVでは強そうなイメージがあったけど、ライブではめっちゃ物腰が柔らかいやん、みたいな感想もあるだろうし。
それこそ。
TVでしか観たことがなかったB'zをサマソニで初めて生で観たときは、えぐいくらいにMCの物腰が柔らかくて驚いた。Mステでは常に火花がどかーんと上がっていた「イケイケ」感がB'zのイメージ。アグレッシブなボーカルやマイクパフォーマンスもそういうイメージを助長していたが、ライブを観ることで良い意味でギャップを感じたのだった。
そういう意味で、ケンティーだって、ライブだからこその変化があるのかなーと思っていたわけだ。
ケンティーはどこまでいってもケンティーだった
そのうえで、一番最初に感じたのは、これ。
ケンティーはどこまでいってもケンティーだった。
ケンティーといえば、アイドル中のアイドル感があるというか、とにかくいつもキラキラしていて、果てしない眩しさがあるみたいなイメージがあった。
で、ライブのステージでのケンティーも、パブリックなイメージとまったく違わないケンティーの姿があったのだ。そういう意味でのライブの感動って珍しすぎて、それ自体がもう特別な体験だった。
もう立っているだけでまばゆい。なのに、キュンとさせるフレーズをあまりにもナチュラルに平然と繰り出していくスキのなさがある。しかも、ある種の濃さがあるMCを毎回繰り出すのに、MCひとつひとつがまったく煩くないのだ。
太陽が出ても、太陽が引っ込んでも、ケンティー節を炸裂させる。女子に対しても男子に対しても、ナチュラルに人をたらし込む、キュンとする言い回しで着地させる強靭なスマートさがある。
しかも、何曲もアグレッシブに踊ったあとにコレなのだから、凄い。
はあ・・・はあ・・・、ってなって、ダンス後に息も絶え絶えで、自分のペースでMCをしたっていいはずなのに、どの場面のMCでも、ケンティーはケンティーすぎたわけだ。
だからこそ、感動するし、魅了される。
アイドルとしての正解を常に出し続ける名言製造機。メロメロにさせるフレーズ率は、あのイチローですら涙目になるレベルで、脅威の打率100%。女性向け恋愛漫画に出てくる「あこがれ男子」ですら、そこまで完璧には振る舞えないだろう。そう思えるほどの安定感を体現する男。それが中島健人だった。
ライブという空間においても、TVとかのイメージ通りの姿がそこにあったわけだ。
で。
ソロになった中島健人はアイドルとしても100点満点のような存在感を発揮する一方で、アーティストとしても多彩な表現力を見せつけていたのが印象的だった。
だからこそ、ライブの満足度がより高かった。
激しく踊りながら歌う構成上、ボーカルは同期に合わせて声を重ねる形ではあるんだけど、なんせダンスがかなり躍動的なのだ。
歌いながら色んなフォーメーションでどんどん視覚的な表現を提示していくのだ。ちゃんと鍛え、パフォーマンスを磨いているからこそのブレのなさで、最新曲から自身が以前に作詞・作曲を手掛けたカラフルなチューンまで、見事に乗りこなしていくのだ。
いやー。
思い返すだけで、なかなかに痺れるライブだったなーと思うわけだ。
「キャラ」を引き受けつつも、更新するパワフルさ
こう言うと怒られるかもしれないけれど、「ソロ活動」って幅を見せることに全振りしがちというか、グループの活動ではできなかったことにスポットを当てたアウトプットをしがちだよなーと思っている。
色んなグループを経て、ソロ活動するアーティストを観て、そう思う。
それはそれで作家性が宿っていて、かっこよくて惹かれることも多いんだけど、中島健人ってそういう佇まいとはちょっと違うなーと思った。
ちゃんとこれまでの活動の延長線上にありながら、「中島健人」という理想像をさらにアーティストとして昇華していく。その痛快さを感じさせるパフォーマンスだよなーと思ったわけだ。
そういう感じ方をするライブって、マジでめったになくて、音源もTVもライブも、同じベクトル上に「らしさ」がつながっている。中島健人のライブ、すげえってなったわけだ。
とはいえ、単にそこだけに終始するんじゃなくて、ちゃんとライブとしてワクワクさせるパワフルさまで宿している。そこがまた凄い。
だって、あんなに運動したのに、あんなにスマートなMC、普通出せないって。見えないところで然るべき努力をしているからこそ、繰り出せる真っ直ぐな輝き。
自分が普段観測するライブとは違う魅力を存分に感じたからこそ、とても心に残ったライブになった、という、そういう話。

