INI 「LEGIT」、出口のない迷路のように興奮が続く件

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色んなタイプの音楽が好きだけど、新曲を聴いたときの「すごっ!」と感じるケースは必ずしもそこまで多くない。

多くない中でも「すごっ!」と感じる理由のひとつとして挙げられるのは、「ひとつの楽曲とは思われないほどの凄まじい構成力」というもの。

これは、音楽的理論の話とかでなくて、自分の中にある感想を言葉にしただけのものではあるんだけど、たまに新曲を聴いたとき、何曲分も楽曲を聴いているような心地になる歌があるのだ。

具体的に言えば、楽曲の展開がどんどん変わるとき。

しかも、その楽曲のピークがどんどん更新されるとき。(いわゆる同じ形式のサビが同じタイミングでくるような歌ではなくて、さっきもサビがあったけど、また違う形式のサビが登場したぞ!どんどん沼が続くぞ!と感じる楽曲は、そういう印象を持つことが多い)

要は、良い意味で楽曲の構成が読めず、どんどんその楽曲ならでの魅力に引き摺り込まれる歌が好きという話なんだけど、最近だと、INIの「LEGIT」がそういう楽曲だったように思うわけだ。

今作はメンバーである西洸人が作詞を手掛けていることでも話題になった楽曲だ。

そこもひとつの魅力ではあるけど、自分的には楽曲構成力に、より惹かれたのだった。

柔軟かつスリリングなアレンジの中で紡がれるゴリゴリのボーカルリレーが生み出す、予測不可能の世界。

その世界は、後半になるとどんどん深みを増していくことになるのだった。

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INI 「LEGIT」の話

この歌、まず、イントロの段階でかっこいい。

最初のボーカルが登場するまでの時間は約10秒だが、最初のボーカルが登場するまでの間に、ゾクゾクさせるようなヒップホップ的な世界観を作り上げている。

そして、約10秒後にボーカルが登場するわけだが、この最初のボーカルのトーンも良いのだ。

クールかつビターなトーンで攻めている感じ。

いわゆるAメロの部分の最初の3つのフレーズが、低いボーカルで攻めるからこそ、「LEGIT」が持つかっこよさが硬派なものになっていく。

で。

ここから同じトーンのボーカルが連続するのかなと身構えたくらいのタイミングで、すかさず、ボーカルのトーンは切り替わる。少しハイなエッセンスを加えたボーカルが登場することで、緊張のあった楽曲世界が、スリリングに動き出した心地を覚える。

この辺り、複数のボーカルで構成されており、それぞれのボーカルが魅力を持っているINIだからこその魅せ方であるとも言えるし、INIの表現力が際立っているパートのひとつと言えるのではないだろうか。

何気に合いの手のように、「ooh」とか「uh」というボーカルが部分部分で挟まれているのもポイント。

これにより、リズムに軽快さと勢いが生み出されており、楽曲の「楽しさ」が増していく。

アレンジ自体はクールでドープな空気感があるけれど、リズムの埋め方が的確かつ刺激的なので、ビターなテイストを残しつつも、ノリやすさも生み出している。この辺りも、「LEGIT」の絶妙さが際立っている。

また、歌詞には日本語も英語も織り交ぜることで、リズムの乗りこなし方にメリハリが生まれているのもポイントだ。

特にBメロの英語歌詞が多くなったタイミングで、早口でメロディーを紡ぐパートがあるんだけれど、ここもめっちゃ良い。

「英語でボーカルしているからこその気持ち良さ」が際立っている。

歌詞とメロディーの結びつきが密接だからこそ、作り出せている流れのように感じる。

そして、英語歌詞によってボーカル全体のテンポ感が速くなってきたーとなったタイミングで、「If you feel~」の歌詞に入る流れも絶妙。ここで一旦、テンポ感をゆっくりさせることで、楽曲の入り込みがより強くなる。

INIの「LEGIT」って、「ああ、この歌はこういう魅せ方をする歌なんだな」と構えたタイミングで、その逆をつくような魅せ方をしてくるところ。そこが、たまらない。

なので、常に良い意味で歌の方向性の予想がつかず、次はどんな風に魅せてくれるんだろうのワクワクが大きくなってくるのだ。

「We get the~」の歌詞に入ると、低いキック音が際立つように、ヒップホップ的なかっこよさがより際立つようになっていくんだけど、これだけ見せ場があるにも関わらず、楽曲はまだ1分にも満たない時間であることに気づく。刺激が多すぎる。言葉にしたい見せ場が多すぎる。

つくづく、この段階で相当に濃密で刺激的な音楽体験を誘わせてくれていることに気づくわけだ。

さらに、ピークはまだまだ続く。

次の英語ラップパートも、ぐっとくるポイントで、ここでも、これまでとまったく違う世界に誘われることになる。

この辺りはぜひ楽曲を聴きながら体感してもらえたらとは思うばかりだが、本当に息もつかせぬ展開が続くなのだ。

結果、通常の一曲分では体感できない高揚感を覚えることになる。

振り返ってみると、楽曲の後半では「If you feel~」のパートに戻っておらず、後半は怒涛の流れが続いている。

ここでは、こんなアプローチ!?

しかも、ビートはこんな風に転換するのは?!

そんなことを繰り返すことで、「LEGIT」にしかない刺激を大きく浴びることになる。

まとめに代えて

テキストにすると、なんだかわかりにくいかもしれない。

が、INIの「LEGHT」の構成力には魅力されっぱなしなのだ、という話である。

ぜひ聴いていない人は、一度聴いてみてほしいと思うばかり。

想像を超えた衝撃が待っている。

そんな約束ができる楽曲だから。

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