前説

スポンサーリンク

2021年2月が終わろうとしている。

壮絶すぎる時の流れの速さに脱帽するばかりであるが、月末ということなので、今月のお気に入りだった歌を紹介したい。

題して、2021年2月のバンド・アーティストの個人的ベストソング15。

なお、一部1月発表の楽曲があるけど、その曲に出会ったタイミングが2月だったということで承知してもらえたら。

また、選曲対象にアルバム曲を含むと膨大になってしまうので、基本的にはシングル曲・配信曲・YouTubeに音源があがっているものに限定しております。

ちなみに、この記事の紹介順はランキングではありませんので。なにとぞ。

では、どうぞ

本編

1.SUPER BEAVER 「アイラヴユー」

SUPER BEAVERらしいストレートなメッセージが綴られた一曲。

アイラヴユーの連呼なんて下手をすれば、すごく薄っぺらく映る可能性だってある気がするんだけど、SUPER BEAVERの歌はそういうことが起こらない。

変化球を使わないシンプルなビートメイクと、渋谷の溌剌とした歌声で、青臭い言葉に圧倒的な輝きを与える。

SUPER BEAVERだからこその魅せ方だし、SUPER BEAVERだからこその説得力である。

この楽曲も収録されている『アイラヴユー』というアルバムが良かった。

メジャーレーベルに戻ってもバンドが持つ根っこの部分は変わらない。

そういうことを実感させる作品である。

関連記事:SUPER BEAVERの『アイラブユー』から感じる圧倒的な感動について

2.ヒトリエ 「ハイゲイン」

もしかしたら、ヒトリエはあの頃を超えることはできないかもしれない。

正直、新作を発表するまでは心のどこかでそう思っている部分もあった。

でも、それは杞憂というか、もちろんあの頃はあの頃で素晴らしいバンドだったけれど、形が変わった今、あの頃の良さを継承しつつも今のヒトリエにしか魅了を『REAMP』から強く感じるのである。

その中でも高速ロックバンドの代名詞を欲しいままにして、ヒトリエだからこそのテクニカルなバンドアンサンブルが際立った「ハイゲイン」は、アルバムの中でもお気に入りの作品で。

楽曲にも映像にもwowakaのエッセンスを残しつつ、きっちり新しいヒトリエになっている、そんな真骨頂の一曲だと思う。

早口言葉のような言葉が詰まった難解なメロディーラインを軽やかに歌うシノダのボーカルも良い。

関連記事:新しいヒトリエの音楽がかっこいいということを伝えたい

3.XIIX 「ユースレス・シンフォニー」

柔らかさと多幸感の光を放っている「ユースレス・シンフォニー」。

斎藤宏介のボーカルも優しく響いていて、優しい楽曲により穏やかさを与えていく。

須藤優と斎藤宏介がそれぞれのアイデアをかけ合わせるからこそ生まれる深みがあって、その深みは各々が別で行っている活動とはまた違う深さなんだよなーと改めて思う次第。

なお、この楽曲のMVをみていると思うけれど、XIIXはチームとしても優れていることがよくわかる。

サウンドのひとつひとつのチョイスや技法の取り入れが絶妙なのも、こういった背景があるからこそ。

ボーカルも良いんだけど、サウンドも聴き惚れてしまう理由のひとつがここにある。

関連記事:バンド名が読みづらいXIIXのアルバムの殺傷能力が高い件

4.yama 「麻痺」

凛とした表情を歌声からモリモリと感じさせるyamaの一曲。

yamaって歌の乗りこなし方が絶妙で、どんな歌もスリリングな切れ味を生み出す。

ボーカルのリズムに対する感度が優れていて、表情も豊かだからこそ成立する技だ。

THE FIRST TAKEでみせるようなシンプルなアレンジでも、ジャズテイストのアレンジでも変わることなく楽曲が魅力的に輝くのは、yamaのボーカルがリズム・表情ともに優れているからこそ。

「麻痺」は、そういうyamaのボーカルとしての凄まじい表現力が際立っている。

関連記事:2020年に話題になったyamaというアーティストについて

5.寄り酔い 「和ぬか」

素っ頓狂な音で軽やかに感じるんだけど、一度聴いてしまうと中毒化してエライことになってしまう一曲。

ネットから登場した新進気鋭のクリエイターであり、現在20歳ということくらい自分は情報を知らないんだけど、楽曲から並々ならぬセンスを感じる。

合いの手をうつとかなるような祭りっぽいリズムアプローチとか、部分部分でみせる独特の音の差し込み方とかに強烈なセンスを覚えるのだ。

中性的な歌声も良い感じだし、色んな要素が重なってこの曲から圧倒的な中毒性を生み出すのだと思う。

単純にお気に入りの一曲。

6.どんぐりず 「NO WAY」

余計なユーモアは削ぎ落としてスタイリッシュなかっこよさを魅せつけるどんぐりずの「NO WAY」。

タイトなフロウに惹き込まれていくんだけど、中でもtiki dang dang no wayの連呼の部分がツボ。

トラックもエッジが効いていて、どこをどう切り取ってもかっこよい仕上がりなのだ。

ちなみに、この曲も収録している『4EP1』は、どの曲もカラー違いのかっこよさを放っている。

どんぐりずのクリエイティブに対するアンテナの広さを実感させる出来となっている。

7.大和那南 「Do You Wanna」

この曲が収録されている『夜明け前』はBIG LO­VEとNYのDull Toolの2レーベルから送り出されているので、単純なる<邦楽>とは違う立ち位置になる大和那南。

鋭敏な感性で構築される楽曲は、いわゆる日本のポップスにはない魅力をはらんでいる。

シンプルな打ち込みで紡がれる淡々としたボーカル。

一聴するとシンプルな構成なんだけど、不思議な佇まいに魅了されてどんどん楽曲の世界に誘われるのである。

8.大森元貴 「French」

ミセスの大森とはまた違う魅力を放つ大森元貴 「French」。

あえて類似点を指摘すると、美しいハイトーンなボーカルである。

ファルセット部分はその辺の歌い手を軽やかに凌駕する凄みがある。

口ずさめるような歌ものというよりも、アート性と作家性を際立たせた作品構成であるという意味で、ソロだからこそできる作品な感じがある。

個人的には、こういう歌い手の美的感覚が際立つような歌はすごくツボ。

関連記事:カラオケで歌わせる気がない攻撃的なメロディーラインを仕掛けてくるバンドたち

スポンサーリンク

9.香取慎吾 「Anonymous (feat.WONK)」

うっとりとするようなサウンドメイクと、その中を肉体性をもって泳ぎ切る香取慎吾のボーカル。

香取慎吾のアートセンスとWONKの洗練されたクリエイティブが丁寧に混じり合っている快作だと思う。

近年の香取慎吾のソロ作品は、音楽的快楽を大切にしているものが多く、聴くたびにゾクゾクさせられる。

「Anonymous」もまた、今の香取慎吾だからこそのクリエイティブが光っていて、惹き込まれてしまう。

関連記事:香取慎吾の「Anonymous (feat.WONK)」が壮絶な件

10. Awesome City Club 「勿忘」

Awesome City Clubは「4月のマーチ」がFM802のヘビーローテーションになったときからよく聴くバンドだったんだけど、こだわりが強いバンド故に、一部の界隈には強烈に受けるけれど、大衆的なヒットを飛ばすことはないバンドかな・・・と思っていた。

「勿忘」も然り。

良い歌ではあるんだけど、界隈で話題になるタイプの歌かなーと思っていたら、いつの間にか(タイアップ作品とはいえ)大ヒットを遂げていて、幅広い世代に届いていて、音楽っていつどこのタイミングで広がっていくのかわからんなーと改めて思いつつ(夢もあるよなー)。

とはいえ、この曲だって別に単純に媚びた作品というわけではない。

Awesome City Clubの美学が投影されているのに、きっちり大衆に届けているのが凄いところ。

「勿忘」はAwesome City Clubらしい繊細なバンドサウンドが魅力の一曲で、ベースの動きやシンバルの響きを丁寧に聞き取ることができる、細部にまでこだわった作品であるように思う。

うねるようなグルーヴを華麗に感じられて、耳の中がうっとりとしてしまうのである。

11.indigo la End 「夜光虫」

indigo la Endって歌詞が切ないのはもちろんだけど、サウンドそのものも鋭い切なさを宿しているから凄いバンドだよなーと思う。

大人の魅力みたいなものが節々に漂っているのである。

「夜光虫」はそんなindigo la Endならではの魅力が際立った一曲。

微妙な恋愛をしているときに聴くと、たぶん楽曲の攻撃力が大きく跳ね上がることになると思う。

関連記事:切ない系バンドの代名詞、indigo la Endの話

12.ずっと真夜中でいいのに。 「胸の煙」

『ぐされ」という、ずっと真夜中でいいのに。の新しいアルバムがすごく良かった。

何がいいかって、サウンドの質そのものにぐっとくるのだ。

打楽器の音が鳴っているとして、その打楽器が紡ぐビートが良いというよりも、このビートをこういう音で鳴らすのか、みたいなドキドキがあるのだ。

「胸の煙」も装いとしてはポップソングなんだけど、細かいところで色んなサウンドが躍動していて、時々強烈な加工音が表情を覗かせる感じにゾクゾクするのだ。

かつ、メロディーはキャッチーで、ACAの歌声にも魅了される。

ずっと真夜中でいいのに。の<バンド>としての凄みが、「胸の煙」をはじめ新しいアルバムで炸裂している。

関連記事:個人的に思うヨルシカとずとまよとYOASOBIの違い

13.BUMP OF CHICKEN 「Flare」

大きな悲しみを背負いつつも、そっと一筋の希望を見出す。

そういうふさぎ込んだ希望みたいなものをこの歌から感じられて、それがとても感動的で心地よい。

藤原のボーカルがそういう類のメッセージを、より切実なものとして浮かび上がらせてくれるのである。

今までのBUMP OF CHICKENとは違ったカタチで、BUMP OF CHICKENらしいメッセージを際立たせる。

素朴で優しくて、悲しくて心温まる、そんな不思議な一曲。

関連記事:BUMP OF CHICKENの「Flare」に対する素朴な感想

14.星野源 「創造」

星野源の溢れんばかりの愛とリスペクトとクリエイティブが結集した快作。

本音をいえば、ここ最近の星野源の作品は、個人的にぐっとくることが少なかったんだけど、ここにきて一気に心を打ち抜かれた感がある。

任天堂に対する多重な引用の数々から語られることも多い「創造」だけど、星野源のポップソングとしても壮大かつ大胆に新しいキラメキを放っている。

ワールドワイドなエッセンスと自分のルーツとJ-POPの音楽構成を解体しなおして、新たな音楽を創造した感じがあるのだ。

星野源だからこそ生み出すことができた、キャッチーかつスリリングな一曲だと思う。

関連記事:星野源の「創造」が任天堂への愛とリスペクトで詰まっている件

15.Sexy Zone 「RIGHT NEXT TO YOU」

この曲が収録されるアルバムは3月リリースだし、ベストソングに入れるのは3月にしようかなーと思ったんだけど、この記事が<今月心を動かされた音楽>を選出した紹介するものなのだとしたら、この曲を今月のベストソングから外すわけにはいかない、ということで、最後はSexy Zone 「RIGHT NEXT TO YOU」にしてみました。

歌ではなく、ダンスを主役にしたダンスミュージックという装いが個人的なツボの一曲。

サビの置き方やそこに至るまでの構成がアグレッシブかつスリリングで、聴いている最中はドキドキしっぱなしになる。

もちろん、曲も良いんだけど、ダンスの切れ味も鋭くて本当に見もので。

動きを瞬間的に止めるタメが華麗にキマっているからこそ、細かい動きに圧倒的な躍動感が生まれている。

フレッシュさとパフォーマーとしての成熟の両方を感じさせるSexy Zoneだからこその境地。

Sexy Zoneの10年の集大成として、これほどまでに圧倒的な作品もないのではないだろうか。

関連記事:Sexy Zoneの「RIGHT NEXT TO YOU」が最高傑作と思う理由

まとめ

色々迷った結果、この15曲にしてみました。

まあ、兎にも角にも、この記事を新しい歌と出会えるきっかけにしてもらえたら嬉しい限り。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。

スポンサーリンク

LINEで送る
Pocket