前説

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最近、ボカロ文脈や歌い手系の文脈とも親和性がありそうな、MVがアニメ絵のアーティストが増えている。

今年、圧倒的なブレイクを果たしたYOASOBIも平たくいえば、そのカテゴリーと捉えている人もいるのではないだろうか。

人によっては、そういう「テイスト」が見えると、似たようなアーティストとしてひとくくりする人も多い気がする。

実際、自分のブログでもYOASOBIとずとまよとヨルシカの違いを書いた記事がめっちゃ読まれているし。

関連記事:個人的に思うヨルシカとずとまよとYOASOBIの違い

まあ、同じと思うか違うと思うのかはその人のモノの捉え方や感性、あるいは知識の問題だと思うので、それは別にいいのだ。

ただ、なんとなく全部同じでしょ、と思っている人の価値ってあんがい状況が変われば転覆することもよくあるとは思う。

爆裂的にヒットしていくと、急にそれが違って見えてくるのが人間というものなのである。

きっと「鬼滅の刃」だって、売れていなければ「あ〜よくある少年ジャンプの漫画」だねとか、「『進撃の巨人』とかと同じ人形の化け物が人間を攻める話ね」みたいな感じで、「似たようなもの」として消化した人もいたと思うのだ。

だけれど、爆発的に売れることで、そういう安易な見立ては粉砕されていった、みたいなところがある。

音楽だって似たようなもので、結果で評価を転覆させるなんてよくある話だと思うのだ。

そういう意味で、個人的には「似ている」という評価なんて、そんなもんだろうなーなんて思っている節はある。

まあ、御託はこの辺にして。

今回紹介したいのは、そういうテイストのカテゴリーに入れる人もいるかもだけど、個人的にめっちゃ良いやんと思っているアーティストなのだということ。

名前は、yama。

自分は、yamaが最近発表した「真っ白」という歌がめっちゃツボなのである。

なので、この記事ではyamaの「真っ白」について書いていきたい。

本編

yamaとは誰か?

そもそも、yamaって誰って人もいるかもしれない。

簡単に紹介すると、yamaはわりとプロフィールが包まれた歌い手で、あまりパブリックな情報を出していない。

そんなyamaを一躍有名にした楽曲が、今年発表された「春を告げる」だ。

ボカロPとしても名を馳せるくじらが手掛けたこの歌は、たちまちサブスクやSNSで話題となり、現在YouTubeでも4,000万再生数を誇るヒット・ソングとなっている。

もともと歌い手としては楽曲は発表していたyamaだが、オリジナル楽曲としてきちんと発表したのは「春を告げる」がはじめて(のはず)。

もともと界隈では有名だった歌い手とはいえ、今年になってここまで大きく存在感を示すことになったyamaは、2020年の音楽シーンを語るうえでも重要なアーティストだと思う。

まあ、自分は「春を告げる」に関しては、好きだけどリピートして何度も聴くほどに惚れ込んでいたわけではなかったのだけれども。

そんな自分がyama、めっちゃ良いなーと思って聴き惚れたのは最近発表した「真っ白」なのである。

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真っ白の何が良いのか

もしかしたら単純に自分はこういう王道なバラードが好き、というところがあるかもしれない。

歌詞とか抜きにして雪の雰囲気を感じさせる冬のバラードという装いに胸が射抜かれた節はある。

ただ、こういう雰囲気のある歌を雰囲気の良いままにきちんとパッケージできるのは、yamaの歌声があるからこそだと思う。

「少年」が主人公の歌でも、「少女」が主人公の歌でも、違和感なく歌いこなせる中性的かつ澄み切った歌声。

これが良い。

ヨルシカなんかもわりと中性的な歌声で、色んな主人公の歌に「感情」を込めることが上手だけど、yamaもまたそういうアプローチが上手いよなーと思うのだ。

なので、心情を丁寧に歌った、季節感のある歌が立体的に膨らむのである。

「歌い手」と呼ばれている中でも人気な人は、単に歌が上手いのではなく、歌詞を「物語」的な立体感に膨らませて表現する人が多い気がする。

yamaもまた、そういう一人。

自分はそう感じている。

だから、yamaの歌は他のアーティストの冬のバラードとは違う刺さり方をするのだと思う。

少なくとも、自分はそうだったのだ。

あと、「真っ白」は単なるポップソングとはちょっと違う響きがある。

音だけで季節感を感じる、というのがこの歌の印象だったんだけど、なぜそう感じるのかといえば、音の使い方や鳴らしている楽器、その響かせ方が秀逸だからだ。

例えば、鈴っぽい音が鳴っているけれど、この音が鳴ることでクリスマスっぽい空気が出るし、タイトルにある「真っ白」とのリンク性も強くなる。

ギターやキーボードの音だって、「音の変え方」が絶妙で、全てが綺麗に調和されていることを実感する。

冬というワンシーンのイメージがあって、そのイメージを表現するために、音が然るべき形に変化されている心地を感じるというか。

ただ、サウンドはどれだけ変化してもあくまでも物語を盛り立てるための脇役、みたいな徹底さもあり、そこも良い。

あくまでも、主役はyamaの歌声。

だから、サウンドはきっちり盛りたてはするけれど、主張はしすぎない。

そういう絶妙な塩梅がある。

だからこそ、歌に絶妙な響きと気持ちよさをもたらせてくれるのである。

yamaの歌が、どこまでも綺麗に輝くのである。

yamaを囲んでいるクリエイターがきっと素晴らしいのだろうし、そこにきっちりと応えるyamaの表現力も素晴らしい。

「真っ白」はそういう、様々な巧みがキラリと光っている歌だと思うのだ。

まとめ

こういうタイプのアーティストに苦手意識を持っている人もいるかもしれない。

当然、好き嫌いはあるので、それは全然いいんだけど、もし単純に知らなかった、という人はぜひyamaを聴いてみてほしいと思う。

良い意味で爽やかさみたいなものに心を貫かれるかもしれないから。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。

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