chilldspotのカラーがマリオカートでいうところのレインボーロードな件
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どんなバンドのライブでもカラーというものが存在している。
例えば、Air JAM的な文脈に影響を受けたと思われるバンドの場合は、そのバンド特有の”かかってこいや”の空気がある。
シューゲイザーにルーツがあるバンドであれば、ステージにスモークをたきまくって照明と合わさったときに独特かつ幻想的な空気感をステージ上に充満させるケースが多い。
そう。
どんなバンドにも特有のカラーというものは存在するわけだ。
もちろん、キャリアを重ねたらカラーの中にもバリエーションが出てくる。
最初は単一の”赤”だったけれど、同じ赤でもよくみたら紅赤な部分もあれば、真紅の部分も出てきたぞ・・・といった感じで、赤のバリエーションやコントラストが増えてくるようになる。
が、そのバンドのベースカラーが赤なのだとしたら、派生するそのカラーも赤をベースにしたものである、ということは言えるように思うのだ。
こと、ひとつのライブのパフォーマンスを軸にした話をする場合は。
でも、ひとつのライブパフォーマンスを軸にして話をする場合でも、様々なベースカラーを魅せてくれるようなバンドも確かに存在している。
chilldspotもまた、そういうバンドのひとつだと思っている。
というのも、先日、chilldspotの2nd One Man tour “Road Map” の梅田シャングリラを観たとき、「良い意味で、chilldspotは一つの軸で語りづらいバンドだなー」と勝手ながらに思ったのだった。
どういうことか。
自分がライブを観て感じたことをベースにしながら、そのことを言葉にしてみたいと思う。
コントラストに変化していくchilldspotのライブ
最近のchilldspotのライブを観たことがある人であれば、ある程度は共感してもらえると思うのだが、chilldspotってフェーズごとにライブのトーンが変わる。
例えば、「Don’t lose sight」のような演者と一緒になって歌声をあげるようなタイプの歌があれば、「ネオンを消して」のように、すっと歌に入り込みながら、ボーカルの歌声にじっと耳を染めて鑑賞したくなるタイプの歌も存在している。
リズムにのりながらアッパーに楽しむ瞬間もあれば、聴き手の内面にスポットを当てるように、あえて言えば”暗い”空気を意図的に作って歌を聞かせる流れも存在していて、chilldspotはその振り幅が、わりと大胆であるように思うのだ。
もちろん、どんなバンドでも盛り上がる時間もあれば、バラードをじっと聴く時間も存在はしている。
でも、それってハリウッド映画よろしくな起承転結に沿っているというか、わかりやすい構成の軸にセットリストを組んでいる感を覚えることが多い。
でも、chilldspotって良い意味でそういう”見える”構成がない印象を受けるのだ。
いや、もちろんバンド側は色んな流れを想定しながらセットリストは組んでいると思うし、別に気をてらっているわけではないと思う。
が、chilldspotって作品からして豊富なカラーを持ち合わせたバンドということもあって、一曲が終わったあとの「次」がどういう展開になるのか、想像がつかない面白さがあるのだ。
常に多面的なカラーを感じさせるし、平坦な道が続いていると思ったら、急にとんだ急降下な展開を作ったり、えげつないカーブを連発する瞬間がある。
しっとりでくるのか、溌剌とした感じでくるのか。
そういう予断のつかない面白さがあるのである。
それこそ、マリオカートのレインボーロードというコースのように。
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その上で感じた、溌剌としたエネルギー
とはいえ、今作は事前にリリースされた『ポートレイト』というアルバムを軸にしたライブになることは承知していた。
なので、きっとしっとり寄りというか、シックなムードが流れがちなライブになるかと思っていたのだった
バンド名自体がchill / child / spot / potの四つの言葉を組み合わせた造語のバンドであるということで、チルの部分がわかりやすく表出するライブになると思っていたのだった。
でも、実際にライブを観て、そのときの記憶を探ってみると、良い意味でその期待が裏切られていることを実感する。
今回のライブは良い意味で溌剌としたエネルギーを感じたライブだったし、想像以上にパワーのある時間だったと思い返す
音楽や言葉を通じての、chilldspotと観客のコミュニケーションも多かったし、常にステージ上で披露される音楽に呼応するように、会場のボルテージが上がっていくタイプのライブだったことを痛感する。
・・・というところまで思い返したとき、なおのこと、chilldspotって面白いバンドだなーと感じる自分がいる。
思えば、新作では「ひるねの国」というエッジの効いた作品をリリースしているし、ますますバンドの形容がしづらいバンドに進化していることを実感する。
その日のライブ中のMCでも触れていたが、きっとバンドからすると、この歌がもっとも素に近い歌、というのは存在していると思う。
こういうタイプの歌が得意だし、手癖で音楽を作るとこういうテイストの音楽になってしまいがちだ、というものも、もしかしたら存在しているのかなーとも思う。
でも、バンドやメンバーがどう思っているのかということを飛び越えて、生み出された歌を聴くだけの自分からすると、chilldspotって枠に囚われることなく、かといって無茶苦茶に突き進むわけでなもなく、着実に自分たちの道を耕しているような印象を受けて、面白く思うのである。
それこそ、マリオカートのレインボーロードというコースのように。
ライブを観て、改めてそんなことを感じたのだった。
まとめに替えて
なにより、chilldspotはまだまだ若いバンドなので、ここから様々な変化をとげていきそうな予感も覚える。
作品においても、ライブのカラーにおいても、そのことが言えるのではないかと思う。
それこそ、マリオカートのレインボーロードというコースのように。
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