モッシュピットを仕切っていたライズキッズはどこに行ったのか?

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いや、コロナ禍やねんから、モッシュピットの話題を出すとか、ふざけたことせんといて。

そう指摘するお声もあるかと思う。

日本と海外でライブのテンションが違うバンドを揶揄したりされたりするケースが置きて<モッシュについてどう考えるか>がわりと殺伐化している昨今、安易にこういうトピックを投じることは危険な気もする。コーラの中にメントスを入れるような所業な気もする。

ただ、この記事で話したいのは、そういうことじゃなくて、だ。

昔のモッシュピットって絶対に<イキリ>というワードと切っても切り離せない空気感があったし、たしかにイキリ度高めのライブキッズモッシュピットの中で存在感を示すケースが多かった気がするのだ。

でも、今、モッシュピットが発生するとして、そうはならん気がするなーというアレがアレなアレ的なアレなのだ。

そう。

今ライブシーンにいるモッシュを起こしたいね的なテンションの人と、当時のモッシュウェーイなあの感じには、大きな違いを感じてしまう自分がいる。

あえて考えてみると、前者と後者ではモッシュを起こす動機が違うのかもしれん、と思ったりする。

なんとなく、当時イキリ度高めに感じた仕掛け人・モッシュピットの軍勢アクティブな人たちは音楽を楽しむ先にモッシュピットがある、というよりも、モッシュピットをやるために音楽がある、という感じだった。気がする。

だから、アップテンポ多めのバンドがうっかりバラードなんて歌った日には、あれ、ミスマッチングしか生じていない街コン会場????ってくらいの、独特かつ何とも言えない空気が充満することになったのだった。

でも、今ライブハウスにいる人は、音楽を楽しみためのモッシュピット民が多い印象を受ける。

だから、どんなテンションの楽曲も全ブリハッピータイムになるんじゃないかという気がするのだ。もし仮に、終始、モッシュピットの濃度が高めだったとしても、だ。

まあ、モッシュが嫌いな人からすれば、モッシュピットなんてすべてが恐怖の対象でしかないとは思うけどね。

まあ、これはバンドごとの文化のち外でもあるので、今回は脇に置かせてくださいな。

さて、だ。

仮にこの仮説に正当性があったとする。

では、モッシュピットを仕切っていたライブキッズはどこに行ってしまったのだろうか。

例えばであるが、2010年代前半は大型フェスでライブをするたびにモッシュで荒れがちだった、本来であればそこまでモッシュやダイブがバンバンに起こるタイプではないバンドのライブの空気は、2022年現在、大きく異なっているように感じる。

あえて、名前を出してしまうが、KANA-BOONもキュウソネコカミも、BLUE ENCOUNTもTHE ORAL CIGARETTESも、フェスに出演した際のオーディエンスの空気は、当時と今とで大きく異なる印象を受ける。

当時は良くも悪くも殺伐感があって。

充満したエネルギーがとんでもない方向に爆発しそうな予感をはらんでいて。

意味もなく花開くサークルと、意味不明に萎んでいくサークルの栄枯盛衰が常に起こっていた。

しかし、今はマジでそういうアレは無縁になり、わりと常にハートフルなモードの幕開けで、に愛と平和に満ちた素敵空間に包まれている印象を受けるのだ。

これは、コロナ禍かどうかというところを差し引いたうえで、感じる空気感だったりする。

コロナ禍を経たからこそ・・・という言い方をするよりも、それでも音楽が好きな人たちで構成された空間になったからこそ、生み出すことができた空気感なのかなーと勝手なことを思うのである。

いや、まあ別にイキリライブキッズが音楽愛に欠けていた、というわけではないし、表面は<イキリ>に見えても実態はラブアンドピースということも往々にしてある。

でも、仮に音楽はあくまでも仲間とコミュニケーションを取るためのツールでしかない、という人がいたのだとしたら、そういう人はこの数年でライブから距離を置いたケースは多いのかなと思ってしまうのだ。

故に、様々なバンドのライブの空気を大きく変えたのかなーなんて思うのだ。

もちろん、音楽愛に溢れていても、事情によりライブに行くことができなかった人だってたくさんいるわけで、行かない=ダメ、みたいな話ではないんだけどね。

でも、変わるざるを得ない環境によって変えたものって、確かにあって。

それによって生み出すことになったポジティブな何かは、確かにあるんだろうなーと思うのである。

単なる<流行り>になってしまっていたら、なかなか簡単には見つからなかった何かが、今はとても見つかりやすい、そんなフェーズなのかなーなんてことを思うのだ。

まとめ

モッシュピットにまつわるVS構図はナリを潜めた。

だから、音楽シーンは穏やかになった・・・と思っていたら、バトルは違うところで起こる。

アンコール手拍子派 VS 絶対スマホライトで照らすマンとの戦いは混迷を極めている。

また、当時某毛根系バンドで行われたような話をこするかのように、うちわでバンドマン応援します〜勢力 VS バンドをアイドル視する奴絶対許さない民とのバトルもバチバチ感が増している。

人の数だけ価値観はあって。

形を変えつつも、ライブシーンはファン同士でしのぎを削っているのである。

今日も明日も明後日も。

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