前説
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誤解されがちなバンドってたまにいる。
なんというか、本当はバンドとしてめっちゃかっこいいのに、いわゆるバンド好きにあまり聴かれていないバンドみたいな。
好みとか以前に、パブリックなバンドのイメージが「ポップ」と勘違いされることで、積極的にはバンド好きに聴かれてこなかったバンドみたいな。
そういうバンドって、少なからずいると思うのだ。
もしかしたら、緑黄色社会もそういうカテゴリーのバンドなのかもしれない。
そんなふうに思うことがある。
なんというか、メディアに出たときの印象が華やかに見えるが故に、本来のバンドのポテンシャルとは違う評価をされてきたバンドのような気がしてしまうのだ。
でも。
緑黄色社会って、バンドとしてとてもかっこいいバンドだと自分は思っていて。
バンド好きであればなおさら、聴かないでおくことが勿体ないバンドだよなーと思うのである。
そこで、この記事では緑黄色社会のことについて書いていきたい。
本編
緑黄色社会の魅力について
緑黄色社会の魅力とは何だろうか?
人によって違うと思う。
大ヒットとなった「Mela!」はメロディーがキャッチーで、ホーンアレンジが印象的な歌である。
サウンドは豪華でカラフル。
Bメロのハンドクラップも印象的で、踊りだしたくなるような魅力をはらんでいる。
メロディーがきれいで、リズムフックにぐっとくる部分が多い。
だから、色んな楽しみ方ができる曲だと思うし、それ故に、この歌はたくさんの人に刺さったのだと思う。
ただ、自分的にはポイントなのはこれほどまでに「バンドの外側の音」が強く鳴っているにも関わらず、バンドとのかっこよさが一切損なわれていないところにある。
というのも、この曲って丁寧に聴けば聴くほど、バンドのゴリゴリさが伝わってくる歌なのだ。
例えば、Aメロ。
ここでは、エレキギターや鍵盤の音がサウンドに彩りを与え、荒ぶるベースが楽曲に疾走感を生み出している。
細かくサウンドを刻むバンドアンサンブルが絶妙で、これだけでも楽曲として完成しているからこそ、ホーンセクションやハンドクラップがより輝いてくるのだ。
間奏ではゴリゴリのギターソロをさらっと挿入すると、鍵盤がメインになるパートもするっと忍び込ませている。
実は自分たちのバンドサウンドを聴かせるパートも少しずつ挟んでおり、それがこの曲のワクワク感を生み出している。
実力を研ぎ澄ませてきた緑黄色社会だからこそできる、かっこよさが宿っている。
一聴するとカラフルなポップソングなんだけど、内実は卓越したバンドサウンドを堪能できる一曲なのだ。
聴けば踊りだしくなる魅力の根本は、緑黄色社会の研ぎ澄まされたバンドサウンドにあるわけである。
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ボーカルの強さ
「Mela!だってもちろんそうだし、「sabotage」みたいな曲でもいいんだけど、常に緑黄色社会の魅力の根底にはサウンドのゴリゴリさがある。
確かにポップなバンドというイメージがあるかもしれないし、ポップな側面があることは間違いないんだけど、ポップと形容するにはあまりにもサウンドがかっこいいのだ。
だって、どの曲も楽器隊の見せ場を潜ませているから。
つまり、歌だけじゃなくて、サウンドでもきっちり魅了させるタイプのバンドなのだ。
そういう意味で、緑黄色社会は単なるポップバンドとは形容できない魅力をはらんでいる。
ただ、緑黄色社会ってポップだよねと言いたくなるのは、きっとサウンド以上にボーカルが魅力的だからだ。
そう。
緑黄色社会はボーカルも強いバンドなのだ。
ボーカルが強くて、歌が際立つ。
しかも凛として聴き心地の良いボーカルだから、なおのことメロディーへの目配せが強くなる。
良い意味でサウンドのゴリゴリさが調和されて、楽曲の華やかさが際立つのは、このボーカルがあるからこそだ。
カラフルな楽曲
あと、緑黄色社会の特徴として良い意味でのジャンルレスさがある。
緑黄色社会は、メンバー全員がそれぞれ音楽的なルーツが違っている。
ポップが好きな人もいれば、レッチリが好きな人もいて、きっと得意としているサウンドアプローチも違うと思うのだ。
かつ、それぞれが楽曲を手掛けることもできるため、バンド全体のカラーとしてワンマン的というよりは、常に全員の個性が際立つような印象を受けるのだ。
それ故、バンド全体からカラフルさが滲み出る。
思えば、緑黄色社会ってバンドとしてのジャンルの形容がしづらい。
それでもあえて言葉にするとしたら、ポップ・ロックみたいなカテゴリーに分類するしかなくなるんだけど、これって歌が力強くてメロディーがしっかりしているから発声した言葉であって、必ずしも緑黄色社会のサウンドの本質をついた言葉ではないと思う。
だからこそ、ポップだけどゴリゴリという捻れが生まれるのだと思うし、緑黄色社会ってサウンドの面でカテゴライズするとしたら「緑黄色社会」という言葉そのものをジャンルにするしかないみたいなところがある。
だって、楽曲ごとの魅力が違うし、アプローチ方法であったり、外から取り入れる楽器だって曲ごとに変わってしまうから。
でも、そのカラフルさこそが緑黄色社会の魅力である。
それは間違いない。
重要なのは、カラフルという言葉で形容できるようなバンドでもあるのに、内実はゴリゴリでかっこいいということ。
パブリックなイメージとサウンドのかっこよさにギャップがあるという意味で、Mrs. GREEN APPLEとも通ずるものがあると勝手に思っている。
なんにしても、緑黄色社会はマジでバンドとしてかっこいいタイプのバンドだよなーと思うわけである。
まとめ
他のバンドとは違う形で存在感を強めてきたバンドである緑黄色社会。
ただ、バンドとしてのかっこよさに置いてはその辺のバンドに引けを取らない、ということはここで改めて記しておきたい。
ルーツに縛られずに自分たちの表現したいことに向けて技術を磨いているイメージなので、これからも緑黄色社会らしい形でさらに化けていくのだと思う。
まだメンバー全員20代であり、芸人でいえば第七世代と区分けされるような平均年齢である。
つまり、ここからさらに予想もつかない進化していく、ということが予想されるわけで、これからの緑黄色社会も目が離せない。
もし聴かず嫌いの人がいるのだとしたら、よかったら一度このバンドの音楽に触れてみてほしい。
ただただそう思うのである。
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