前説

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マイクの代わりにメガホンを持ちながら歌うバンドがたまにいる。

というわけで、「拡声器で歌う」というワードで頭がよぎったバンドを紹介しようと思う。

本編

東京事変

拡声器を歌うボーカルといえば、椎名林檎を思い浮かべる人は相当多いのではないだろうか。

「NIPPON」をはじめ、拡声器で歌う姿が印象的なMVも多い。

そして、ソロ活動のみならず、東京事変でも積極的に拡声器を使う。

時系列に沿って丁寧に椎名林檎を観てきた人間ではないので、どのタイミングから拡声器を持つようになったのか正確には把握していないんだけど、それでも椎名林檎の拡声器のイメージは根強いものがある。

なにより、椎名林檎は拡声器を持って歌う姿がとても凛々しくてかっこいいのだ。

端的に言えば、似合っている。

King Gnu

現代において、女性ボーカルでもっとも拡声器のイメージが強いのが椎名林檎なのだとしたら、日本のバンドの男性ボーカルでもっとも拡声器のイメージが強いはKing Gnuのメンバーである常田かもしれない。

少なくとも、自分のまわりで同様の質問をしたら、常田の名前を挙げる人はきっとたくさんいると思う。

一時期の常田は本当に意図的に拡声器をぎらつかせていたボーカルだった。

常田もまた、拡声器が似合うタイプのボーカルだなーと思う。

目をギラつかせながら拡声器で歌うそのサマは、ロックンロールの渋みをもっていた。

近年のKing Gnuは相当にポップに舵を切っており、それに比例して拡声器を使って歌う楽曲も減ったけれど、今年(あるいは来年)は自分たちの美学に寄せた楽曲を歌いそうな気配もあるし、=拡声器の出番が増えるような気がする。

メロディーや声の繊細ではなく、演奏の巧みさとビジュアル的な快楽だけでドキドキさせるような、King Gnuならではの美学が詰まった音楽を浴びてみたいなーと思うばかり。

たぶん、今のKing Gnuがそういう音楽と対峙したら、さらにヤバい境地に到達するような気がしてならないからだ。

その時が楽しみである。

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SEKAI NO OWARI

いや、この歌は拡声器やなくて、トランシーバーやん。

そういう声もありそうだが、なんとなくこの並びに入れたかったので紹介させてほしい。

セカオワにおけるこのパフォーマンスは当時、そうとう揶揄された。

「ドラゴンナイト」の発音も特徴的なものであったため、合わせて「いじる」人もいたように思う。

でも、ファンタジー的な想像力を持ってして、現実を切り開いていく意志を感じるこの歌において、マイクはアレである必要があったように思うし、英語の発音だって素晴らしい出来だったように思うのだ。

世界に目配せしながら活動しているバンドが、妥協なく英語に向き合ったからこそ、あの発音で歌ったように思うのである。

セカオワはいつだって先進的であるがゆえに揶揄される立場を取ることもあったけれど、揶揄されるほどに進んだ立ち位置で音楽をやっていたからこそだと思うのだ。

その揶揄は、むしろ名誉みたいなものだったのだと、今なら言えるのではないかと思うのだ。

まとめ

拡声器で歌うというパフォーマンスそのものが普通と違うゆえに、メッセージ性を浴びるパフォーマンスとなりがちである。

でも、上記のアーティストたちはきっちりと通常と違う形で、拡声器を持って歌うことに意味が見いだせるように思うし、そんなことを抜きにして単純にサマになっているように思うのだ。

考えてみたら、全員ビジュアル面で相当なこだわりを持っているバンドだもんなあ。

ってか、そういう想像力を持ち合わせていないと拡声器を用いて歌うという発想なんて至らないのかなー。

そんなことを思う夜なのでした。

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